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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第一章 少年編
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Ep:17 覚醒 *

 リテユスは叫ぶと同時に何かを取り出す。そしてそこに魔力を流すのが分かった。


 その瞬間僕の体に衝撃が走る。


「がっ……!?」


 衝撃に驚いて、僕はエルを落としてしまう。


「ああぁぁっ! うぅっ……!」


 足元から苦しむ声が聞こえる。


 エルが、紫の稲光の様な物を放つ鎖の枷によって藻掻き苦しんでいた。


「エル!」


 僕はエルに手を伸ばし、助け様と触れる。すると、さっきと同じ衝撃が走った。


「このままそいつを殺しても良いんだぞ……!」


 そう言うリテユスの声が聞こえ、その瞬間、僕は怒りに侵食された。











 気付くと僕は、真っ暗な空間に居た。


『――チカラガ、欲シイカ……?』


 突然僕の頭の中に低い声が響く。


「だ、誰……!」


『――弱キモノヲ苦シメル者ガ、憎イカ……?』


 力? 憎い? どういう事……?


『欲セ、チカラヲ……! 覚エヨ、憎シミヲ!』


 段々と頭の中の声が大きくなる……。


 その力でエルを、助けられるの……?


『出来ル。同ジ、チカラヲ持ツモノヲ……』


 エルを助けられる……? だったら――。


「欲しい! 僕はエルを助けたい!」


『良カロウ。我ノ力、受ケ取ルガ良イ……!』











 気付くと真っ暗な空間から解放され、足元でエルが藻掻いている。


 体の自由が利かない……? 首の痣が動く感覚がする……腕を覆い、脚を染め、顔にまで伸びているのが分かった。


「おぉ……! それが、私達が求める至高の力……!」


リテユスの声……僕は――。


「死ネ」











 体の半分を赤黒く染めた異形の者がリテユスに飛び掛かる。


「ひいぃぃいっ!?」


 リテユスは腰を抜かして座り込む。それを、容赦の無い赤黒い爪が切り裂いた。


「があぁぁっ!」


 異形の者ライトは、リテユスの切り裂かれた傷を踏みつける。


「あぁぁ! 痛い! 血が! 私の血があぁぁっ!?」


 リテユスは胸に乗った足を退けようと掴む。だが、即座に蹴り払われた。


「ふぎゃあっ!?」


 軽く蹴り飛ばされただけでも、リテユスは地下空間の壁に叩き付けられる。


「がはあぁっ……!」


 満身創痍のリテユスは、霞んでいく視界でライトを捉える。


 ライトはリテユスへゆっくりと歩み寄っていた。


「お、お待ち下さい……! ()()()! がはぁっ……!?」


 その瞬間、ライトの動きが一瞬止まる。


 だが次の瞬間、リテユスの眼前にライトは音も無く移動していた。


「ホゥ……我ノ事ヲ知ッテイルノカ……?」


 ライトは息が掛かる程顔を近付けてリテユスに言う。


「は、はい……! 勿論ですとも……!」


「ソウカ、コノ時代ニモ我ヲ知ッテイル者ガ居ルノカ……」


 ライトはその異形の右手で顎を撫でながら呟く。


 その時、ライトの背後に一人の兵士が忍び寄っていた。


 リテユスは額に汗を浮かべながらも笑みを浮かべる。


「ン……? ナニガオカシイ……マダ策ガアルト言ウノカ?」


 ライトは自分に斬り掛かろうとしていた兵士に右腕を伸ばし、その顔面を握り潰す。


「マサカ、()()ノ事ジャ無イダロウナ……?」


 そう言ってライトは再びリテユスに顔を近付ける。


 その瞬間、リテユスは死を悟り絶望した。

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