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噂の動物屋敷  作者: 鵠っち
日常~動物屋敷へ~
26/50

呉葉ちゃん……

 今話タイトルは「呉葉ちゃん……」です。

 ややあって、いまだ午前十時。

「そろそろ帰らないと、家に着くのが夕方になってしまうので、これで失礼します」

 悠が帰った。

「悠さんの家って、そんなに遠かったの?」

「私の家のほうの駅から八つ? 行ったところから乗り換えて、さらに十駅くらい……だったと思います」

「……結構遠いところから来ていらしたのね。それにしても、夕方にはならないと思うのだけれど……」

 都会ならば、そうだろう。

「悠くんの家は、見渡す限りの田園風景なんです……」

 しかし、悠の家は田舎町だ。電車もバスも本数が少ない。だが、見渡す限りの、までではない。

「田舎……なのね」

 それ以上言うことができなかった。

「それで、呉葉さんと夕日さんは、どのくらいまでいられる?」

「今日は……もう帰ってるかな、呉葉」

「う~ん……? お電話をお借りしてもいいですか?」

「ええ、構わないわよ」

 呉葉は電話をかけることにした。

「…………」

 なかなか出ないようだ。呉葉は携帯ではない、別の番号にかけた。

「……あっ、姉さま? ……まだそちらに……はい……では夕方に着くように……では……はい、ごきげんよう。

 二時くらいまでお邪魔してもよろしいでしょうか?」

「ええ、いいわよ。じゃあ、お昼ご飯は呉葉さんのリクエストのおうどんにしましょうか」

 未来也の母は買い物に出かけた。


 しばらくして。

「ねえ、そんなに仲がいいなら、その……えっちなこととか、しないの?」

 呉葉はどうしても聞きたかったようだ。夕日は頭を抱えている。

「するはずがないでしょう。私の知ってる呉葉ちゃんって、そんなに下品な子だったかしら?」

 未来也の母が出かけたので、『わたくし』から『わたし』に戻っている。

「さっき、キスしてたじゃない」

「それってエッチなことか?」

「キスするんだったら、その先のことは求めないの?」

「その先ってなにかしら?」

「お互いに体中を触ったり?」

「それくらいなら、いつもしてるわ」

「……体中をなめ回してみたり?」

「それもたまにはするな」

「ゆ、ゆうひ~~~~!!」

 呉葉は落ち着きを失い、夕日の胸元に顔を隠してすすり泣いているようだ。

 夕日は、そんな呉葉の髪を優しく梳いている。

「……あなたたちも、他人(ひと)のことをとやかく言えないくらいには、ラブラブよね」

「……森さんから言わないであげて。こう見えて、呉葉って対抗心強いんだよ」

 どうでもいいことだが、夕日から美樹を呼ぶときは『森さん』のようだ。

「そうだったの……。それで? 夕日君は呉葉ちゃんのこと好きなんでしょ? 愛しているのではないの?」

「そうは言っても、姉弟だからね。いつかは他の人を探さなきゃいけない。法律的にも、倫理的にもそういう関係になっちゃいけないんだよ」

「世間体が悪いからならないほうがいいだけよ。私たちは軽蔑なんかしないわ。私だったら、耐えられそうにないもの」

「美樹ちゃんって優しいわね。今度までに、夕日とよく話し合ってみるわ」

 そのあと、未来也の母が帰ってくるまで、他愛のない雑談は続いた。

 呉葉のセリフ、「R15」設定でいいのだろうか?

 ダメそうだったら、活動報告『投稿二十九回目』までお知らせください。


 美樹が『自分がそうだったら耐えられないだろうから、軽蔑しない』と、呉葉と夕日のことを肯定していますが、あくまでも、美樹のセリフです。

 ぼくだったら、たぶん、否定はしないでしょうけど……。

 まあ、ぼくの知り合いにそういう人がいないから、こういうことを書けるんだと思います。


 次話(予定)タイトルは「呉葉の料理」です。

 お昼ごはんです。

 呉葉が夕日を拒む、数少ないこととは?2013.9.21 19:15

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