Ep:110 特訓
僕は的に人差し指を向け、指の先に魔力を流す。小さな火の弾を作り、それを発射した。
「ショット、ヒート!」
火の弾は一瞬で着弾し、小規模な爆発を起こす。次に氷の弾を作り、発射する。
「アイス!」
着弾した氷は破裂し、的に霜が付く。そして、次の弾を生成して発射する。
「エアロ!」
これをもっと素早く出来れば…後は、指先の震えで命中率が少し安定しないのも改善点か…
「はぁ…疲れた…」
息を吐きながら椅子に座る。壁に背を預けて寄りかかる。
ドンッ!
「うわっ…!?」
音と共に床が振動する。気になって訓練場に戻ると、其処ではブルートが炎を噴き出して蹴りや飛行攻撃の特訓をしていた。
「ブルート?」
「ん?おう、ライトも来てたのか。悪いな、邪魔したか?」
「ううん」
僕は首を横に振りながら答える。
「トイフェルと戦うまでに、新しい技でも作らないとと思ってな…手の内は殆どバレてるだろうしよ」
「僕も第四段階を活かした技なら作ったよ」
「本当か!?だったら訓練も兼ねて一回戦おうぜ!」
「良いよ」
「あ、ただ手加減はしろよ…?」
「あはは…」
ブルートの言葉に僕は苦笑いしてしまった。
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僕とブルートは木剣を構えて対峙する。
「行くぜ!噴き出す炎!」
ブルートは踵から炎を噴き出して僕の眼前まで肉薄する。
「第二段階!」
視界に映る動きを遅くして、ブルートの攻撃を躱す。
「第一段階!」
首の痣で腕を包み、木剣を強く握る。僕はブルートに向かって木剣を振る。
「ぬおッ…!」
ブルートは飛び退き、僕の攻撃を躱す。しかし、空を斬った僕の剣からは空気の斬撃が飛ぶ。
「空刃!」
空気の斬撃は体を逸らしたブルートの横を掠め、床に当たって弾け飛んだ。
「おらよ!さっさと新しい技出しやがれ!」
ブルートは言う。
「だったら!第四段階!」
僕は叫び、右手の親指と人差し指を立てる。それをブルートの方に向けて言った。
「ショット!」
「ショット…!?」
「ヒート!」
「ヒート!?」
僕の指先に小さな炎が現れ、それはブルートに向かって素早く飛ぶ。
「速い…ッ!?」
ブルートは咄嗟に躱す。
「それだけじゃ無いよ!」
僕が言った瞬間、ブルートの横で魔法が小爆発を起こす。
「なっ…!?」
ブルートは爆発に押されて横向きに吹き飛ぶ。靴底を床に滑らせながら体制を整える。
「爆発!?」
「ロック!」
僕は間髪入れずに次の弾を撃ちだす。小さな石がブルートに向かって飛んで行く。
「くッ…!?」
ブルートは即座に石を木剣で弾いた。




