Ep:122 真実
トイフェルは、ライトとエルを探して駆け回る王都の住人を家屋の屋根の上から眺めていた。
「これは絶景だね…」
トイフェルは呟き、手元に残した紙に視線を落とす。
「さてと…私は何処に行こうかな…?」
トイフェルは街を見回し、路地を走るライトとエル、大通りを走るブルートを見つけた。それを暫く目で追い、少し考えてから言う。
「よし、ヘルツは全てのXthを連れてエルの元へ。ディアはQを連れてブルート君の元へ。私がライトの元へ行こう。クロウヴは他の仲間や第13大隊の処理を頼むよ」
その声を魔力で飛ばし、各員に連絡する。それを聞いてヘルツ達が動いたのを、トイフェルは遠目に見ていた。
「ライト…君には器になってもらうよ…?」
そう言ってトイフェルは屋根の上から姿を消した。
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僕は路地を利用してエルとブルートとの合流を図る。
『今どこだ!?俺はもうすぐ王宮周辺だ!』
「僕ももうすぐ着くよ…!」
ブルートの質問に答える。
『私はまだ着かない…!』
状況を確認し合いながら、僕達は着実に近づいていた。
「言っておくけど、合流はさせないよ…」
突然後ろから声がする。咄嗟に振り返ると、そこにはトイフェルが立って居た。
「いつの間に…!?」
僕は咄嗟に剣を抜いて、トイフェルに向けて構える。
「君を回収しに来たよ」
トイフェルは僕を指差して言う。
「そう言われて捕まる訳には行かない…!第四段階!」
僕は第一から第四までの段階を全て開放する。痣で右半身を覆い、動きを予測し遅く見える。
「トイフェル…!何が目的なんだ…!?」
「前の様に剣聖様と呼んではくれない様だね…それで、君は私達の目的を知りたいのかい?」
僕は少し悩みながらも小さく頷く。
「そうか…ならば君とエルと言う存在が何故生まれたかから話そう」
トイフェルは髪を掻き上げ、その細い目をしっかりと開く。
「そもそも何故英雄の子孫が魔王の遺伝子を受け継ぐのか、それは、英雄が魔王の返り血を浴びた事から始まるのさ」
「返り血…!?」
「英雄は返り血を浴び、その呪いを受けた。魔王の力をその子孫に分け与えると言う呪いさ…その呪いを英雄は、魔王の髪の色に例えてこう名付けた。白銀の忌まれ血と…」
「白銀の忌まれ血…」
何故かは分からないけど、僕はその名に深く納得した。




