Ep:125 構成
僕は嘲笑うトイフェルに向けて剣を振る。トイフェルの姿は消え、当然の様に僕の剣は空を斬る。
「くッ…!」
僕は咄嗟に振り返る。すると、僕の視界に映ったのはトイフェルでは無く、トイフェルの言うAとなった男だった。Aは、黒く変色し鋭く伸びた爪で僕に切り掛かる。
「なっ…!?」
慌てて剣で爪を防ぐ。痣の力が無いと耐えられない程の腕力でAは押してくる。剣で爪を押し返し、Aを弾き飛ばす。
「良いだろう、この力…?まるで暴走状態の君のようだ」
Aの後ろからトイフェルが言う。トイフェルは不敵な笑みを浮かべている。
「何で僕が暴走した時の事を知ってるんだ…!?」
「君を呼び出したあの日、君の段階を上げた瞬間君は魔王に呑まれたんだよ。あの力と真っ向から戦いを挑むのは愚かな行いだね」
トイフェルの口ぶりからすると、魔王に操られた僕と戦っていたと思う。でも、ちゃんと戦った訳では無さそう…
「まぁ、あくまでもAは魔王の贋物。真の魔王たる君の足元にも及ばないけどね…」
トイフェルの言葉を聞きながら、理性を無くして襲ってくるAを凌ぐ。再び爪を突き立てて攻撃してくるAを剣で防ぐと、Aは僕の胸当てを蹴って飛び退いた。
「ぐッ…!」
僕は胸を押さえて後退る。後ろに跳んで着地したAは、間髪入れずに魔力を流す。何も無い空間に魔法弾が三つ生成される。それはそれぞれ属性が違った。
「うがあぁッ!!」
元人間とは思えない呻き声を放ち、Aは火、雷、氷の魔法弾を連続で放つ。僕は両手を前に突き出し、人差し指と親指、そして中指を立てて言った。
「アサルトショット!」
僕は両手の人差し指と中指の先に無属性の魔法弾を生成する。それを連続で発射し、直ぐに連続で魔法弾を生成する。僕が放った白い魔法弾は、もはやAの魔法弾を全て打ち消し、Aの体に風穴を幾つも開けた。
「はぁ…」
Aはその場に倒れ、体が灰と化す。
「成程…高速で魔法弾を連射する技か…連射型クロスボウの様な効果が得られる…魔王の強大かつ膨大な魔力だからこそできる技だね…」
トイフェルは乾いた拍手をしながら言う。
「君に言っていない事の三つ目…我々の組織『切り札』は、今エルから採取した血液を英雄の血が流れていない者に注入している」
「なっ!?」
「今王都中にAが発生しているよ。No.sやJ、それらを束ねるヘルツ達の手によってね」
「No.s…!?J…!?何の事だ!?」
「No.sはIstからXthまでの下級兵、J、Q、Kはそれぞれ手練れの兵士。Kは君も知っている筈だろう?」
トイフェルの言葉で大体の組織構成が理解できた。




