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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
127/310

Ep:127 疑問

 僕はサイクロンと対峙する。と、見せかけて、僕は軽く屋根を蹴る。


「なっ…!?」


サイクロンは僕の行動に驚き声を漏らす。僕はサイクロンの頭上を飛び越え、大通りへと降り立つ。


「待て…!」


サイクロンは風を纏い、僕を後から追ってくる。僕は振り返り、着地しようとするサイクロンに右足で蹴りを入れる。


「邪魔!」


蹴りの勢いでサイクロンは吹き飛ばされる。サイクロンは風を使い、空中で体勢を立て直す。


「ぐっ…!」


勢い良く着地したサイクロンを他所に、僕はA(エース)討伐しに向かう。僕は足に風を纏い、第一段階(フェーズワン)の脚力と合わせて高速移動する。サイクロンは自分の風の力で体を押し、僕に向かって飛んでくる。


「随分手間取っているな、サイクロン」


その言葉が聞こえると同時に、僕の左側から鋭い氷が伸びて来る。僕は咄嗟に氷を断ち切り飛び退く。


「チッ…!避けられたか…」


声がした方を見ると、そこには水色のローブを身に着けたXth(テンス)が経って居た。そのXth(テンス)は、No.s(ナンバーズ)には珍しく女だった。


()()()()…!邪魔をするな…!」


「何を言っている、貴様の主は既に死んだぞ…?」


「何だと…!?」


サイクロンは、フリーズと呼ばれたXth(テンス)の言葉に驚く。僕はXth(テンス)の睨み合いを無視して、A(エース)を探しに移動しようとする。


「そうさせない」


その瞬間、僕の足が凍り付く。フリーズの方を見ると、掌をこちらに向けている。僕は火属性の魔法で足を熱し、凍り付いた装備を溶かす。そして僕は跳躍する。


「待て…」


サイクロンの声と共に空中にある僕の体が風で吹き飛ばされる。


「ぐッ…!」


僕は風に押されて地面に叩きつけられる。でもその様子を見ている者は誰も居ない。サイクロンとフリーズは僕に視線を送らず、周りに居た住人達は異常事態を察知し避難している。


「もう…!面倒臭い!」


僕は両手の人差し指、中指、親指の三本を立て、アサルトショットの構えにする。


「アサルトショット!ヒート!」


僕は火の魔法弾をサイクロンとフリーズに向けて連射する。二人は咄嗟に各々の魔法で防ごうとする。でも僕が火弾を飛ばしたのには明確な理由がある。


「なッ…!?」


「何ッ…!?」


サイクロンが出した、目に見えない風の壁は僕の火弾の小爆発の影響で燃え上がり、全く意味を成さなくなる。フリーズが作った氷の壁は、火弾によって溶かされていった。僕は間髪入れずに火弾を連射する。


「ぐうッ…!」


「氷が溶ける…!」


サイクロンは炎の勢いを弱めようとして風を更に送るが、炎に更に酸素を送り、余計に悪化させる。フリーズの壁は、僕の火弾の勢いに押され、修復が間に合っていない。遂にサイクロンは、そのローブを炎に焼かれるまでになった。


僕は後ろに大きく跳びながらも連射を続ける。二人が僕に魔法を出す余裕を与えない様に、僕はその場を去った。


------------------------------------


「ったく…!いつまで追って来るんだよ!」


ブルートはA(エース)を倒して回っていた。A(エース)を探して走るブルートの後ろに、女が一人追いかけて来ていた。


「待ちなさい!」


「てめぇ、奴らの仲間なんだろ!?だったら待つ訳ねえだろ!」


ブルートはそう言ってひたすら女から逃げる。ブルートがA(エース)討伐に動く前、この女は別の女と共にブルートの前に立ち塞がっていた。しかし、何故かこの女はもう一人の女に対して睨みを利かせていたのをブルートは覚えている。


「危ない!」


女が言った瞬間、女の方向に振り返っていたブルートの前方にA(エース)が一体飛び出してくる。女はA(エース)に肉薄し、その首を一振りで刈り取った。


「何で…!?」


ブルートは女に向けて呟いた。

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