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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第一章 少年編
16/310

Ep:16 目的 *

 僕は地下へと下りる床に乗っている。


 段々と下がって行く昇降機からは微かに魔力を感じる。でも誰かが動かしている訳では無さそう。


 暫く下りていると、突然視界が開けた。広い空間の端を僕が乗っている床は支えも無く下がっている。


 地下空間の奥の方に、鎖の様な物が垂れさがっているのが見えた。その鎖は何かを吊っている……。


「あれは……エル!」


 足に痣を移動させて下がる床から飛び降りる。


 僕は僅か二歩でエルの前まで移動した。


 エルの四肢には鎖が繋がっていて、空中に吊り上げられている。


 エルの意識は無い……剣を抜き、魔力を流して鎖を切ろうとした瞬間、目の前を何かが横切った。


 咄嗟にそれが飛んで来た方を見る。


「そこまでだ、()()()()よ」


「クレイ家の……!」


「間違ってはいないが、私にはリテユスと言う名前がある……そして、私こそが貴様の所有者だ!」


「所有者……?」


 僕は眉間にしわを寄せて、リテユスと名乗った男に向かって呟く。


「そうだ。貴様らを買ったのは私だ。よって、貴様らの所有権は私にある!」


「買った……じゃあ! 最初からこの為に僕達を?!」


 僕はエルを指差して言う。


「勿論だ。それ以外に貴様らがこの国で行える事など無い」


 僕はその言葉を聞いて歯を食い縛り、鎖を切る為に剣に魔力を流して振った。


 すると、エルの周りが球体の様な形に光り僕の剣が弾き返される。


「何をしたって無駄だ。そこには高度な魔力防壁を施してある。貴様には手を出せない」


 リテユスは癪に障る笑みを浮かべている。


 そしてこちらに向かってゆっくりと歩き出した。


「私達の目的の為に貴様の力が必要不可欠だった。だからこそ我が家の財力を使い、高値で貴様らを買ったのだ。あの町の者達は喜んで貴様らを差し出したぞ?」


確かに買い手は貴族だと言っていたし、高値で売れたからと喜んでもいた……。


「貴様らはそれほどまでに忌み嫌われているのだよ!」


「……確かに、僕達は嫌われてるかも知れない……でもあのパン屋さんや、スワードさん――ううん、ヴェルインさんは僕達を見捨てなかった!」


「確かに貴様らを見捨てない者も居るのは事実だ。だが、あの女はこの街の領主に背いた罪で死刑! ヴェルインとて、貴様がこの襲撃に使えると思ったからに過ぎぬだろう!」


 リテユスは声を荒げて掌に魔力を集中させる。


 そこに水の球が現れて、僕に向かって放った。


「くっ……!」


 僕は剣でそれを弾いて飛び散らせる。でもリテユスは、僕に向かって水の球を連続で放って来た。流石にこれじゃ限が無い……!


 一旦エルから離れてリテユスの意識を逸らす。


 そして僕は痣で右腕を包み、剣を思い切り横に振った。


 僕の思惑通り空気の斬撃が飛び、水の球を全て蹴散らす。


 でもこれだけが目的じゃ無い……真っ直ぐに飛んで行った空気の斬撃は、エルを吊るす鎖を破壊した。


「何!?」


 吊られていたエルは鎖が無くなって落下する。


 瞬時に痣を右足に移して僕は跳躍し、エルの落下地点に移動してその体を受け止めた。


「な、何をした!」


 リテユスは僕に向かって叫ぶ。


「魔力防壁は物理的、魔法的な攻撃を寄せ付けない」


「そ、それがどうした……?!」


「でも空気は通す。空気が通らなかったら、中のエルはとっくに死んじゃってる。だから空気の斬撃を飛ばして鎖を切ったんだよ」


「そ、そんな出鱈目(でたらめ)がこの私に通用すると思っているのか!?」


 リテユスは怒りを露わにして大声で叫んだ。

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