Ep:36 属性
僕とブルートさんは木剣を構える。周りからも木と木のぶつかる音が聞こえて来る。
「さてと…ここでは自分が強くなる為にある程度自由な戦いができるって事は言ったよな…?」
「うん…」
「だから魔力も使えるんだぜ!」
そう言ってブルートさんは、木剣に魔力を流す。すると、木剣がまるで炎の様な色に輝いた。更に足にまで魔力を流すのが分かった。次の瞬間、恐ろしい速度でブルートさんが肉薄して来た。
「速い…!?」
僕は咄嗟に木剣で攻撃を防ぐ。
「魔力を使った身体強化だ!追いつけるか!?」
そう言いながら、着地する前に何発も僕に向かって木剣を振るう。風圧で髪が揺れる。その内の一撃が、僕の頬を掠めた。
「熱っ…!?」
頬を掠めた剣先は、火傷する程熱かった。ブルートさんは着地して、一旦飛び退きながら言う。
「どうだ!木剣に火の属性付加は!」
「属性付加…?」
聞きなれない言葉…
「もういっちょ行くぜ!」
ブルートさんは僕の呟きを無視してもう一度肉薄して来る。その木剣は、周りの空気を歪める程の熱を発していた。僕はブルートさんの木剣を自分の木剣で防御する。
「おらおらおらおらぁッ!」
熱量が増して、周りの温度まで上がって来てる…汗が額を伝って来た。仕方ない…
「おらおら――え…?」
僕は、痣で右肩を覆って木剣を振るう。肩の力が底上げされて、木剣の勢いが増した。
「ぐがあぁっ!?」
ブルートさんが軽く吹き飛ばされる。靴底を床に擦りながら二本の木剣を交差させて防御している。
「何だ今の…?」
ブルートさんは僕に向けて警戒を強める。
「ねぇ、属性付加って何?」
僕はブルートさんに聞く。
「いや、それ以前に何だよ今の…」
「……僕もよく分からない…」
「はぁ…?じゃあ何で使えんだよ…?」
僕は黙って首を横に振る。
「ハァ…まぁ良いや。で?属性付加だっけ?」
今度は頷く。
「まぁ、読んで字の如くって所だな。魔力には属性がある。火、水、風、地、光、闇、そして無。まぁ、他にもあるかも知れねぇけど、俺が使える属性は火って感じで、その人ごとに魔力の適性がある。俺みたいに火属性しか使えない奴もいれば、火と風みたいに複数属性使える奴も居る。その力を物体に上乗せするのが属性付加だ」
「へぇ…」
僕は感心の声を上げる。
「まぁ、簡単に言えばって所だけどな」
「ううん、よく分かったよ。ありがとう」
「そうか、なら良かったぜ」
その後、休憩をはさみつつ、ブルートさんとの訓練を終えた。




