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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
121/310

Ep:121 群衆

 エル達と別れてから、僕は暫く王都を走り回った。何故か街の人に話を聞くと、冷たい目や怯えた目をを向けられる。


「何処に…」


僕は息を切らしながら駆け回る。すると、巡回中の銀鷲の騎士を見つけた。


「あの!この辺で剣聖様を見ませんでしたか!?」


僕は騎士に質問する。すると、僕に気付いた騎士は僕の顔を見て、唐突に剣を引き抜いた。


「魔王の生まれ変わり…!」


「え…!?」


振り下ろされた剣を、僕は慌てて躱す。


「何で!?」


飛び退き着地した僕は、騎士の方を見て聞く。


「黙れ!」


そう言って騎士は再び剣を振る。僕は何度も振られる剣を躱していく。すると、周りで見ていた人達が、色々な物を持って僕に襲い掛かって来た。


「「魔王の生まれ変わりだ!」」


「「騎士様を援護しろ!」」


街の人は鍋や箒を振り回して僕を襲いに来る。中には、包丁を持って襲いに来る殺意の高い人もいる。


「ちょっと待って!何で僕を襲うの!?」


「剣聖様がお前を魔王の生まれ変わりだって言ったんだよ!」


魔王の生まれ変わり…!?意味が分からない…!一斉に襲いに来る人達を躱し、王都の大通りを逃げ走る。下手に手を出せば殺してしまう可能性だってある。何も出来ずに、僕は王宮の方向に向かって走っていた。


「ちょっと待って!話せば――」


「煩い!古の災厄を二度と繰り返して堪るか!」


そう言って沢山の人は一斉に持っている物や拳を振り下ろす。


「――ショット、ウッド!」


僕は振り返り、木属性の魔法弾を群衆の足元に放つ。地面に着弾した弾は芽を出し、どんどんと成長し樹木の壁になった。


「待て!」


音を立てて壁を壊そうとする人達を置いて、僕はひたすらに走った。走りながら、どうやってブルートに連絡をしようか考えていると、僕とエルが地下牢を出てから直ぐの事を思い出した。


「魔力に自分の思念を乗せる…!」


僕は呟いて、考えたとおりに魔力を王都中に飛ばす。路地に隠れてから少し待つと、ブルートの返事が返って来た。


『ライト、何だ!?』


「何故か分からないけど、僕が魔王の生まれ変わりだって事になってて、街の人が襲ってくる…!」


『トイフェルの仕業か!?』


「多分そうだと思う…」


僕はエルに向けても思念を飛ばす。


『ライト、ブルート人が襲ってくるんだけど!?』


「エルも…!?」


『兎に角、今は隠れながら合流してくれ!トイフェル捜索は後回しだ!』


「分かった…!」


僕は返事をして路地の奥へと進んだ。

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