第三章④【羅馬三十六景】~北斎、竜に乗る。~
035_第三章④【羅馬三十六景】~北斎、竜に乗る。~
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【ここからはグレン視点でお送りいたします。】
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っ、日本神域……北斎と手を繋ぐっ……っ。っ。まぁ面白かったがな。
それから数日は何事もなく日々が過ぎて行った。
北斎はというと東鳳屋の依頼が大詰めを迎えてるようで、3日ほど俺の部屋には帰って来ていない。
仕事が終わって一人の部屋ってのも少し寂しい気がするが、気のせいだと思うことにする。
バタバタドタドタ。
ドタドタドタバタ。
「おーい!グーレーーン!聞いてくれぃ!うひょひょひょひょ。」
「何だ?北斎、久しぶりに顔を出したかと思えば騒がしい。」
「東鳳屋呉慈羅から聞いたんだけどよぉ、この世界、竜に乗れるんだろ?」
「乗れるぜ。」
嫌な予感がする……面倒ごとに巻き込まれる予感がする……元剣聖としての危険察知能……力。
「乗りたい!乗りたい!乗りてぇええええ!乗せろ!乗せろ!グレンなんとかしてくれぃ!」
北斎が仰向けになって手足をバタバタさせている。子供かよ!!
「北斎、呉慈羅から何処まで聞いてる?」
「へ?竜に乗れる。グレンなら何とかしてくれるだろ。ってそれだけでぃ!なんとかしてくれぃ!」
ごうじのヤツ、面倒な説明も俺に押し付けやがった!
「あ、あと、北斎はもう合格してる。ってわけわかんねぇことも言ってたぜぃ!」
「ったく。説明してやるから、そこに正座。お前の万年床の上に。わかんねぇことがあっても質問は受け付けない。だいたい理解すればそれでいい。覚悟はいいな?長くなるぞ?」
「へぃ。竜に乗れるなら石の上にも万年床の上にも三年正座してやらぁ!!」
ちょこん。北斎本当に正座してるぜ(笑)
「あー、この世界はアトランティス都市は大きな結界で隔離されている。地球、わかるよな?江戸のある星だが……地上からは見えないけど地球には存在してるんだ。」
北斎は一生懸命理解しようとしてる。お?手帳にメモまで取ってるのな?偉いぞ。北斎。
「でだ、その地上に行く方法か一つだけある。それが竜だ。」
「りゅ、竜ぅうう!うひょひょひょひょ。」
「はい、そこ!静かにーー!竜に乗らないとその結界は通過出来ねぇようになってる。竜は港にある竜貸し出し所から借りる。竜に乗るためには事前に竜人の講習を受けて資格を得る必要がある。」
「資格しけっん?講習ーーー?」
「はい、質問は受け付けません。でな?お前は東鳳屋呉慈羅からその資格を既に受け取ってるってことだ。」
「……わかんねぇ。十分の一も言ってる事がわかんねぇ。俺ぁ竜に乗れるんだよな?」
「乗れる。」
「乗りたい!乗りたい!乗りてぇ!!」
「今夜はもう遅い。地上での行き先を飯を食いながら相談するか?明日の朝、竜を借りよう。」
「へぃ……グレン先生。わかりやしたー。」
俺は酒と肉焼きプレートをささっと準備した。
「グレン、紅茶ねぇのか?大国主命さまの所で飲んでから気に入ったんでぃ。それにな、竜に乗るのに酒クセェってのもどうかと思うぜぃ。」
「あるよ(笑)肉焼きに合うならアイスティーだな。俺も付き合うよ。」
♢♢♢♢【何処へ行くか?会議】♢♢♢
「北斎、お前は何処へ行きたい?やはり日本か?」
「んー行けるなら見たこともねぇ所へ行きたいなぁ。お前の生まれ故郷が見てみてぇ!」
「ローマか。俺がいたのは1000年以上も前になるが……久しぶりに行ってみるのもいいかもしれない。」
「決まりだ!ローマ!羅馬だ!羅馬だ!」
「お前、地上人と交流してみたいか?」
「おぅ!色んな人から話を聞いてみてぇな。」
「そうか。気をつけてもらいたいことが二つある。それを守れるなら交流してもいいと思うぜ。」
ちょこん。
北斎はまた万年床に正座して手帳を手に取る。
「一つ、アトランティスの事は絶対に話すな。他国からの旅行者ってことにするんだ。」
「へぃ。」
「ギルドカードを持っていれば言葉は通じるはずだが、もしわからなければ俺が通訳する。少しは変わってるかもしれねぇが俺が生きてた頃と大差ないはずだ。二つ目が地上の文化や文明には干渉しない。少しぐらいはいい。大きく変えるような事はしてはいけない。」
「がってんしょうちのすけ!」
「明日、服屋が開く時間に起きて先ずは今のローマ人に馴染む服を買うぞ。それから竜貸し出し所へ行く。明日は早い。飯を食ったら直ぐに寝るぞ。」
♢♢♢♢♢♢
【翌朝・犬人の用品店】
「今からイタリアに行くのだが馴染む服はあるか?」
犬人は資料をパラパラめくって調べてくれる。
「でしたら、北斎さんは白シャツに緑色のズボンにサスペンダー、黒の帽子がいいですワン。グレンさんは白シャツに黒のズボンにサスペンダーがいいですワン。それと部屋着と下着を見繕っておきますワン。グレンさんはアイテムボックスお持ちですがカムフラージュ用の鞄、これはオマケで着けますワン。」
「ありがとう。ここで着替えてもいいか?」
「奥の部屋をお使い下さいワン。資料によりますと少し政情が不安定かもしれませんワンのでお気をつけていってらっしゃいワン。」
♢♢♢♢♢♢
【竜貸し出し所】
「ここに来るのは久しぶりだ。」
「グレンやー!グレンさんやー!この服似合ってるかぃ?」
北斎がサスペンダーをくいっと引っ張ってポーズを取ってる(笑)
「竜貸し出し所へようこそぉ!こちらが受付になりまぁす!あら?グレンさんお久しぶりですぅ。スカーレットが寂しがってますよぉ。北斎さん?うわぁ!本物の北斎さんだ!一応ギルドカード拝見しますねぇ。北斎さんには東鳳屋から専用竜を預かってますよぉ!名前をつけてあげて下さいね。」
「グレン?スカーレットって?」
「……剣聖専用竜……だ。元剣聖だがな!」
「へぇ。」
俺たちは竜の所へ向かった。
「これが俺ぁの専用竜?!かっけぇええ!かっけぇええ!でもよぅ俺ぁの知ってる竜とは違うねぇ。」
「この竜はな西洋のドラゴンだ。羽があるだろ?日本の竜は……ちょっと手帳を貸してくれ。日本の伝承にあるのは龍だな。」
「へぇ。竜と龍か。竜かっけぇええ!グレンの竜は真っ赤。俺ぁの竜は浅葱色か!!名前はアサギにするぜぃ!アサギよろしくなぁ!!」
キュイー。
グルルル。
「スカーレット、拗ねてるのか?放っといてごめんよ。また時々顔を出すからな。よろしくな。」
「乗ろうぜぃ!」
竜達が姿勢を低くして俺たちが乗りやすい様にしてくれる。
「行こうか!」
竜がゆっくりと上昇していく。
そして港上空をゆっくりと旋回した。
「すげぇ!すげぇ景色だ!これがアトランティスの街なんだな!」
そうか。北斎にはこの景色は初体験なのか。
「北斎ーーー!竜に乗ったまま描くなよー!後から思い出して掛けよぉ!」
「へーーい!」
さぁ。ローマへ行こうか。
どんな街になっているのか俺も楽しみなんだよ。
次回~羅馬の絶景~へ続く。




