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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第一章 少年編
23/310

Ep:23 襲撃 *

 明朝、僕は辺りの騒がしさで目を覚ました。


「総員! 攻撃開始!」


 誰かの号令。


 僕は起き上がり天幕の外を覗いて見る。そこでは、沢山の兵士達が右へ左へ駆け回っていた。


「何があったの……?」


 外に警備を張っていた兵士の一人が、僕の声に気付いて天幕の入り口を開く。


「この中から出るんじゃないぞ……!」


 その瞬間――。


「わあぁぁ!!」


 兵士達の叫び声が響き渡った。


「不味いぞ……! ()()()()の天幕が!」


 気付いた時には既に飛び出していた。僕は警備の兵士の剣を抜き取って走った。


「(エルの天幕が……!)」


 僕はエルの天幕を探して走る。


 すると一つだけボロボロの天幕を見つけた。その布は、何かに引き裂かれていた。


「ガァルルッ!」


 何かの呻き声が聞こえた。


 一人の兵士が黒い毛をした大きな動物に飛び掛かられていた。


 僕はその動物の体に剣を振る。


「キャンッ!」


 動物は甲高い声を上げて弾き飛ばされる。そして動かなくなった。


「凄い……不意打ちとは言え()()()()()()を一撃で……!」


 襲われそうになっていた兵士は聞いた事の無い名前を出す。


「エルはどこ?!」


 僕は兵士の人に聞いた。


「あ、安全な場所に避難している筈だ!」


「これは何?!」


 僕はさっきの動物を指差して言う。


「これはヘルハウンドという魔獣だ! 大群が襲って来たんだ!」


「エルの所に案内して!」


「わ、分かった!」


 兵士の人について行く。周りでは、沢山のヘルハウンドが兵士達を襲っていた。


「ここだ!」


 兵士の人が指差したのは、陣地の中央にある大きな天幕だった。中に入ると、屈強な兵士とエルが居る。


「エル!」


 僕はエルに向かって走った。


 けど、その前に大きな兵士が立ちはだかる。


「剣を置け……!」


「兵士さん、退いて!」


「兵士では無い! 我々は騎士だ!」


 僕はその大声に驚いてその顔を見る。


 その目は鋭く僕の事を睨んでいた。僕は後ろに下がって剣を置く。


「それで良い……」


「ダギル中尉! 彼は私の事を守って下さいました!」


 僕の後ろからさっきの兵士――騎士の人が言う。


「何……? それは本当か?」


 ダギルと呼ばれた人は、僕を向いて聞いて来る。僕は恐る恐る頷いた。


「そうか、先の無礼は詫びよう。被疑者だが我が部下を守ってくれた事、感謝する」


 ダギルさんはそう言って頭を下げた。


「今我々はヘルハウンドの大群に襲われている。それではお前達の輸送に支障が出る。殲滅が済むまで暫く待ってもらいたい」


「はい……」


 特に反発する理由も無いし僕が戦う理由も無い。


 だから僕は、天幕の中で事が落ち着くのを待った。

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