学者、病床でも研究しようとして阻止される
ヴァルノはふかふかの寝具に沈められ、
完全に“強制入院”の状態となった――はずだった。
……が。
アリアが目を離した一秒の隙に、
布団の中からもぞもぞと手が伸びる。
ヴァルノ
「……データだけ……データだけ取らせて……」
(白目をむきながら、枕元のノートを手探り)
アリア
「やめなさいって言ってるでしょ!!」
ノートは即座にアリアの手に奪われた。
アリア
「あなた、今それ開いたら、魔力暴走してほんとに死ぬわよ!?」
ヴァルノ
「し……死……?」
(ふらふら)
アリア
「そうよ!
寝不足・脱水・栄養欠損の三コンボは、
“魔力暴走の三大死因”なの!!」
ヴァルノ
「で、でも……研究は……永遠……」
(すでに魂が抜けかけている)
アリア
「あなたの寿命は有限なの!!
死んだら研究も終わりよ!」
その言葉に、隣で見ていた弟子たちがついに泣きつく。
弟子A
「先生、お願いですから休んでください……!
このままじゃ本当に倒れます!!」
弟子B
「原稿も……燃えてますし!!」
ヴァルノ
「……なん……だと……!?」
その瞬間だけ、
さっきまでの死人みたいな目がカッと見開かれる。
アリア
「目覚めるポイントそこ!?!?!?」
弟子B
「実験中の火花で半分焦げちゃって……」
ヴァルノ
「原稿ォォォォ!!!」
(ベッドの上で急に元気になる)
アリア
「だから寝ろって言ってるのよ!!」
そしてアリアは、
暴れ始めたヴァルノを再びベッドに押し戻し、
ブランケットでミノムシのように巻いた。
完全包囲。
アリア
「これで動けないでしょ。強制休息よ!」
ヴァルノ
「むぐぅ……研究……原稿……」
ルチア
「お嬢様、すでに“病院の怖い先生”みたいです……」
アリア
「倒れるよりましでしょ!!」
こうして、徹夜学者の逃亡(研究)を阻止しつつ、
アリアの“命を守る健康指導”は続くのであった。




