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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
118/310

Ep:118 樹木

 今回からライトの視点復活です。

「あ…」


「え…?」


屋敷の一部を燃やし、崩壊させた僕とブルートは、目の前に立っている人物を見て唖然としていた。


「な、何でエルがここに!?」


「え?え!?すごい音がして、気が付いたら変な部屋に居て、それで出て来て…」


僕は動揺を隠せずエルに聞く。エルも同様に動揺しながら答えた。


「と、兎に角…!エルを救出するって言う俺達の目的は果たせただろ!一旦外に出て、第13大隊に引き渡すぞ!」


ブルートは言う。確かにそれが最善の行動なのは目に見えている。その時、廊下の奥から微かに絨毯の上を歩く人の足音が聞こえた。


「静かに…!誰か来た…!」


僕はエルとブルートを押し、曲がり角の死角に隠れる。そこへ、雀色のフードを被った例の女が現れた。


「何故外に出ている…?あの催眠はそう簡単には破れない筈だが…」


女は振り返り、確実に僕達の事を見る。フードに隠れて顔はよく見えない。それでも、威圧的な視線を感じる。女の手には空の注射器が何本か握られていた。


「お前は…!」


僕は呟き、歯を食いしばる。絶対に忘れない…!この女はアードラー団長を殺した張本人…!


「お前か…銀鷲の団長が遺したEmerald dragonの女は…!」


ブルートは剣を抜き、魔法で灼熱に燃やした刃を女に向ける。すると、女は言った。


「面倒だ…早急に片付ける…!」


そう言うといつの間にか女は剣を抜き、ブルートに肉薄した。ブルートは咄嗟に踵から炎を噴射し、女の剣撃を躱す。


「抜かったか…」


女はそう言うと少し飛び退き、一旦距離を取る。一呼吸おいて、今度は僕の方を向いた。そして次の瞬間肉薄して来る。


第一段階(フェーズワン)!」


僕は首の痣で右腕全体を覆う。剣を抜き、その腕の力で女の剣撃を防ぐ。押し返し間合いを取ると、僕は女に聞いた。


「お前達は何なんだ…!?何で僕達を狙うんだ!?」


「回収する前に知られては困る…!」


そう言うと女は剣をこちらに向ける。


「まぁ、私の名くらいは教えてやろう…我が名はヘルツ。『切り札』(トランプ)のハートの幹部にして、No.s(ナンバーズ)を統べる者の一人である」


『切り札』(トランプ)No.s(ナンバーズ)?何だそれ?」


「そんな事も知らずにここに乗り込んできたのか…『切り札』(トランプ)は組織の名、No.s(ナンバーズ)はお前達が倒してきたIst(ファースト)らの事だ」


ヘルツと名乗った女は、ブルートの質問に答える。


「へーほーふ~ん。全然分からん!」


そう言うとブルートはヘルツに肉薄した。炎を纏った剣をヘルツに振るい、攻撃する。僕は援護すべく、右手をショットの構えにする。


第四段階(フェーズフォー)!ショット、ウッド!」


僕は木属性の小さな弾を生成し、それを発射する。


「…!ハッ…!」


ヘルツは僕の魔法弾に一瞬で気付き、あっさりそれを弾いた。だけど、それは第三段階(フェーズスリー)で想定通り。弾かれた魔法弾は床に着弾し、その瞬間、物凄い速度で伸びていく樹木となった。


「何…ッ!?」


ヘルツは驚き、自分に向かって伸びて来る枝や蔓を断ち切る。しかし、伸びて来る速度に追いつかず、その体に樹木は絡まった。


「ぐッ…!」


「サンキューライト!これで終わりだ!」


ブルートはそう言うと、炎の剣をヘルツに向かって振った。

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