Ep:130 元素
ブルートは再度剣を握り直し、レーラールの方を見据える。
「彼はJ…国王のKと同じ立ち位置の称号よ…!」
「何でお前がそんな事になってんだよ…!?」
ブルートはレーラールに聞き、歯を食いしばる。
「そんな事より、何で君がブルートの味方をしているんだ…?」
レーラールは眉間に皺を寄せ、レジーナに聞く。何も答えないレジーナの首元を見て、レーラールは納得した。
「なるほど、チョーカーが外れて解放された訳か、Q…」
「その名は要らない…!私にはレジーナと言う御父様が付けて下さった名前がある!」
そう言うとレジーナは剣を振りかぶり、レーラールの方へ向けた。そして駆け出し、レーラールに肉薄した。それを追う様にブルートもレーラールに肉薄する。
「もうお前がJだとかはどうでも良い…!それよりも!この学校の生徒をAにしたのはお前か!?」
ブルートはレーラールに切り掛かりながら言う。
「だったらどうする?既に君と僕は敵同士だし、それが久々に与えられた僕の役目だからね…!」
レーラールはそう言ってブルートに向かって剣を振る。
「噴き出す炎!」
ブルートは踵の辺りから炎を噴き出し、それを推進力として飛び退く。その後ろからレジーナが飛び出し、レーラールに切り掛かった。
「流石に僕の一つ上の暗示だけある…!少々ヒヤッとしたよ…!」
レーラールはレジーナの剣を寸での所で受け止め、押し返す。ブルートとレジーナは、同時に剣身に魔力を流す。ブルートの剣身は灼熱に燃え上がり、レジーナの剣身は小さな竜巻を纏う。
「属性付加か…流石に不利だな…」
レーラールはそう呟くと剣を構え直し、その剣身に魔力を流す。すると、魔力が込められた剣身は四色に輝きだした。先端から、赤、青、緑、黄の順に。
「四大元素使い…!」
レジーナはレーラールの剣を見て呟く。
「杖」
レーラールがそう言うと剣先の赤い光が分離し、空中で魔術師の杖の様な形になる。
「金貨」
剣身の根元の黄色い光が分離し、空中で拳ほどの大きさの円盤状になる。すると杖と円盤型の魔法の光が強くなり、魔法弾がブルートとレジーナに放たれた。
「なっ…!?」
ブルートは踵から炎を噴き出し、それを推進力に回し蹴りを繰り出す。その蹴りによって二発の魔法弾はかき消される。
「このッ…!てめぇ!」
そう言ってブルートは掌をレーラールの方へ向け、大きな火弾を飛ばす。
「聖杯」
レーラールも同様に手を前に出し言うと、青い光が分離し大きな杯形状になる。それは横を向き、大きな口でブルートの魔法を受け止めた。
「剣」
緑色の光がレーラールの剣の剣身全体に広がり、それを構えてレーラールはブルートに肉薄する。
「ぐっ…!」
ブルートはレーラールの剣を受け止める。レーラールの剣を間近で見て、ブルートはある事に気付く。
「あの剣…!周りに薄く高速の風を纏ってるぞ!」
「なら私が!」
レジーナはレーラールに肉薄し、その竜巻を纏った剣を振る。レーラールはそれを躱そうとする。
「はっ!」
レジーナが言うと同時に、竜巻の速度が加速する。その風に引っ張られ、レーラールの体は剣に吸い寄せられる。
「何…!?」
レーラールは咄嗟に剣でレジーナの剣を受け止める。その瞬間、高速の風と風がぶつかり合い、衝撃で二人の体が吹き飛ばされた。




