Ep:108 謝罪
僕はダギル大尉に医療室で起こった事を説明する。
「それは本当か!?」
ダギル大尉は驚いて声を上げる。僕は頷いた。
「分かった、直ぐに残留魔力の調査を頼みに行く。悪いがお前はアカネ達に伝えに行って来てくれ。資料室に居る筈だ」
「待って…魔力を調べても意味無いんじゃ…?」
「いや、僅かでもエルの魔力を見つけられる可能性がある。対処は早い方が良い…!」
「分かった…!」
僕は三階の資料室に向かった。
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階段を二階の踊り場まで上り、三階の資料室まで後少しの所まで着いた。けど、重い体が仇となり、階段一段一段が辛い。
「うぅ…」
僕は手すりに体重をかけ唸る。その時、ブルート、アカネ、アオイの三人が階段まで来た。
「ん?おいライト!何でここまで来てんだ!?」
「え、エルが…連れていかれた…!」
「はあ!?」
ブルートは僕の言葉に驚く。
「どういう事ですか!?」
「さっき…医療室にXthが来て…!エルを…!」
僕はアカネの質問に答える。
「お前がさっき言っていた視線と言うのは、何か関係があるんじゃないのか…?」
アオイが言う。
「あぁ…確かに何か関係あるかも知れねえ…!」
「兎に角、大尉殿と合流を急ぎましょう!」
「ライト、乗れ!」
ブルートはそう言って僕に手を伸ばす。僕はブルートの背に乗り、ブルートは僕を乗せて階段を駆け下りた。
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屋敷の一室。三人の男女が、不穏な空気を醸し出しながら話し合っていた。
「子供を一人回収した功績は認めよう…だが、久々に現れて手柄を横取りするのはどうか…?」
フードを取り、その白銀の髪を露出したヘルツは、机を挟んだ反対側に座る水色の髪の女に言った。
「こっちは呼ばれて来てるんだ。そんな事を言われる筋合いは無い…」
水色の髪の女は、腕を組み溜め息を吐きながら言う。
「ディアさん…流石にそれは無いっすよ…俺達だって頑張ったんすよ?」
「我らの目的は主の目的の達成だ。我らがいがみ合っても仕方あるまい」
ディアと呼ばれた女は、クロウヴの言葉にそう返す。
「分かった…謝る気は無いが、詫びとしてNo.sを貸す。好きに使えば良い」
そう言うとディアは立ち上がり、大きな部屋を出て行った。
「はぁ…しょうがないっすね…俺達も子供の回収を優先しますか…」
「仕方ないな。奴が詫びただけでも良しとしよう…」
ヘルツとクロウヴは言い、同時に溜め息を吐いた。




