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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
125/310

Ep:125 構成

 僕は嘲笑うトイフェルに向けて剣を振る。トイフェルの姿は消え、当然の様に僕の剣は空を斬る。


「くッ…!」


僕は咄嗟に振り返る。すると、僕の視界に映ったのはトイフェルでは無く、トイフェルの言うA(エース)となった男だった。A(エース)は、黒く変色し鋭く伸びた爪で僕に切り掛かる。


「なっ…!?」


慌てて剣で爪を防ぐ。痣の力が無いと耐えられない程の腕力でA(エース)は押してくる。剣で爪を押し返し、A(エース)を弾き飛ばす。


「良いだろう、この力…?まるで暴走状態の君のようだ」


A(エース)の後ろからトイフェルが言う。トイフェルは不敵な笑みを浮かべている。


「何で僕が暴走した時の事を知ってるんだ…!?」


「君を呼び出したあの日、君の段階(フェーズ)を上げた瞬間君は魔王に呑まれたんだよ。あの力と真っ向から戦いを挑むのは愚かな行いだね」


トイフェルの口ぶりからすると、魔王に操られた僕と戦っていたと思う。でも、ちゃんと戦った訳では無さそう…


「まぁ、あくまでもA(エース)は魔王の贋物。真の魔王たる君の足元にも及ばないけどね…」


トイフェルの言葉を聞きながら、理性を無くして襲ってくるA(エース)を凌ぐ。再び爪を突き立てて攻撃してくるA(エース)を剣で防ぐと、A(エース)は僕の胸当てを蹴って飛び退いた。


「ぐッ…!」


僕は胸を押さえて後退る。後ろに跳んで着地したA(エース)は、間髪入れずに魔力を流す。何も無い空間に魔法弾が三つ生成される。それはそれぞれ属性が違った。


「うがあぁッ!!」


元人間とは思えない呻き声を放ち、A(エース)は火、雷、氷の魔法弾を連続で放つ。僕は両手を前に突き出し、人差し指と親指、そして中指を立てて言った。


()()()()ショット!」


僕は両手の人差し指と中指の先に無属性の魔法弾を生成する。それを連続で発射し、直ぐに連続で魔法弾を生成する。僕が放った白い魔法弾は、もはやA(エース)の魔法弾を全て打ち消し、A(エース)の体に風穴を幾つも開けた。


「はぁ…」


A(エース)はその場に倒れ、体が灰と化す。


「成程…高速で魔法弾を連射する技か…連射型(リピーティング)クロスボウの様な効果が得られる…魔王の強大かつ膨大な魔力だからこそできる技だね…」


トイフェルは乾いた拍手をしながら言う。


「君に言っていない事の三つ目…我々の組織『切り札』(トランプ)は、今エルから採取した血液を英雄の血が流れていない者に注入している」


「なっ!?」


「今王都中にA(エース)が発生しているよ。No.s(ナンバーズ)J(ジャック)、それらを束ねるヘルツ達の手によってね」


No.s(ナンバーズ)…!?J(ジャック)…!?何の事だ!?」


No.s(ナンバーズ)Ist(ファースト)からXth(テンス)までの下級兵、J(ジャック)Q(クイーン)K(キング)はそれぞれ手練れの兵士。K(キング)は君も知っている筈だろう?」


トイフェルの言葉で大体の組織構成が理解できた。

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