第三章⑭【羅馬三十六景】~コンスタンティヌスの凱旋門~
045_第三章⑭【羅馬三十六景】~コンスタンティヌスの凱旋門~
【サン・ピエトロ大聖堂とシスティーナ礼拝堂での出来事から3日後】
この3日間はスペイン広場で北斎が似顔絵画家として過ごしていた。俺は北斎の横で行き交う人々を眺めているだけだった。
「暇だ。暇だ。暇だ。」
「そうかぁ?色んな人がいておもしれぇぞ?」
「北斎、お前はそうだろうなぁ?好きな事をして過ごしてるんだから。暇だ!暇だ!暇だーー!」
暇すぎて、スペイン広場脇のトラットリアに目をやる。
「キダイ・ホクサイさーーん!グレンさーーん!」
トラットリアから貴族の一団が出てきた。アルフレッドを中心に10人ほど。お前、本当に大貴族だったんだな。
「お?アルフレッド!今日は集団でお出ましかぁ?」
「あーキダイさん!私、次のツアーの目的地、ナポリに向けて今日ローマを離れるんです。トラットリアを宿にしていた従者と合流して朝食を取りながら旅の予定を確認していました……キダイさんに会えなくなるの寂しいです。」
「そうかぁ。寂しいねぇ。また会えるといいねぇ。」
さらさら。
さらさら。
【那波里出物頑張図】
「ほい。これ持っていけやぃ……。」
「うわーん!キダイさん!これ、私と皆の絵じゃ無いですか!ありがとうございます。」
そこには笑顔のアルフレッドと笑顔の従者達が描かれていた。
アルフレッドは見えなくなるまで手を振り続けていた。
「……寂しくなったねぇ。」
「暇だ。」
「どこか行くかぃ?」
「行ってみたいところがある。北斎付き合ってくれ。」
「がってんしょうちのすけ!」
♢♢♢♢♢♢
【コンスタンティヌスの凱旋門】
その凱旋門は俺の生きていた時代のままにそこにあった。
白大理石で造られたその凱旋門は雄々しく威厳があった。
「北斎、俺の親父はコンスタンティヌス帝即位10周年の記念式典をここで見てるんだよ。俺は子供の頃、よくここへ連れてこられてその話を聞かされていたんだ。もう千年以上前の話になるがな。」
「へぇ。グレンの子供の頃かぁ。」
さらさら。さらさら。
んー。
さらさら。んー。さらさら。
【紅蓮子供頃親父連凱旋門図】
「親父の絵か?俺そのものじゃねぇーか!(笑)俺は可愛く描けてるぞ。今も可愛いけどな!」
「え?へ?今は目付きの悪りぃ中年じゃねぇか?」
「北斎。ありがとうな。親父の絵なんて無いからな。顔もほとんど思い出せないしな……。」
「なぁグレン、お前に隠し子とかいねぇのか?お前の子供は可愛いだろうなぁ?!」
「いない。300年近く彼女もいないさ(涙)」
「そんなに男前なのに不思議だねぇ。」
「うるせぇ!!」
「コロッセオがこんなに近いなら先に来れば良かったねぇ。」
さらさら。さらさら。
【転瀬尾凱旋門横並図】
「凱旋門から見るコロッセオもいいもんだろ?ローマっ子が誇る風景だ。」
「確かにな。グレン腹が減った。あっちにフォカッチャの店があったぜぃ!フォカッチャ食いてえ!」
「北斎、こっちに来てから毎日フォカッチャ食べてないか?」
「ふぉかふぉかのフォカッチャ!ふぉかふぉかのフォカッチャ!ふぉかふぉかのフォカッチャ!」
「はいはい。」
アルフレッドが旅に出て寂しくなったと思ったらこれだよ(笑)
次はどこへ行こうか?
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【羅馬三十六景】
一景 【ドワーフ羅馬鍛冶図】
二景 【羅馬牌羅呈野丘全景図】
三景 【散駒霜宿女将図】
四景 【散駒霜戦車競争図】
五景 【府羅馬野乃図】
六景 【紅蓮元老院成図】
七景 【虎取屋議論里客図】
八景 【北斎首根掴図】
九景 【紅蓮兎葡萄酒図】
十景 【紅蓮鬼魔伊良戦図】
十一景 【暗黒紫熊図】
十二景 【冷紅茶早飲欲北斎図羅馬(アイスティーはやくのみたいほくさいろーまにて)】
十三景 【あるふれっど】
十四景 【家庭教師驚愕図】
十五景 【絵描集北斎囲図】
十六景 【紅蓮女性囲図】
十七景 【燦比叡登呂大聖堂正面図】
十八景 【中央祭壇図】
十九景 【あるふれっど絵描志望図】
二十景 【辺留兄兄大階段騙絵図】
二十一景 【紅蓮色兎美術品溺図】
二十二景 【三毛乱時絵羅寝背痛図】
二十三景 【三毛乱時絵羅創造神描図】
二十四景 【那波里出物頑張図】
二十五景 【紅蓮子供頃親父連凱旋門図】
二十六景 【転瀬尾凱旋門横並図】
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次回~カラカラ浴場と江戸の銭湯~へ続く。




