③【北斎外伝・剣聖グレン物語】~初心者グレン強敵に挑む~
030_③【北斎外伝・剣聖グレン物語】~初心者グレン強敵に挑む~
【安全地帯・夜営地】
初心者冒険者セットの中にあったのは、鉄鍋、ナイフ、金串、鉄のお玉など。食材は?小麦粉、肉。火の魔石と魔炭。
「んーー。これだけか。」
「がーっはっは。俺はゲルマンの傭兵だった男だ。これを見てみろ。」
・テントと体を包む布
・肉、肉、干し肉、肉。
・少しの野菜
・チーズ
・エール
・塩
・胡椒
「これは?胡椒!!胡椒があるのか?胡椒ってお前らゲルマンとの因縁の高級スパイスじゃねぇか……。」
「なんでも、アトランティスの獣人達には馴染みのスパイスらしくてな、普通に量産されているし、スパイス採取の異世界もあるらしい。」
「スパイス採取の異世界?大金持ちになれるんじゃないか?」
「バカいえ!アトランティスではスパイスは普通に流通してるんだよ。それだけで金持ちにはなれんぞ。」
俺達はそこらに転がっている石を使ってかまどを作っていく。二人とも前世の経験から夜営にには慣れている。
「ヴォルフガング、料理は俺に任せてくれ。お前はテントの準備を頼む。」
「ん?グレンは騎士団長だったんだろ?料理なんて出来るのか?」
「俺はな、騎士団長兼料理担当だ。団の若い連中に少しでもウマイものを食わせるのも団長の役目じゃねぇか?」
「いいなぁ、そっちの隊は、俺の隊は、肉!!エール!!以上!!」
これは?オークの肉らしいな。豚肉みたいだぜ。これを金串に刺して、塩胡椒をささっと振りかけて、後は遠火で焼いていく。
オークばら肉についていた骨と少しの野菜を鉄鍋に入れて煮込んでいく。味付けは塩のみだ。好みで胡椒を振りかけてもいいかもしれねぇ。
最後に小麦粉を練って一口大にしたものを鍋に入れていく。プルスに近い食べ物だが、こちらの方が腹にたまる。
辺りが暗闇に包まれ、空には三日月が二つ並んでいる。流星群が空を覆いとても綺麗だ。
こうして、ヴォルフガングとの夜が更けていったのだった。
♢♢♢♢♢♢
「ぷっ!グレン、更けていったのだった……じゃねぇ!なにかっこつけてやがる!お前、千年以上前からオーク肉焼いてやがるのか!ぷぷぷ。おもしれぇ!おもしれぇ!そして、腹が減った。お前、オーク肉隠し持ってるんだろ?食わせろーー!!食わせやがれ!」
「……あるよ。生肉でいいか?んなわけねぇだろ!ギルドの厨房を借りて焼いてくるから、お前は大人しくここで描いてろ。」
さらさら。さらさら。
(赤茶けた大地に岩山、三日月が二つ、流星群?星が雨のように降っているのか?焚き火、かまど、串肉。)
さらさら。さらさら。
『出来た。(ぞ)』
俺がオーク肉を焼いて部屋に戻ると、北斎は一心不乱に何かを描いてた。
「北斎、何を描いていたんだ?」
「グレン、何を作ってきたんだ?」
同時に話すなよ!!(笑)
「ん、これか?炭火が無いんでな、オーク肉細切れをスパイスで炒めて、日本のショーユソースとバターに絡めてある。酒が進むぜ。で、お前は何を描いていたんだ?」
【グレンとヴォルフがん?夜営図】
「ヴォルフがんって誰だよ(笑)」
「名前がなげぇんだって!続きを聞かせてくれねぇか?食いながら、描きながら聞くわ。」
♢♢♢♢♢♢
【コランダム・朝】
昨日の残りの鍋を腹に入れて、片付けを済ませる。
「グレン、ここからが本番だ。あそこに洞窟が見えるだろ?あの中がダンジョンになっている。」
「ダンジョン?」
「ダンジョンってのは、魔素が濃 く魔物が出現しやすい場所のことだ。あそこは洞窟が丸々ダンジョンになっている。レベルの低い魔物しかいないから初心者の資金稼ぎによく使われているダンジョンだな。」
視線の先には入口から紫の靄がうっすらと外へと流れ出している洞窟がある。
「よく、聞け、グレン。こからはおそらく回復薬を使うことになる。これをアイテムボックスにいれておけ。代金は使った分の後払いでいいぞ(笑)」
【低級回復薬・傷を治す×20個】
【中級回復薬・傷を治す。深い傷も治る×15個】
【最上級回復薬・欠損部位の復元。致命傷の回復×1個】
「ありがとう。遠慮しながら使うわ。」
「遠慮するな。少しの傷でも使え。命取りになる。死んでも創造の部屋へ戻るだけではある。が、死の恐怖は残る。死なずに済むならその方が良いに決まっている。」
「わかった。遠慮なく使わせてもらうよ。」
「代金支払う為にダンジョン攻略頑張れよー!基本素材は討伐した者の報酬になるからな。」
♢♢♢♢♢♢
【ゴーレムダンジョン】
階層式のダンジョンだと聞いた。基本一つの階層には一種類の魔物のしか出ない。
1階層。
シルバーゴールドゴールドゴーレム?
ゴーレムの関節部分に剣を入れていく。硬ってぇ!腕が痺れるほどの衝撃だ。
1体討伐に5分程かかっただろうか?
「鑑定」
【シルバーゴールドゴールドゴーレムの魔石・銀(少量)金(大量)】
1階層を一時間程かけて回る。ヴォルフガングはーー?何もしていない。「うんうん。」頷きながら俺を見ている。
「そろそろ集まったか。グレン金を全て寄越せ。」
「え?」
俺は剣を構えて臨戦態勢を取る。
「違う。ここから先はその剣では無理だ。ミスリルの剣を渡すから金と交換だ。」
「……いいのか?」
「その金じゃミスリルの刃先にもならんが、俺は金には困ってない。グレンが生き延びてくれるのが一番嬉しい。」
2階層。
「グレン、良く聞け。ここはミスリルゴーレムが出る。普通、初心者は行かない階層だ。これまでのお前の戦いを見て、ヤれると判断した。先ずは間接を狙え。怪我をしたらアイテムを使え。攻撃は全て俺が防いでやる。お前は攻撃に専念しろ。」
一段と濃い魔素が充満してる。立っているだけでクラクラしてきやがる。
「出たぞ!アレがミスリルゴーレムだ!」
体長は1メートル程。大きくは無い。動きは素早いようだ。
カキーン。
ヴォルフガングがミスリルゴーレムの突進を盾で防いだ。階層に響き渡る高い音。
(なるほどな。耳を済ませ。動きを読め。)
シュッ。
カキーン。
シュッ。
「今だ!」
ヴォルフガングがミスリルゴーレムの攻撃を防ぐ一瞬前。突進してきたゴーレムの核を突いた。
「鑑定。」
【ミスリルゴーレムの魔石・ミスリル(少量)】
「一撃だ、と。」
ヴォルフガングが目を丸くしてこちらを見ている。
「ん?核を狙うんだよな?」
「普通、出来ない。盾で防いでるとき……止まってる……時に狙う……。おまえ、動いてるゴーレムの核、突いた。」
「ヴォルフガングさん?カタコトになってるぜ(笑)」
「動きを見て、音を聞いたんだよ。一番近くに来るタイミングを知るために。」
「普通……出来ない。」
ミスリルゴーレムを10体ほど討伐した頃……
ヴォルフガングはヘトヘトになって壁にもたれ掛かり座り込んでいた。
「なぁ。ヴォルフガング、俺、なんだか新しいスキルを習得したっぽいぞ。」
「ハァハァ。ん?な、ん、だ、と!たった1日で?ギルドカード見てみろ。」
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・ソードマスター 剣装備時に攻撃上昇
・クリティカル 会心率が上がる
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「……増えてた。」
「……そうだな。知ってた気がする。もう帰るか?相当稼げたはずだ。」
ヴォルフガングが2階層出口へと向かい歩き始めた時。出口に向かい濃い靄が集まり始めた。黒い塊を内包した濃い紫の靄。
「ヴォルフガング!!!逃げろ!!その靄は危険だ!!逃げろォオオ!!」
ズッゴゴゴゴゴ。
ピカッ。
ドゴゴゴゴッ!
バゴッ!
ヴォルフガングが「何か」に吹き飛ばされ、壁に激突した。
「ヴォルフガングッ!これを飲め!」
ヴォルフガングの腕が盾ごと跡形もなく吹き飛ばされていた。俺は最上級回復薬をヴォルフガングの口に無理矢理流し込む。
ヴォルフガングの身体が光に包まれて腕が元に戻っていく。
「ったく……なんなんだ。アレは。」
真っ黒な巨体のゴーレムが出口を塞いでいる。
「鑑定。」
【アダマンタイトキングゴーレム・危険度SS】
「くっ。やるしか無いのか。」
俺は剣を構えて出口へと走り出した。
♢♢♢♢♢♢
「グレン!おめぇ!死んだのか?死んだんだな?こぇえ!恐いって!アダマンタイトキングゴーレム!!」
「北斎!勝手に殺すなよ。勝ったよ。1時間ぐらい、攻撃をかわし続けて……回復薬を使いきるのと同時にな!!」
「ちっ。勝ったのかよ。」
「【グレン負けて泣く図】とか描こうとしていたんだろが!!」
「描こうとしてたぜぃ?」
「アダマンタイトキングゴーレムってのは核が三つあるんだよ。両腕と額に。」
「へぇ!で?」
「その三つの核をだな。一秒以内に全部壊さないと核が再生するぜ。」
「こりゃまた。厄介な魔物じゃねぇか。」
「北斎の能力ならさほど苦労せず倒せるだろうが!」
さらさら。さらさら。
【仇万耐頭王人形図】
「ほれ、出来たぞ。実体化して試してみるかぃ?!(笑)」
「やめろ!部屋が壊れる(笑)」
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グレンステータス
LV:195
HP:6700
攻撃力:4500
防御力:7500
素早さ:10500
精神力:20000
運:3000
パッシブスキル
・ブレイブハート(精神力依存のスキル、ひるみにくくなる。)
・ソードマスター 剣装備時に攻撃上昇
・クリティカル 会心率が上がる
スキル
・鑑定
・アイテムボックス
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~初心者グレン強敵に挑む【完】~




