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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
123/310

Ep:123 能力

 トイフェルは一呼吸おいて言葉を続ける。


「白銀の忌まれ血は、英雄の子孫に魔王の力を僅かに与えて遺伝させる。時には魔王の力が強い子供が産まれる事もある。君やヘルツがその典型例だ」


「ヘルツって…あのフードの…!」


「そうだ。ヘルツは特に英雄の血が濃い一族の生まれで、その分魔王の力も強くなった。だが君とエルは違う…君やエルの親は、自分達が英雄の血を引いていると知らなかった程英雄の血が薄かった」


トイフェルは僕を指差す。そして、僕に向けた人差し指を上に立てて言った。


「それはたった一つの要因だった。君達はあの町で、同じ日に産まれた。そしてその日と言うのが、かつて魔王が英雄と対峙し、死亡した日だったからだ」


「どうしてそれだけで…!?」


僕は警戒を強めながら聞き返す。


「魔王の呪いは、その死に際の思いも反映された。思いとは言っても、憎しみや怒りと言う負の感情だけどね。それが魔王の命日に強くなり、君達に大きな力…そう、元の魔王に匹敵する力を与えた…だが、私の計算外の事が起こった。それは、君に与えらえる筈だった力の半分を、エルが奪い取った事だ…」


「エルが力の半分をを奪い取った…?」


意味が分からない…どうしてそんな事が起こったのか…


「原因は分からない…それでも、私達が器としようとしていた君を回収する手間が、二人を回収し、その力を合わせると言う二度手間になってしまったよ…」


力を合わせる…でもそのお陰でまだ魔王による災厄は起っていない…


「君の段階(フェーズ)は最終段階の一つ手前…そしてその最終段階(ラストフェーズ)がもたらすのは君とエルの力の合成…!そしてその力に、私達が所持する魔王の骸を適応させれば、古の魔王、災厄の神ディザストがこの時代に復活するのさ…!」


「魔王の復活…そんな事をして何が目的なんだ!?」


「私の目的はディザストと一体化し、完全で至高の存在へと進化する事であり、そして、人間を死の無い存在へと導く事…!」


「一体化…?死の無い存在…?何が言いたいんだ…?」


僕は理解が追い付かず、考える事だけに脳を使っていた。


『……ト…!ライト…!ライト!』


突然ブルートの声が聞こえる。僕は我に帰り、ブルートの声をよく聞いた。


『どうしたライト!急に声が無くなったぞ!』


「ごめん…!今、トイフェルと対峙してる…!それと、トイフェルの最終的な目的が分かった!」


『本当!?今すぐ向かいたいところだけど…私も今ヘルツとXth(テンス)に囲まれてて…!』


『俺は…敵が目の前に居るのは理解してるんだが…どっちも見た事ねえし…そもそも片方が抵抗してて、何が何やら…』


僕は魔力で思念を飛ばし、エルとブルートと会話する。


「どうした?エルやブルート君とお喋りかい?まぁ良いさ、その内そんな余裕も無くなるよ…!」


そう言うとトイフェルの姿が僕の視界から消える。音も無く、残像も無く、魔力も感知できなかった。ずっと前からヘルツが急に現れたりする事があったけど、もしかすると、トイフェルの力なのかも知れない…


「何処に…!」


僕はトイフェルを探して振り返る。


「残念、反対だ」


その声と共に、トイフェルは僕の正面に現れた。トイフェルは剣を僕に振り下ろす。僕は体をずらし、それをギリギリで回避した。


「まだ幾つか言っていない事がある。その内の一つ、今君が最も疑問に思っている事を教えよう」


そう言うとトイフェルは剣を下ろし、僕の方を向いて言った。


事実上(ディファクト)()(クロノ)()統べる者(ルーラー)…」


その瞬間、空を飛ぶ鳥がその場で止まり、大通りを歩く人の動きや声が完全に無くなった。


「これが私の能力の一つさ…」


トイフェルはそう言うと、両手を控えめに広げ若気た。

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