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④【北斎外伝・剣聖グレン物語】~グレン剣聖になる~

031_④【北斎外伝・剣聖グレン物語】~グレン剣聖になる~


「だいぶ夜も更けてきたな。まだ話すか?」


「そうだねぇ、まだ聞きてぇな。その後、ヴォルフがんはどうなってんでぃ!?」


「ぁぁ。ヴォルフガングは腕を吹き飛ばされたのがトラウマになったんだろう……冒険者稼業を辞めてしばらくはアトランティスにいて他の仕事をしていたが、何年間後に輪廻へと戻ったと聞いた。」


「お前はどうしたんで?その後も続けたんだろ?」


「俺は新人講習の講師をしながら、ソロでは強い魔物が出る異世界に行ってた。」


「そろ?あぁ1人でか?なんでだ?だんじょん?攻略は何人かで行くのが基本じゃねぇのかぃ?」


「……そうなんだが。俺の動きが速すぎるのか、誰もついてくることが出来なくて、皆、ヘトヘトになっちまう……。」


「で、ソロか。お前、死んだのか?ソロで死んだんだな?」


「北斎!そんなに俺に死んでほしいのか?(笑)」


「死んだよ。三回ぐらいな。」


♢♢♢♢♢♢


【グレンVSラミア】


なんだこの世界は……鬱蒼とした木々が生い茂る森しかない。

白い霧に覆われて視界が悪い。


「ンゴ。ンゴ。ンゴ。」


妙な音がしている。声か?


「ンゴ?」


【ンゴンゴ・体長150センチキノコの魔物(食用、但し自我を失う)】


うわっ!気持ち悪ぃ。いつの間にかキノコの魔物が俺を取り囲んでいた。


「ンゴ。キノコ食べる?ねぇ?食べる?」


「食わねぇ!食わねぇよ!」


キノコを食べたい衝動と得体の知れない恐怖で足が竦む。


「鑑定。」

【状態異常・魅了】


「魅了な。俺には……効かないぜ。」


スパン。

ズババパーン!


【ンゴの魔石・ンゴンゴの肉(食用、自我を失う)×10個】


「だーかーらー!恐いって!!」


森の奥へ足を進める。霧が晴れ少し開けた場所に出た。大木の前に紫の靄が集まっている。

魔物の姿はまだ無い。


……死ね。

……死ね。

……死ね。


俺の身体の上を何かが通りすぎていく。


「蛇の魔物……。」


俺は意識を失った。


♢♢♢♢♢♢♢


「グレン……死んだ。」


「ああ、死んだよ。」


「なんか、死ぬと嫌な気持ちになるねぇ。」


「北斎、創造神に会ったことあるか?」


「あるぜぃ!死んだ直後に真っ白な部屋に飛ばされたぜぃ!」


「そうか。やっぱり北斎はイレギュラーだったんだな。」


「いれ?ぎゅ?」


「俺なはラミアに殺られて飛ばされた時に初めて創造神に会ったんだよ。現世で死んだ人間が全員創造の部屋に行くわけではないんだよ。先ずは役場に行って希望を聞かれるんだ。輪廻へ戻りますか?転生冒険者になりますか?っていう紙を読まされる。」


「へ?文字が読めないやつぁいねぇのか?」


「頭の中に文字が流れ込んでくるぜ。かなり気持ち悪いぞ。」


「でな、規約?ってのが長々書かれてて、最後に極小の文字で※不死も選べます。って書いてある(笑)」


「で、そのイレギュラーってのは?」


「天界や冥界がアトランティスに変化をもたらすかもしれない死者を選んで、創造神の部屋に案内しているらしい。俺も詳しくは知らないぜ。気になるならギルド長に聞いてみるといい。」



♢♢♢♢♢♢


【創造の部屋】


ラミア……冒険者ギルドの資料にあった。呪いを放つ魔物だと。俺の状況判断が甘かった……。次は、次こそは。


俺は白い部屋に飛ばされていた。


「ここが創造神の部屋か。」


「ほぅ。お前がグレンか。冒険者ギルド最高責任者ファイから話は聞いておる。どれどれ。」


────────────────

グレンステータス

LV:213

HP:7800

攻撃力:16700

防御力:8200

素早さ:19600

精神力:36000

運:2500


パッシブスキル

・ソードマスター 剣装備時に攻撃上昇

・クリティカル 会心率が上がる

・ブレイブハート ひるみにくくなる


スキル

・鑑定

・アイテムボックス


耐性

・恐怖耐性

・呪い耐性

・魅了耐性


────────────────


「ほぅ。死線を越えたか。グレンよ。死ぬのが恐くは無いのか?」


「恐い。恐さは消えない。だが、このまま負けて終わるわけにはいかない。」


「冒険者を続けるか?」


「もちろんだ。」


♢♢♢♢♢♢


さらさら。さらさら。


北斎は俺の話を聞きながらも筆を止めることは無かった。


【ンゴ。に囲まれるグレン図】 

【蛇女呪術図】

【白い部屋の図】


「グレン、蛇女とは再戦したんだよな?」


「したよ。こんな感じだったぜ。」


♢♢♢♢♢♢


ラミアがニカーッと笑いグレンを見ている。ラミアは女の姿に蛇の尾。髪は小さな蛇によって形を成している。


ラミアの尾がグレンに向かって振り回される。攻撃を剣で受け止めたグレンが地面に沈み込む。 ラミアの連撃を紙一重で流す。

ラミアの尾のうねりの始まりを探る。


「なるほどな。攻撃の始まりはそこか。それならば。」


シュッ。

ラミアの尾がグレンに届く直前。大きく一歩踏み出すグレン。

ラミアとの間が一気に縮まる。


「ふぅぅ。」


グレンが一つ息を吐く。

一つの言葉がグレンの頭の中に浮かんでいた。  


「聖技青剣」


グレンの剣が青く光り、横一線。

ラミアの上体だけがゆっくりと滑り落ちた。


【ラミアの魔石(特大)・呪いの石、魅了の石】


「呪いの石……アイテムボックスに封印しておこう。」


♢♢♢♢♢♢


「すげぇ!グレンって本当に剣聖だったんだねぇ!で、蛇女との戦で一回死んだだろ?後の二回は?」


「ん?三回目はドラゴンのブレスで一瞬で死んだ。」


「ドラゴン?ブレス?」


「とにかく!強い魔物の強い攻撃を受けて死んだんだよ。」


「ありゃ?三回目?一回目が蛇女だろ?二回目は?」


「……毒蛇。」


「あ、蛇女に二回殺られてるのか。」


「違う。毒蛇。」


「ん?ぎゃっはっはっ!なんでぃ?普通の毒蛇に噛まれて死んでやがる!!」


────────────────


耐性

・恐怖耐性

・呪い耐性

・魅了耐性

・毒耐性


────────────────


【剣聖誕生・毒蛇噛まれるの図】


こうして剣聖グレンが誕生したのだが……【毒蛇に噛まれるの図】はグレンによって破かれ世に出ることは無かった。
















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