北斎漫画⑪~人形?作るってぇ?~
024_北斎漫画⑪~人形?作るってぇ?~
怒りの呉慈羅事件?の翌日、俺は呉慈羅の部屋に呼び出されていた。
【呉慈羅の部屋】
「へぇーこんな落ち着いた部屋もあるんですねー(棒)」
呉慈羅の部屋は竹林を背に小さな石庭が見渡せる縁側がある。落ち着いた離れだった。わずか六畳ほどの小さな離れ屋。
床の間には竜の絵の掛け軸(ダ・ヴィンチ作)があり。小さな文机と茶の湯の炉。それだけの部屋。
「オチツキマスネー。」
「ん?竜人は古来よりワビサビを重要視している。」
「へぃへぃ。で、話って?」
「北斎、実体化って何でも作れるのか?」
「なんでもってわけでもねぇけど、最近コツを掴んだみてぇで、大体の物は出来るかもしれねぇ。」
「商品化しようと思っている。」
「へ?は?実体化出来るってもそんなに沢山は作れねぇぜ?」
「わかってるさ。北斎作は番号を振って限定品として、量産品はドワーフの彫刻師商会に頼もうと思っている。」
「……それならヤれるかもしれねぇ。だが、問題が一つあるぜ。」
「ん?何だ?」
「俺ぁの実体化は半月ほどしかもたねぇみたいでな。消えてしまうんだよ。」
「……冒険者ギルドの報告書を見てみたが……魔素の実体化……。」
「へ?まそ?へそ?」
「北斎、おめぇは知らなくていいことだ(笑)この件、ダークエルフなら何とかしてくれるかもしれねぇ。今夜、行くぞ。」
「何処へ?」
「ダークエルフの歓楽街だ。」
「え?かんらくがいぃ?!」
【その夜・ダークエルフの歓楽街のスナック・奥の部屋】
「お久しぶりです。コレがお伝えしておりました北斎です。」
おい!俺をコレ呼ばはりするな!
「あら?可愛いお坊ちゃんねぇ。」
「そりゃ、700年も生きてるミレーヌさんからしたら坊っちゃんかもしれないけど、北斎がビックリしてるぜ。」
「あら?あら?500年しか生きてないごうじくん!?アタシの歳の話は……禁句でしょう?今日はお高いお酒ボトルで開けてもらうわよ?」
700年?!500年!?
ヒィッ。
「北斎!正気に戻りやがれ!!こちらは魔法研究の第一人者のミレーヌさんだ。」
良く見りゃ、美人じゃねぇか?褐色の肌に、暴力的な胸元。香が焚かれているからかクラクラしてくるぜ……
「北斎、ミレーヌさんを描いて実体化してみてくれるか?ミレーヌさんはこれを見てくれ。冒険者ギルドの検証記録だ。」
ミレーヌさんは小さな丸眼鏡をかけて、白衣を羽織る。
「ヒェェ。ミレーヌさん……白衣のぼ、ボタンが!!」
「北斎!しっかりしろ!描いてくれぃ!」
「へ?へい!か、描きてぇか!描くぜ!」
さらさらさらさら。
「へぇ、北斎くんの能力ねぇ。魔物の実体化……魔物と魔物は戦うんだね……なるほど。魔素量は北斎くんの魔物の方が多いみたいだねぇ。攻撃力が……違うさね。」
さらさらさらさら。
「描けたぜ、あ、描けたです。ミレーヌさん!実体化。」
ポンッ。
ミレーヌさんの像が絵から飛び出した。
「おやおや?アタシこんなに美人なのかい?北斎くん(微笑)」
「び、美人なんてもんじゃぁねぇです!へい。そりゃもう……。」
「ミレーヌさん!北斎!遊んでないで、調べてくれよ……」
「ちょっと待ってて、魔法鏡を通して見るから。あら?この像そのものが魔素の塊だわね。そして魔素が少しずつ減っていってるわ。」
さらさらさらさら。
(やべぇ。止まらねぇ。)
「つまりどういうことだ?」
「この像の魔素を閉じ込めて、さらに少しずつ魔素を供給し続ければ消えないと予想するわ。」
さらさらさらさら。
(胸元……ボタン……)
「出来るのか?」
「ごうじくん?アタシを誰だと思ってるの?」
ミレーヌは錬金釜へ素材を投げ込んだ。
「出来たわ。スライム板で出来た箱よ。この穴に魔石を嵌め込むだけね。これくらいの魔道具なら町の工房でも作れるわよ?」
「すげぇ!ミレーヌさんすげぇ胸……ちがっすげぇ技術っす!」
「北斎?わかってんのか?(笑)」
「わかんねぇけどミレーヌさんがすげぇんだろ?」
「ふふふ。可愛い坊っちゃんねぇ。」
「帰るぞ!北斎!」
「へ?」
「帰って商品化の相談だ!源内さんも呼んでる。」
「へ?」
俺は呉慈羅のヤローに首根っこを捕まれて店を後にした。
(ミレーヌさん!また来るからよぉ!!)
~次回・源内さんとダ・ヴィンチさんを巻き込んでみよう!に続く~




