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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
120/310

Ep:120 酒場

「「お~い!英雄教の教祖様の声が聞こえるぞ!」」


「「ガハハ!古の魔王だ~!?」」


酒場で昼間から飲んだくれている男達が、ジョッキを高々と掲げて騒ぎ立てる。


「魔王だと…?」


赤茶色の髪を後ろで結んだ酒場の主人らしき男は作業を止め、店の外へと出る。


「これは…」


外に出た主人は扉の前に落ちている紙を拾い、そこに描いてある二人の顔を見る。すると、主人は直ぐに酒場の営業表示をClosedにし、そそくさと閉店の準備を始める。


「マスター、何してんだ?」


カウンター席で飲んでいた男が主人に声を掛ける。


「すまないが、今日は店を閉めようと思う」


「え、何でだ?」


「少し用事ができた。片付けは済ませたから、客を引き揚げさせてくれ。今日は俺の奢りで良い」


「本当か!?お~い!皆!今日はマスターの奢りだぜ!」


「「おぉ~!」」


「「よっしゃ飲め飲め!」」


男達は騒ぎ立て、酒を一気に飲み干す。主人は溜め息を吐きながらカウンター裏から何かを取り出す。


「ぐうぇ…!何でそんなもん…!」


カウンターの男は、主人が取り出した物を見て驚く。主人が取り出したのは、かなり高級そうな剣だった。主人は、それを半分程まで引き抜く。


「今あるのを飲み終わったら帰ってくれ!今日は店を閉める!」


剣身で半分程顔を隠し言う主人の顔に、男達は怖気付く。そして慌てて席を立ち帰って行った。


「剣なんて持って何すんだ…?」


カウンターの男が主人に聞く。


「顔見知りの助太刀に行こうと思ってね…元騎士団長、ドミヌス=ゴルトとして」


そう言って酒場の主人、ドミヌスは剣を鞘に納めた。


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 エルの腕に出来た注射痕を応急処置で治療し終わった時、外の門の方向から大きな音と悲鳴が聞こえて来た。


「何!?」


僕とエルとブルートは急いで道を戻り、玄関から外に出る。


「何だこれは…!?」


ブルートは外の状態を見て絶句する。そこには、門の前で待機していた第13大隊騎士達の殆どが倒れていた。僕達は駆け寄り、何があったのか声を掛ける。


「何があったんですか!?」


「ぐ…剣聖が…出て来て…この有り様に…!」


「どこ行ったか分かるか!?」


「そこまでは見えなかった…!」


「そうか…」


ブルートは期待していた答えが聞けず呟く。


「でも、そう遠くまでは行ってない筈だよ…!」


「あぁ、王都中にはなるが、手分けして探すぞ!」


僕とエルとブルートは一人ずつに別れて、分かれてトイフェルを探しに走った。

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