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【67万PV感謝】大魔女ディケーの異世界百合な日々!~元アラサーの私が転生先で美女達からグイグイ迫られる件~  作者: 漁業フリーダム
第10部-4 いざ宮廷へ! スターレイム一家、スパイ大作戦!!

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第587話 深淵戦争の意外な真実!? うのみにしてはダメ、ダメ!

「邪教団……ですか。

 なるほど、大公家の宮廷内にそのような輩達が密かに暗躍しているのかもしれないのですね」

「そうなの。

 何とかシッポを掴んで、何か悪事を働く前に壊滅させたいんだけど……今のところは手掛かりらしいモノを見つけられてなくて……」




 肌触りの良い生地のスカート越しに、サラさんの膝枕を小一時間堪能した私は。

 午後のおやつの木の実のパイが焼けたというので、サラさんと連れ立って食堂に移動し、エレナお嬢様とキラリちゃんも交えて、一緒にもぐもぐタイムと相成った次第でしてえ……。




「邪教団というものには心当たりはありませんが……似たような組織には聞き覚えがあるかもです、魔女様」




 ーーーかつては魔女のように"スター観測者ゲイザー"を担っていたエルフなら、何か情報を持ってないかと思い、エレナお嬢様に伺ってみたトコロ……。




「深淵戦争の折にも何やら怪しげな集団が、異界の魔物の襲来の影で暗躍していたとか……。

 合成キメラ魔獣ビーストと呼ばれる、禁断の秘術を用いて誕生させた怪物達をアーメリア大陸のあちこちの拠点で生産していた、過激な思想に取り憑かれた魔術師の一派です」

「合成魔獣!

 この9年間で私も何体かと戦って倒してるけど……」




 ーーーよもや、パイを美味しそうにもぐもぐと頬張るエレナお嬢様の口から、その名が聞けるとは思わなかった。

 合成魔獣とその生みの親である魔術師の一派に関しては、レジェグラの設定資料集でもそんなに深く言及されてなかったから……実は私もほとんど実態が分かっていなかったりする。




「元々、合成魔獣は異界の魔物と戦わせるために生み出されたと聞いてるけど……」

「ええ、表向きは」

「表向き……?」




 ひっかかりを覚えた私が少し、怪訝な顔をすると。

 エレナお嬢様は、パイを頬張るのを一旦やめ、咀嚼そしゃくの後にゴクリと飲み込み、ナプキンで口元を優雅にぬぐうと。





「これは氏族長である父から聞かされたのですが……そもそも、異界のゲートをアーメリア大陸の各地に開いて、異界の魔物や魔将をこちらの世界に招き入れたのは、その魔術師の一派だとか」

「えっ、そうなの!?」





 深淵戦争の切っ掛けとなった、異界のゲートが開いての異界からの魔物の流入……その切っ掛けを作ったのは、合成魔獣を生み出した魔術師の一派!?




「合成魔獣は本来、魔術師の一派がアーメリア大陸を支配するための侵略兵器としての側面も持っていたとか。

 そして自分達が生み出した合成魔獣が、どれ程の強さなのか知るため……性能のチェックを兼ねて小規模の異界のゲートを開き、別世界から現れた魔物と戦わせる実験を行っていたようなのです。

 ……ところが、より強大な異界の魔物を呼ぼうとゲートの規模を大きくしすぎた結果、制御が効かなくなり……連鎖的にアーメリアの各地に異界のゲートが同時に開く事態に。

 ……それが深淵戦争の切っ掛けだとか」

「そ、そうだったのね……!」




 なんちゅー迷惑な話なのかしら!




「さすがに深淵戦争の発端となったのが自分達の狂った実験の結果だとは、世間的にもバツが悪いと思ったのか……『合成魔獣は異界の魔物と戦わせるための防衛手段として生み出した』と吹聴して回ったようですが……。

 結局、魔術師の一派は壊滅、各地の合成魔獣の生産工場も管理する人間がいなくなり、危険視した当時の人々や魔女様方により、破壊されたり封印されたりしたとか」

「そうだったんだ……」




 ……その当時の魔女って言うと、ディケー師匠マスターの現大魔女のテミスとか、ヒュプノとかよね……確か、ディケーはまだ生まれてなかった頃だわ。

 深淵戦争と合成魔獣、そんな繋がりがあったのかあ……ある意味、マッチポンプなコトやってたワケね、その連中。

 異界の魔物をこちらの世界に招き入れた原因を作ったのは自分達なのに、アーメリア侵略用だった合成魔獣に急遽、異界の魔物の相手をさせて、体裁を保とうとした……と。




「(いやそれ、だいぶサイテーでは?)」




 言わば、放火魔が火事の現場にしれっと戻ってきて、一緒に火消しを手伝ったようなもんじゃんね!? 火付けたの、オメーじゃろがい! っていう……。




『深淵戦争って、今から309年前の話だっけ?

 私はまだ生まれてなかったなー』

わたくしもです、キラリ様」




 エレナお嬢様の話に聞き入っていたキラリちゃんとサラさんが、共に相槌あいずちを打つように頷きあう。




「……しかし、さすがは氏族長様。

 当時のコトをよく御存知ですね、お嬢様」

「それがね、サラ。

 ……念のため戦時中、南の樹海の周辺に合成魔獣の生産工場がないか調べた時、まさに好立地の場所に新たな工場を作ろうとしていた魔術師の一人を縛り上げて、全部吐かせたって言ってたんだよね」

『おお』




 あらら、お若い頃の氏族長様って、結構荒っぽいのねえ……いやでも「指輪物語」のレゴラスとかも敵には容赦なかったし、戦争中なら、そんなものかしら?

 炎魔将のアグバログに続いて、合成魔獣に南の樹海を襲われても困るでしょうしね……ただでさえ、アグバログとの戦いでエルフの氏族は戦死者が続出したってハナシだし……生ぬるいコトやってられなかったワケね!




「(エルフの国に遊びに来て、思わぬ収穫があったわね……深淵戦争の発端となった、合成魔獣の生みの親である魔術師の一派……とっくに壊滅したそうだけど……大公家の宮廷内で暗躍しているかもしれない邪教団と、何か繋がりがあるのかしら……?)」




 エレナお嬢様の話を聞き終え、激ウマな木の実パイを頬張るのを再開させながら……ふと、そんなコトを思うディケーさんなのでした……。

 ん、ホントにこのパイ美味しいし、何切れかもらって帰って、ソロアちゃんとキャルさんのおみやげにしよう……。

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