学者、アリアに土下座しそうな勢いで感謝
一週間ぶりに研究棟へ戻ったヴァルノは、
まるで悟りを開いた僧侶のような眼差しでアリアの前に立った。
……いや、立つだけでは足りなかった。
ヴァルノ
「アリア嬢……!
あなたの改革は……っ、学問を……救う……!!」
勢い余って、
地面に片膝をつきかける。
アリア
「ちょっと! 土下座しようとしないで!
救われたのはあなたの生活でしょ」
しかしヴァルノは止まらない。
ヴァルノ
「いいえ、これは“革命”です!
睡眠・食事・姿勢――
この三本柱が、ここまで魔力精度を上げるとは……!
私は、私は……!」
両拳を震わせながら、
彼は新たな決意を高らかに宣言した。
ヴァルノ
「今後、私の研究テーマを
“魔力と生活習慣の相関”に変更します!!
徹夜の弊害を王国中に示し、
魔力学を正しい道へ導くために!!」
弟子たち
「せ、先生が……! また新しい論文を……!!
でも今回は健康的なやつだ……!」
アリアは額に手を当てて、ため息をつく。
アリア(心の声)
(……敵に回ると厄介そうだけど、
味方だと途端に超心強いタイプね、この人……)
ヴァルノ
「アリア嬢! あなたこそ、新時代の魔力健康学の祖!!」
アリア
「そんな学問、ないわよ!!」
だがこの日を境に、
研究棟では“徹夜禁止”の札が貼られ、
魔力学界に“健康ブーム”が巻き起こることになる――。




