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白銀の忌まれ血  作者: 影乃雫
第四章 剣聖編
107/310

Ep:107 拉致

「よっこらせっと…!資料運び終わったぜ!」


ブルートは、大量に積み上げられた資料の束を机の上に置き、同じ様に作業をしていたアカネとアオイに言う。


「こっちも終わりました!」


「同じく…」


そう言って二人はブルートの方へと向かって来る。


「それにしても…エル殿は中々起きませんね…もう四日目ですよ…」


アカネはエルを心配して呟く。


「…魔王の魔力の所為で、体に大きな負担がかかったんだろう…魔力が完全に回復するまでは起きないだろうな…」


アオイは淡々と言う。


「心配してる様には聞こえねえけど、アオイの言う通りだよな…」


ブルートは、自分の後ろにある椅子を引き、馬乗りの様な体勢で座る。腕を背凭れの上に、顎を腕の上に乗せて言った。


「ライト殿もずっと体が重いと言っていますし…」


「結局様子見するしか無いの――何だ…!?」


ブルートはアカネに返す言葉の途中で何かに気付き振り返る。その視線の先には窓があり、更にその奥に木の葉が見える。


「どうした…?」


アオイが聞く。


「い、いや、何でも無い…視線を感じた様な気がしただけだ」


ブルートは前を向きなおしながら答えた。


------------------------------------


「よっ…!」


僕は声を出しながら体を起こす。まだ体は重い…僕はエルの居るベッドの方を見た。僕のベッドからは垂れ幕に隠れて見えない。


「エル…」


呟き、僕は自分の肩を見る。服の襟を引っ張り、素肌を覗き込む。僕の肩は首の痣が何故かもとに戻らず、肩までもが血の様な赤黒い痣に包まれたままだった。もしかしたら、これが魔王に身体を乗っ取られた何よりの証拠なのかも知れない。


「何で僕達がこんな目に…」


僕はベッドの布を握り締める。そしてもう一度エルの方を見た。


「え…?」


白い垂れ幕の奥に誰かの影が見える。大人の影…扉からじゃない…僕の方が扉に近い筈だ…誰も僕の前は通っていなかった…!


「誰!?」


僕は咄嗟に垂れ幕を思い切り開く。そこには、水色のローブを身に着けたXth(テンス)が居た。Xth(テンス)は僕に気付くとこちらを向く。


「まずは一人…」


そう言うと、気絶し寝たままのエルを抱え、一瞬で居なくなってしまった。


「待て!ぐっ…!」


手を伸ばすがもう遅い。体が思うように動かない。


「伝えないと…!ダギル大尉に…!」


僕は覚束ない足取りで医療室を出た。

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