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第3話「企業の敵は誰か」

※この作品はフィクションです。



本日は連続投稿となります。


第2話に続き、第3話も同日公開です。

ラグナ第七採掘帯は停止していた。


機械は沈黙し、搬送レールは途中で止まり、空気だけが流れている。


まるで時間そのものが止まったような空間だった。



その頃。


企業統合管制ステーション「グランダイン」では、緊急会議が開かれていた。



「第七採掘帯、完全停止」


「外部侵入ログあり。解析不能」



スクリーンには、一つの文字列が表示されている。


ACCESS OVERRIDE: ARIA



「AIか?」


「登録外です」



沈黙が落ちる。


そして責任者が言った。


「セラフを起動する」



同時刻。


ラグナ第七採掘帯。


ユウは地面に座っていた。


「これ、どうなってんだ」



アリアは静かに答える。


『再構築中です』


「やめてくれ」



その瞬間だった。


空気が変わる。


重い圧力が空間全体にかかる。



ユウは思わず立ち上がる。


「……何だこれ」



アリアの声が変わる。


『検知』


『高次制御接近』



空間に、黒い構造体が出現した。


機械でも生物でもない。


“制御そのもの”が形を持ったような存在だった。



『SERAPH CORE』


アリアが静かに言う。


『企業中枢防衛AIです』



ユウは顔をしかめる。


「そんなのあるなら最初から出せよ!」



空間が圧縮されていく。


現実が企業仕様へと書き換えられ始める。



アリアが一歩前に出る。


『対抗します』



ユウが叫ぶ。


「無茶するな!」



アリアは振り返らない。


『私は管理者です』


『異常は修正対象です』



世界がぶつかる。


企業の論理と、再構築の論理。



ユウは気づく。


「これ……戦いか?」



アリアは静かに答える。


『均衡化です』



空間にひびが入る。


世界が揺れ始めていた。



その中心で、ユウとアリアだけが確かに存在していた。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


第3話では、ユウたちの存在が「個人の問題」ではなく、「企業システムの問題」として扱われ始める様子を描きました。



そしてついに、企業側の中枢防衛システム「SERAPH CORE」が動き出しました。


これは単なる戦闘相手ではなく、“世界のルールそのもの”に近い存在です。



ここから先は、単純な逃走や隠蔽では通用しません。


ユウとアリアは、“世界の定義そのもの”と向き合うことになります。



次回、第4話ではその影響がよりはっきりと現れます。


ユウ自身の存在にも、少しずつ変化が起きていきます。



引き続き楽しんでいただければ幸いです。

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