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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第二章 学校編
37/310

Ep:37 過去

 僕は寮に向かう廊下を、ブルートさんと歩いていた。


「まさか寮の部屋まで同じだとはな。これであの部屋を一人で使えなくなるのか…」


ブルートさんは少し寂しそうな顔で天井を見上げていた。


「ねぇ、ブルートさん。この学校には寮があるのに、何で朝正門から入って来てる人が居たの?」


「ブルートさん…調子狂うな…呼び捨てで良いよ。寮は必要な人だけ使う。だから、近くに家や屋敷がある奴は基本的に寮は使わねぇんだよ。まぁ、俺は田舎から来てるから寮が必要不可欠なんだけどな」


僕は、頭の後ろに手を当てて喋るブルートさんの横で、頷きながら話を聞く。すると、不意にブルートさんへの質問が頭に浮かんだ。


「ブルー――ぶ、ブルートは何でこの学校に入ったの?」


その瞬間、ブルートさんの足取りが遅くなる。そして止まった。その半歩後ろで僕も止まった。他の生徒の行き交う騒がしい廊下の端で、ブルートさんは話し出した。


「俺は田舎の町が出身でよ…小さな町だったから顔見知りも多かったんだ。その内の一人に、仲の良い女が居たんだよ…所謂幼馴染って奴だ。一緒に遊びに行って、泥だらけになって帰る。そんな感じだった」


ブルートさんは淡々と話す。


「そんである日、いつも通りに森に遊びに行って、日も暮れてきて帰ろうと思った時、ゴブリンが一匹出て来たんだ。咄嗟に近くに落ちてた木の棒を拾って、魔力を流して武器にしたら、突然魔力の制御が利かなくなって、気付いた時にはそいつは大火傷…」


ブルートさんは何かを堪えながら俯く。


「町の人や本人も不幸な事故だからって俺を責めなかった。でも、いくら許されたからって、自分の事は許せない。だから、今度は他人(ひと)の事を守ろうって決意したんだ…」


僕の方に向き直したブルートさんは口を開く。


「お前にとってはそんな事かと思うかも知れねぇけどよ…俺にとっては重要な事なんだ…」


「そんな事かなんて思わない…誰だって自分の信念で動くものだから」


「おう…そうだな…これから宜しくな、ライト…!」


ブルートさんはそう良いながら、僕の背中を叩いて来た。


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 僕は、ブルートさんと一緒に寮の部屋に入る。そこには上下の段になったベッドや、本立がついている勉強机が壁際に二個あった。


「ここが俺とお前の部屋だ。ベッドは俺が上段を使ってるから、お前は下を使ってくれ」


そう言いながらブルートさんは自分の席に着いた。僕は本の並んでいない方の席に座った。

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