北斎漫画②~獣人街~
015_北斎漫画②~獣人街~
【獣人街】
すげぇな。洋風の建物がぎっしりと建っている。
俺は片っ端からスケッチして回る。
一つ一つの建物は同じように見えて、よぉく見ると個性があった。
白い石造りの建物もあれば、外壁がカラフルに塗られている建物もある。
ここは仕立て屋か?グレンが着ていた様な服がたくさん並んでいた。
【犬人の仕立て屋】
「ちょいといいかい?俺も新しい服が欲しいのだけど。」
「キモノ?!キモノですワン♪あ、失礼致しました興奮すると本能が……それは源内さんのキモノですね?服ですか……仕立てますか?量産品もありますけど。」
「量産品ってのを見せてくれ。」
「動き易いモノですとこちらですね。」
ズボンとシャツってんだな?
へぇ!ジーパンってのもあるんだ。
「お?これおもしれぇ形のズボンだな?」
「オーバーオールですね。動き易いですよ。」
さらさらさらさら
ここにある服を残らず描いてみる。
「お客様……お買い上げいただけるのでしょうか?」
「おう。そのオーバーオールってのとTシャツってのを買うぜ。着ていくんで着物は袋に入れてくれるか?」
「お支払いはギルドカードでよろしいですか?」
「いいと思う。よくわかんねぇんだよ。ギルドカードってのが(苦笑)」
ギルドカードを確認する犬人店主。
「これは!これは!失礼いたしましたワン!やり手の冒険者様でしたか!」
俺は店を出て大通りを色んなモノを描きながら走り回っていた。
珍しい花、珍しい建物、珍しい動物(字引によると地竜らしい。)馬車に乗った派手な服を着た人族。
見たことが無いものばかりだ。
「お前葛飾北斎という者ではないか?グレンから聞いてるぜ。とんでもない日本人がやってきたって。」
「お?」
「キモノ着てるって聞いていたんだが……その姿も似合ってるな。筆を持って走り回ってるニホンジンよ(笑)」
「グレンか(笑)アイツ顔がひれぇな。」
「冒険者の顔役だからな、引退してからも俺達冒険者を陰から支えてくれているよ。たまに一緒に素材採取行ってるんだ。俺は虎人冒険者のライガ。よろしくな。」
冒険者か。
虎の頭に人間の身体。
身につけているのは革鎧?筋肉に申し訳程度に引っかかってるだけじゃねぇか。 あれで防具を名乗っていいのか?いや、この冒険者は鎧が無くても肉体のほうは、そこらの鉄板よりよほど頑丈そうじゃねぇか。
顔と肩口に大きな傷。かっけえ。
(描いてみてぇ)
「ちょいと、ライガ、そこに立っててくんねぇか?」
「こうか?」
「剣を構えてくれ。そうだ。そして腕の筋肉に力を入れて、ぐいっと。そうそう!」
さらさら、さらさら
「出来たぜ。」
「これが俺か?」
「ああ、かっけぇだろ?この傷、次は後ろ姿も描かせてくれ。」
「まだやるのか……人が集まってきてるぜ。」
さらさらさらさら
このスケッチ大会はしばらく続いた。
集まって来た住民からは声援と拍手がなりやまない。
「うおーー!ライガかっけえぞ!」
「北斎?さんもすげぇぞ!もっとやれ!」
ライガが少し疲れた様子で北斎に話しかける。
「あのさ、今からグレンのところ行くんだけど一緒に来るか?」
「お?グレンか!挨拶しとかねぇとと思ってたんだ。行くぜ。」
二人は中央エリアへと歩きだした。




