表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噂の動物屋敷  作者: 鵠っち
日常~動物屋敷へ~
24/50

寝起きの二人

 今話タイトルは「寝起きの二人」です。


 誰の寝起きでしょうか。

 翌朝。

「おはよう、夕日ちゃん」

「おはよう。呉葉ちゃん」

 五人の中では、呉葉と夕日が一番に目覚めたようだ。もっとも、夜遅くまで二人で恥ずかしいことを言い合っていたので眠たそうだが。

「ん~、眠い。……二人とも、おはよう」

 悠は、いつもより早く起きたため、少し眠たそうだ。それに、「夏休みは遅くまで寝ているもの」というのが悠の持論だ。

 呉葉と夕日、そして悠は、寝起きの未来也と美樹を見に行く、というドッキリを仕掛けるために早起きしたのである。

「そーっとよ、そーっと」

「分かってるよ、呉葉」

「あれ?」

 未来也の部屋の戸を開けたが、そこには誰もいなかった。

 ちょうど通りかかった未来也の母が、秘密(というほどでもないが)を教えてくれた。

「未来也と美樹さんの様子を見に行くのね? 美樹さんもお部屋はその奥なのよ。昼間は仕切りを仕舞っていたけどね」

 そう言って奥への入り方を教えてくれた。

 未来也と美樹は、お互いの手を取り合って寝ている。未来也はもう片方の手を美樹の背中に回している。

「あ……朝、よ?」

 呉葉の声がひっくり返っている。

「…………」

 夕日は言葉が出ないようだ。

「本当に一緒だ……」

 悠は驚きすぎて、声がかすれている。隣にいる夕日にさえきちんと聞き取れなかった。

「ん……? みきやしゃま、もうあしゃでしゅって」

 美樹は寝起きでなんだか舌が回っていない。

「ん……? もうあさか。美樹、おはよう」

「おはようございましゅ、みきやしゃま」

 そう言うと二人は、さらにきつい抱擁を交わした。

「今日も可愛い……美樹……」

「みきやしゃまも、きょおもかっこいいですよ?」

 そこで抱擁を解いた未来也と美樹は、いつの間にかみんなが見ていることに気付いた。

「……悠、呉葉に夕日? いつからそこにいたんだ?」

「朝をつ、告げたのは、あ、あたしよっ!」

 呉葉は焦っている。

 その隣で、悠と夕日は固まっている。

 と、その後ろから未来也の母が顔を覗かせた。

「やっぱり美樹さんは可愛いわね。早く未来也のお嫁さんになってちょうだいな。それとも、未来也が森家に婿入りするのでも全然問題なくてよ?」

「おはようございます、小母さま。結婚の話はまだ早いですと、何度も……」

「法律的には両親の同意があれば、未成年でも大丈夫……だったわよね?」

 自信がないので、呉葉と夕日に視線を向けた。

「そんなことを聞いたことがある……ような気がします」

 呉葉が首を傾げたので、夕日が答えることにした。そもそも、呉葉は夕日のことが大好きすぎる故に、姉弟では結婚ができないと知ったときから、結婚というものに興味がなかったりする。

「まあ、いいわ。本人たちにその気がないのに、何度も言うのは可哀相よね。

 ……今、朝ごはんの支度をしている最中だったわ。もうちょっと待っててね」

 未来也の母の口調が昨日と違う。そんなことを気にしているのは、もはや悠だけだった。

「さっきの舌っ足らずな美樹ちゃん、可愛かったな~」

 未来也の母が台所に戻って、真っ先に口を開いたのは呉葉だ。

「あぅぅ。恥ずかしいわ。あんなところを見られてしまって」

「未来也くんに見られても恥ずかしくないのに?」

 と、なぜか夕日が。昨晩の呉葉との話し合いが効いたのだが、そんなことは呉葉しか知らないのである。

「未来也様だから恥ずかしくないのです! あ・れ・は! あなたたちに見せるものではありません!」

 美樹は怒っている。

「ごめんごめん、って、未来也くんと美樹ちゃんは一緒に着替えるの?」

「そうだが? とりあえず出てくれないか?」

 呉葉と夕日、悠はおとなしく出て行った。

「美樹。とりあえず落ち着こうか」

 美樹はまだ少し、息が荒い。そして、今にも泣き出しそうな顔をしている。

「……みきやさま~!」

 美樹は甘えるように未来也の胸に顔をうずめると、とうとう泣き出してしまった。相当恥ずかしかった上に、最後に謝られたのが効いたようだ。

「よしよし。とりあえず着替えようか?」

 未来也は、優しく美樹の頭をなでる。そうしているうちに、美樹は落ち着きを取り戻したらしく、顔を上げて未来也の目を覗き込みながら頷く。

「はい、みきやさま。……すみません」

「謝ることではないさ。みんなが調子に乗りすぎなんだ。でも夕日がねぇ。……ちょっと以外だな」

「そうですね。呉葉さんならともかく、夕日さんがあんなことを言われるだなんて」

 ようやく未来也から離れた美樹は、今日の服を選び始める。

 未来也はその様子を眺めている。

「今日も可愛いよ、美樹」

 着替え終わった美樹に服のチョイスを褒めると、美樹は嬉しそうな顔をした。その表情を見てから、未来也も自分の服を選び始める。

「未来也様。今日もかっこいいです」

 美樹がうっとりとした表情で言うと、未来也も嬉しそうな顔をした。

「まあ! 美樹さん、今日も素敵よ! ってそれを言うのではなくって、朝ごはんの用意ができたから知らせに来たのよ」

「ありがとうございます。小母さまも素敵です。身なりを整えてから未来也様と参りますので、今しばらくのお待ちを、と皆様にもよろしくお願いします」

「あら、あなたたちに真っ先に知らせに来たから、そんなに心配しなくてもいいわよ。ゆっくり身支度してね」

 未来也の母は他の部屋にも朝食を伝えに言った。

 と、いうことで。

 言わずもがな、未来也と美樹の寝起きのことでした。美樹ちゃん、可愛く書けてましたでしょうか?


 こんな設定ありました。

・美樹は泣いてしまうくらいに、謝られるのが苦手。(美樹の家にて「悠の困惑」)

 分かりにくいかもしれないので、一応書いておくと、未来也くん(・・)、美樹ちゃん(・・・)なので、「ごめんごめん、~」は呉葉のセリフですね。


 また、2,100字超えました。一話分が長いです……。


 さて、次話(予定)タイトルは、「内緒話」です。

 今見た感じ、次話もなんか長いです。

 ええと、朝ごはんから悠が帰るちょっと前までの話です。(悠が帰るのは次々話)

 またおかしなことが起こりますが、未来也と美樹はそんな人たちです。2013.9.19 0:00

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ