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噂の動物屋敷  作者: 鵠っち
日常~動物屋敷へ~
13/50

双子の計画

 今話タイトルは「双子の計画」です。

 さて、どんな計画なのでしょうか。


 今話、2,000文字を超えました!

 そして、全体の文字数が20,000文字を超えました!

 次の週のある日。学校。

「今日は呉葉ちゃんたちはお休み?」

 今日は納葵姉弟は音木邸に行っている。

「昨日、そんなことを言ってなかったっけ?」

「あら、悠くんは何か聞いていたの?」

 美樹からの呼び方が『悠くん』に変わったのはこの前の週の月曜日。

「なんか慣れないなぁ、その呼び方」

「美樹のことだから呼び捨てにはしないだろうけど。いろいろ分かってきたから、呼び方も変えてみたんだろう。

 で、話を戻そう。悠、納葵たちから何を聞いていたんだ?」

 未来也が軌道修正しなければ、そのまま話が逸れていたに違いない。

「そうそう。なんでも、今日はお母さんが昔お世話になった人のところに行くらしい」

「母親が昔世話になったからって、平日に子どもを連れて行くか? 普通」

「遠いんじゃないかな? 平日に出発して休日に着くとか」

「でも、明日は出てこられるんだろ?」

「う~ん……」

 答えが出ないと気付いて、三人はそれ以上考えるのをやめた。


 ちょうどそのころ。

「はっくしょん!」

 呉葉と夕日が揃ってくしゃみをした。

「どうしたの? 二人揃ってくしゃみなんかしちゃって」

「誰かが噂しているんでしょう。今日は平日ですからね」

「そうですお姉さま。そうに決まってます!」

「ふふっ、呉葉ちゃんと夕日ちゃんは本当に仲がいいわね」

「あうぅ、美樹さんたちには負けてしまいますぅ」

「あなたたちよりも仲良しさんだなんて、一度お会いしてみたいものね」

 家ではお母様と呼ぶが、外ではお姉さまと呼ぶようにしている。というのも、姉弟の母は三十一歳。普通は高校生の子どもがいる年ではないからだ。

「おや、納葵ちゃんじゃないか。ん? 二人も一緒だとは珍しいね」

 普段は『音子ちゃん』と呼ぶが、それだと拗ねてしまって話にならないので、今は自重することにした。

「っ! 永井さんですか。驚かさないでくださいよ」

「今度うちの愚息をつれて『屋敷』へ行くそうじゃないか」

「……そうらしいですね」

「ああ。今からものすごく楽しみなようだよ。そういや、私があの少年を見つけた三週間くらい前だね」

「永井さん、夕輝は、あのときはもう青年といえる年だったと思いますが……。それと、その日は私たちが出会った日です」

「おっと、そうだったかい。ちょうど記念日だったんだね。申し訳ない」

「謝らなくていいですよ……。そろそろ行きますけど、いつも通り、悠くんにはここに来たことは言わないでくださいね」

「おっけー。音子っちの頼みだ。引き受けちゃうよー」

 聞きたいことは聞いた、と言わんばかりに呼び方を『音子っち』に変え、音子が拗ね始めたのに満足したのか、さっさと家の中に入ってしまった。

 目的地はもうすぐだが、時間が少し早かったようだ。まだ音木の家が見えない。

 あたりを一周して時間を潰し、戻ってくると音木の家があった。

「那~子~。出てきて~」

 音子は入ると、いつも通り真っ先に那子を呼んだ。

「音~子っ! 久しぶりじゃない。元気だった?」

 久しぶり、といっても前に来たのはちょうど一週間前である。

 それにしても、何度見たって不気味である。音子の声音が突然変わるのだ。

「元気だったわ。(それより、ちょっとお願いがるの)」

「(なぁ~に? 改まっちゃって)」

「(今度、この子達のお友達がここに来るのよ)」

「(知ってる。あのおばさんの子でしょ? こないだそこを通ったわ)」

「(そのときに、この子達とは知らない振りをして欲しいの)」

「(なるほどね。お化け屋敷に来てお友達の家でしたー、なんて面白くないものね。それで、いつなの?)」

「(……夕輝が初めてここに来た日よ)」

「何ですって!」

 突然叫んだ那子に、呉葉と夕日は飛び上がった。

「ごめんごめん。(それで、なんでその日なのよ)」

「(私たちは楽しみにしてたけど、この子たちには言ってなかったし……。私が言わなかったのが悪かったわ)」

「(じゃ、じゃあ、……音子は来られないの?)」

 那子はやはり寂しそうだ。

「夜に来て泊まってあげる。(それで許して?)」

「(そういうことなら……しょうがないわね)

 と、いうことで、呉葉、夕日。当日は知らない振りをしてあげるわ」

「ありがとう、那子姉」

「でも、そのお友達が泊まってみようとか言い出したらどうするつもりなの?」

「大丈夫。手は打ってあるわ」

 実は、未来也には内緒で美樹に相談し、未来也の家で夕飯をご馳走になる算段がついている。あとは、美樹が未来也の家に連絡してくれれば万事オーケーだ。ちなみに、悠の母は電話で(あとで)説得することになっている。そして、美樹を懐柔したのは、なんと呉葉である。

「で、なんて言って未来也くんの家に向かうの? 突然言い出すのも不自然よ?」

「そこまで考えてなかったな。でも、美樹さんはよく回るから、いざとなったら何とかしてくれる……と思う」

「じゃあ、その未来也くんが言い出したとしたら?」

「ん~~、でもでも、未来也くんのご両親との約束を、あの子が反故にするとは考えにくいわ」

 考えたのは夕日だが、なんとも人任せな計画である。

 ……おい! とツッコミたくなりそうな計画でした。

 最終的にはなんとも人任せな……。


 この部分はこんな設定でした。

 今話『( ~ )」という部分がありますが、音子と那子の会話です。声に出さない……というか、体と思考を共有していますが、音子と那子が別々のことを考えることができます。


 次話こそ、年齢(学年)設定が変わったもうちょっと詳しい理由が出てくる……はず!(最近、自分でも分からなくなっています)


 そうそう、『永井さん』ってことは、そういうことです。偶然ではありません。

 そしてこの『永井さん』、実はあの人です。さて、誰なのかは……次話ですね。


 次話タイトル(予定)は「音子の訪問」です。

 永井さんと音子が重要なお話を……、は次々話? というより、最重要の設定はプロローグにありましたね。次話は復習回です。2013.3.27 0:40

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