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第三章⑫【羅馬三十六景】~サン・ピエトロ大聖堂~

043_第三章⑫【羅馬三十六景】~サン・ピエトロ大聖堂~


昨晩は大変だった。 

疲れきってホテルで食事を取った後に北斎が風呂に入りたい!って駄々こねやがった。部屋には豪華な猫足のバスタブがあったのだが、お湯は運ぶシステム!

セバスは見た目60代のおじいさんだぜ?一人で運ばせるわけにはいかねぇだろ?

元剣聖の俺が運びましたよ(涙)

アトランティスチート使わなかったのかって?

アルフレッドお坊っちゃまが部屋に入り浸ってキダイ・ホクサイと美術談義?してるもんだから使えなかったんだよ……。

今日はそのアルフレッドお坊っちゃまと一緒にサン・ピエトロ大聖堂に行くことになっている。

俺か?俺はな、フィリップと何故か話が合うからさ。


「お互い大変ですな。」


だってよ(笑)


おっとアルフレッドお坊っちゃまとキダイ・ホクサイが遅れてロビーに来たみたいだ。


スペイン広場のレストランで軽く朝食をとって、サン・ピエトロ大聖堂へと歩きだす一行であった。


♢♢♢♢♢♢


【サン・ピエトロ大聖堂】


ここは教皇領のど真ん中。色々ゴタゴタしている政争のど真ん中。

怪しい東洋の商人。目付きの鋭いワイナリー経営者を名乗る人物。

怪しいぜ。怪しすぎる。衛兵に取っ捕まったりしないか?


「来たよーーー!アルフレッドです!イギリスから来ました!」


「おお、これはこれはアルフレッド様。よくぞお越しになられた。お父上にはお世話になっております。ささっ中へ。お付きの方々もどうぞ。おや?こちらの東洋人の方は?」


おい!北斎、お前だけが怪しまれてるじゃねぇーか!?


「あ、この人はキダイ・ホクサイさんと言って画家さんだよ。私の友達だよ。」


「おお、お友達の方でしたか。どうぞ。どうぞ。」


「ありがとうございますですぜぃ!ふむ。」


敷地の中へ入ると巨大な建物が並んでいた。正面にあるのがサン・ピエトロ大聖堂。正面の白い壁の上に丸屋根が乗っている。


俺もバチカンは初めて入るな。俺がこんなに圧倒されるなんて……空気が違う気がするんだよな。


「すげぇぞ!アルフレッド!あの屋根を見てみろ!空を突き上げてるみてぇだ!!」


「おお!大クーポラですね!こんなに大きかったんだ!」


「見てみろ!真っ白な石が積み上がってる。屋根は青いぞ!」


「青銅だったかな?フィリップ、合ってる?」


「お坊っちゃま!合ってます。よくお勉強されてますな。」


さらさら。さらさら。


【何緊張してやがる紅蓮図(なにきんちょうしてやがる)】


「北斎。せめて口で言ってくれないか?無言で絵を見せるな。」


【サン・ピエトロ大聖堂】


「なんなんでぃ!ここは何から何までデカイ!デカすぎる!」


「北斎さん!サン・ピエトロ大聖堂の建材にはコロッセオの石材が使われてるのですよ!」


「な、な、なんだってぇええ!それで崩れた感じだけじゃぁなくて綺麗に切り取ってたところがあったってぇわけだな!」


……ダメだ。冒険者の俺が空間に圧倒されている。細かな装飾だったり、煌びやかな装飾もあるんだが。豪華で美しい。違うな。恐怖すら感じるよ。

これを人が造った。


アトランティスには巨人族もドワーフもいる。魔法技術も発達してる。


でもな。この大空間は祈りを捧げるためだけに造られた?その感覚はアトランティス人には無いんだよ。


「ここが中央祭壇です。」

案内人が一言。

黄金のステンドグラス?黒い柱の彫刻。どれだけの時間をかけてここを造ったんだ?


アルフレッドとフィリップが祈りを捧げている。

北斎、ここでは余計な事は言うなよ?


「神様かぃ?俺ぁ創造神に会ったこ……。」


くそっ!ここでその発言はマズイ。衛兵が集まって来た。


祈りを終えたアルフレッド。


「あ!神様の塔の絵ですね!あれは素晴らしいです!キダイ・ホクサイさんの創造力は素晴らしいんですよ!是非、サン・ピエトロ大聖堂の絵も描いて下さい。衛兵さん達、いいですよね?」


「アルフレッド様がそうおっしゃるなら。」


「……グレンさん、貴方も圧倒されているようですな。私も書物や絵見たことはありましたが、これほどのものとは正直思ってはいませんでした。」


「フィリップさん。本当に本当に。圧倒されますよねぇ。」


北斎とアルフレッドはきゃっきゃ言いながら絵を描いてるし。ったく。


「おい、アルフレッド!おめぇも描いてみるかぃ?おお、なかなか筋がいいじゃねぇか!」


「キダイ・ホクサイさん!私!本格的に絵の勉強がしたいんですよ!」


「お坊っちゃまーー!フィリップは、そのような話、聞いてませんぞ!」


「言ってないもん。」


さらさら。さらさら。


【燦比叡登呂大聖堂正面図(さんぴえとろ)】

【中央祭壇図】

【あるふれっど絵描志望図】


「次に行きますか?」


「ちょちょっと待ってくれぃ!彫刻やら装飾やらもう少しスケッチしてぇ!してぇ!してぇ!」


「次、システィーナ礼拝堂へ行きますよ?キダイさん!昨日お話した天井絵のある。」


「アア!忘れてたぁアア!三毛猫らんじぇろ?ってのが描いた絵があるんだよなぁ!?」



────────────────


【羅馬(ローマ)三十六景】

一景 【ドワーフ羅馬鍛冶図】

二景 【羅馬(ローマ)牌羅呈野丘全景図(パラティーノのおか)】

三景 【散駒霜(チルコ・マッシモ)宿女将図】

四景 【散駒霜戦車競争図】

五景 【府羅馬野乃図(フォロロマーノのず)】

六景 【紅蓮元老院成図(グレンげんろういんなるず)】

七景 【虎取屋議論里客図(トラットリアギロりのず)】

八景 【北斎首根掴図(ほくさいくびねっこつかまれる)】

九景 【紅蓮兎葡萄酒図(ぐれんわいんをおしうりされるず)】

十景 【紅蓮鬼魔伊良戦図(ぐれんときまいらのたたかい)】

十一景 【暗黒紫熊図(むらさきいろのだーくべあ)】

十二景 【冷紅茶早飲欲北斎図羅馬(アイスティーはやくのみたいほくさいろーまにて)】

十三景 【あるふれっど】

十四景 【家庭教師驚愕図】

十五景 【絵描集北斎囲図(えかきがあつまってかこまれた)】

十六景 【紅蓮女性囲図(ぐれんおんなにかこまれる)】

十七景 【燦比叡登呂大聖堂正面図(さんぴえとろ)】

十八景 【中央祭壇図】

十九景 【あるふれっど絵描志望図】



────────────────


次回~システィーナ礼拝堂・ミケランジェロVS葛飾北斎~へ続く。


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