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噂の動物屋敷  作者: 鵠っち
日常~動物屋敷へ~
17/50

永井家にて

 今話タイトルは「永井家にて」です。


 お昼のめにぅは……?

 永井家につくと、悠の母が出迎えてくれた。

「いらっしゃい。そろそろ来るころだろうと思ってたよ」

「初めまして。悠くんのクラスメートの加古未来也と森美樹です」

「初めまして、小母さま。森美樹といいます」

「私が悠の母親さ。

 二人のことは悠から聞いているよ。なんでも、ものすごくラブラブなカップルだそうじゃないか」

 未来也も美樹も、焦るどころか、顔を赤くすることすらしない。

「そんな、カップルだなんて。……ねぇ、未来也さん」

「そうだな。僕たち別に付き合ってるとかじゃないんですよ。幼馴染です」

 初めて会う悠の母以外、全員呆気にとられていた。

「美樹ちゃん? 今、『未来也さん』って……」

「おや? どうかしたのかい、呉葉ちゃん?

 美樹さんは随分と礼儀正しいお嬢さんじゃないか」

「でも、いつもは『キ……』」

「そんなことを言ったら、呉葉さんと夕日さんだって、十分にラブラブじゃないですか」

 夕日が言おうとしたことを遮って、美樹は無理やりに話の矛先を変えた。

「悠の話によると、納葵ちゃんとこよりもすごいって話だったが、そうか。

 じゃあ、ウチの悠はどうだい? 未来也くんと比べるとアレだが、見てくれは悪くないだろう?」

「見た目で選んでいるわけではありません。だけど、私には未来也さんだけですから」

 こんなことを恥ずかしげもなく言う美樹に、今度は悠の母も驚いている。

「あれ、でもこの間『何人に告白された』って張り合ってなかった?」

 夕日の疑問は当然のことのように思うが、二人とも気にしていない。

 ちなみに、悠の母は早くも驚きすぎて、感情の揺れが少なくなっている。

 これは、一学期の終業式の前日に大勢のクラスメートに目撃されていて、実は、中学生のときにも、何度か目撃報告がある。

「美樹は人気者だしな。中学二年のときだったか? 二週間で百回以上とかあったな」

「未来也さんだって、去年は一週間で五十回に届きそうだったじゃありませんか」

 ほとんどが言葉をなくしている中、一人口を開いたのは呉葉。

「ねえ夕日? あたしたちも今度やってみましょうよ」

「無理だよ呉葉。僕たちに声をかけてくる人自体、一週間で三十人くらいじゃないか」

 しばらく沈黙が続いたあと、悠の母が「お昼でもどうかね?」と言ったところで、重苦しい空気が幾分かやわらいだ。

「大したもんではないけど、これでいいかね?」

 そう言われて出されたのはうどん。涼を感じる盛り付けが施されている。

「っ! おいしい! お母さん、これは!?」

 呉葉の好物の一つがうどんである。このうどんは、そんな呉葉が今まで食べた中で、間違いなく一番である。

「そうか、呉葉ちゃんはうどん好きだったね。これはわたしが粉から挽いた(やった)うどんさ。やっぱり、違いが分かる人に食べてもらえるのは楽しいねぇ」

 ちなみに、永井家の周りはほとんどが農家であるため、なんでもいいものが手に入るが、永井家は農家ではない。

 余談だが、悠の母だけは美樹の「食べたことあるような……」という呟きが聞こえていた。

 今話は、悠の母と未来也、美樹の顔合わせでした。

 お昼のメニューは冷やしうどんですね。


 悠の母が聞き取った美樹の最後のセリフは、人間関係に関するちょっとした伏線です。あまり直接的ではありませんが……。


 え~っと、次話タイトルは、まだ決まっていません。

 どんなお話かというと、『動物屋敷』に着いちゃうお話です。

 見た感じ、結構長めです。(改行が多いだけかもしれませんが……)

 タイトルが決まり次第投稿したいと思います。2013.5.12 16:25

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