二人のいたずら 昼食編
今話タイトルは「二人のいたずら 昼食編」です。
どんなことが起こるのでしょうか。
「おはようございまーす」
美樹と美樹の母がやってきた。朝の九時である。
「いらっしゃい。あら美樹ちゃん。今日も可愛いわね」
「ありがとうございます、小母様」
美樹は少し照れている。
「おはようございます、お母さん。美樹もおはよう」
「未来也様! お会いしたかったです。学校がないと、毎日顔を合わせることができなくて、美樹は寂しいです」
今日は余計な人がいないので、自分のことを「美樹」といっている。
「じゃあ、私たちはお昼ご飯を作りながら、お夕飯の準備もしてしまうから、お部屋で遊んでいてちょうだい」
二人の計画の合図だった。
「未来也様、呉葉さんと夕日さんのことですが……」
「どうした? 何かあったのか?」
美樹は、何か言い辛そうである。
「実は、昨日電話で――」
美樹は、昨日の電話の内容をだいたい端折らないで話した。
「――そんな話をしたのか。僕にも、一体なんの話しなのか見当もつかない。まあ、話してくれるって言うのだから待とうじゃないか」
「そうですね。気にしていても仕方ありませんし。やっぱり未来也様にお話できてよかったです」
美樹の表情は一気に明るくなって、
「みきやさまっ!」
とたんに甘えるような声になった。
二人は唇を重ね、いつも通り無音の会話を楽しんでいた。
「二人とも、お昼ご飯です……よ?」
いつも通り、未来也の母も美樹の母も、一瞬固まった。
昼食は、どこかのお土産で売っている木彫りのキーホルダーのような見事なフクロウの細工が施された大根が乗せられた、冷やし中華だった。ちなみに、この大根細工は、所要時間五分ほどで作った、二人の合作である。
「わあ! このフクロウ素敵です! カメラが欲しいところだわ!」
「そうかしら。そんなに喜んでくれるなら、もtっとちゃんと作ればよかったわね」
「ええ、そうね。次からは適当にやらないで、キチンと作りましょう」
ちなみに、ここにいる全員が大根が苦手なので、こんなことが出来るのである。
「これで適当って、どれくらいで作って……」
未来也は、普通ならば誰にも聞こえないくらいの声で呟いたのだが、料理のことになると、とたんにどんな些細な感想でも聞き逃さない二人が、ここにいた。
「ひとつで五分くらいよね」
「そうね。それくらいだったわね」
未来也と美樹は、食卓の下で手を取って、『二人でテレビの飾り切り王にでも出ればいいのに』と言い合っていたのだった。
いつも通りのお願いです。「五分でそんなことができるかー!」という真面目な突っ込みは心の中に留めておいてください。書きながら「そりゃないだろう」と冷静に切り刻んでいるので。
さて、今話はまた変なことが起こりましたね。(言わなきゃ誰も分からないことですが……。
ええと、ストラップからキーホルダーに変えました。
ストラップなんて代物は、たぶんまだ浸透していません。はい。
次話(予定)タイトルは「最終調整」です。
納葵邸へ行く最後の打ち合わせです。
2013年、連載作の最終投稿でした。よいお年を。2013.12.31 14:45




