北斎漫画⑤~ドワーフ街に住んでみた~
018_北斎漫画⑤~ドワーフ街に住んでみた~
【不動産窓口】
「北斎さん、引っ越しですかぁ?まだ1ヶ月経ってませんが……」
「一つ所にいられねぇ性分なんでぇ。次はドワーフ街の物件、アパートで頼むわ。」
「ですからぁ、北斎さんなら、一軒家借りられますって。」
「んー掃除もめんどくせぇ。三度の飯の仕度もめんどくせぇじゃぁねぇか!」
「ドワーフ街ではですねぇ。子供達がお小遣い稼ぎと仕事に慣れる為に、家の管理なんかをお手伝いしてくれますよぉ。ドワーフは子沢山ですので10歳ぐらいで一人立ちするもんなんですよぉ。」
「子供達?」
「ええ、北斎さんが一軒家借りてくださると子供達喜びそうなんですけどねぇ……無理ですか……そうですか。」
(断れねぇ……)
「……一軒家でいいっす。」
「ですよねぇ。そうですよねぇ!北斎に合った家を見繕って……あ!ありました。ドワーフ街の外れ、巨人街にも近い所にお手頃な物件が!獣人街のアパートの3倍のお家賃です!うわぁ。やっすぅい!安いですよぉ!」
「……そこでいいっす。」
「ありがとうございまッした!♪」
【ドワーフ街・外れの一軒家】
おおっここか!いいじゃねぇか。
ドワーフ街の外れは家も少しまばらになって空き地も多くなっていた。石畳の道はいつしか土の道に変わっていた。
「本所深川の外れみたいだねぇ。」
♢♢♢♢♢♢♢
【江戸本所深川】
職人長屋がびっしりと立ち並び、小商いの店が所々にある、下町の雰囲気が漂う職人街。
町の外れに行くにつれ少し寂しくはなるが、北斎には馴染みの光景であった。
♢♢♢♢♢♢
カーンカーン。
カーンカーン。
カーンカーン。
遠くから槌の音が聞こえてくる。
(あぁ、ドワーフ街を歩いてた時にアチコチの家から聞こえてた音だな。)
源内字引片手に家の中に入ってみる。
玄関を入ると直ぐにリビング、キッチン、ソファ?
厠にシャワー。湯桶もあるじゃねぇか!!
奥の部屋は?ってえと。
「仕事場じゃねえか?これ。」
火の入ってない炉に、鉄の箱。金槌や、わけのわからない道具がそのままになってる。
あの音はこれだったか!
職人長屋そのものだ。
「宝の山だ。」
さらさら
さらさら
「へぇ。おもしれぇ道具だ。レンチっていうのか。」
2階には小さなベッドルーム?が2つ。
主寝室と客室らしいぜ。
ジリジリーン。
ジリジリーン。
「何の音だ?」
「北斎さーん!いますかーー?不動産屋さんに紹介されてきましたーーー!ドワーフでーす!」
ドアベルの音だったらしい。
玄関先にはチビッ子が立っていた。
「おう!ドワーフのチビッ子か?いらっしゃい!」
「チビッ子じゃないぞーーー!俺、80センチあるぞー!子供ドワーフの中じゃーデカイ方だぞ!将来親方になれるって噂なんだぞーー!」
(センチ?字引っと。一尺は約30.3センチだな。)
「ほい!コレ読んでー!明日から仕事だー!アッチの家に住んでるから声かけてくれなー!」
ドワーフは1枚の紙を俺に渡すと、トコトコと走り出した。
この先にはポツンと一軒家が建っていた。
♢♢♢♢♢♢
【ドワーフチビッ子が残した紙】
・お掃除30アト
・お食事のお届け食事代+50アト
・魔道具作りのお手伝い300アト
・道案内10アト
『なんでもやるよー!声かけてねーー!』
♢♢♢♢♢♢
お、おう。明日からの暮らしが楽しくなりそうだ。
俺は2階から夕暮れの街を眺めながらそう感じていた。
「あ、晩飯無いじゃねぇか!」
早速、ドワーフ家に向かうとするか(笑)




