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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第一章 少年編
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Ep:18 鮮血 *

 リテユスは目の前の怪物に固唾を飲む。


「我ニ牙ヲ剥クツモリカ……?」


 後ろに下がろうにも後ろは壁で自分は満身創痍、助かる手立てなど無かった――ただ一つを除いて。


「ぶ、部下の御無礼、お、御詫び申し上げます!」


 リテユスは床に手を着き、額が床に着く程ライトに頭を下げる。


「ホゥ……コレハ貴様ノ所為デハ無イト言ウノダナ……?」


「はいぃ! 部下が何故(なにゆえ)この用な事をしたのかさっぱりです! 私には魔王様にお仕えする気しかございません! その為に子供を買い取ったのです!」


 その言葉を最後に静まり返る地下の空間に、リテユスの血の雫が垂れる音のみが響く。


 それ以外の音が聞こえたのは、何故かライトの体が魔王から解放され倒れた時だった……。


「ひいぃぃっ!?」


 リテユスは何度目かの逃げを見せる。


 地下空間を満身創痍の体で逃げた。


 その頃には服に付いた赤い染みが、酒の所為から血の所為へと変わっていた。











 ヴェルインはリテユスの部屋で自分が集めた悪行の証拠を探していた。


 ヴェルインがクレイ家を追放されてからリテユスが自分の部屋に回収していたらしい。


 それを探すのにヴェルインは手間取り、今に至る。


「(今見ても酷い。古の魔王を復活させるなんて常人の考える事では……愚弟(アイツ)はこれ程の情報を、いつの間に収集していたんだ……? 他に協力者が居るとしか……)」


 その時扉が開く音がした。


 ヴェルインが咄嗟に振り返ると、そこには死にかけのリテユスが居た。


「何故ここに……!?」


 ヴェルインは驚きリテユスに聞く。


 しかしリテユスにはその質問に答える余裕は無く、むしろ突然笑い出した。


「ククク……まさか子供の力が覚醒するとは……いや、運が良かった……危うく死ぬ所だったよ……」


 リテユスの言葉はヴェルインに向けられているのか、はたまた独り言なのか分からない喋り方だった。


「――何が言いたい……?」


 ヴェルインが呟く。


 リテユスは短剣を抜いた。そして、ヴェルインに歩み寄りながら言う。


「貴様さえこの世から消し去れば、我らの計画は――」


 ヴェルインにとっては、リテユスの攻撃を防ぐ事は容易かった。


 だがリテユスの短剣はヴェルインの防御を越え、その心臓に突き刺さった。


 理由は単純。リテユスがヴェルインの荒らした書類によって足を滑らせたからだった。


「な……!? ぐっ……!」


「フッ……フハハハ……! やった、やったぞ……! これで我らの計画は誰にも知られない……! 私の地位も上がる! ハハハハ!」


 リテユスは笑い、ヴェルインの周りには赤黒い血が水溜まりの様に広がった。

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