アリアが魔力状態をチェック → 針が振り切れる
ヴァルノを研究棟の隅の仮診察室へ運び込むと、
アリアは即座に彼の手首をとり、魔力状態の確認を始めた。
触れた瞬間――
アリアの顔が強張る。
「……っ。魔力の流れが……泥水みたいに淀んでるわ!」
背中は丸まり、筋は硬直し、
魔力の通り道がすべて絡まり合っている感覚。
ルチアは慌てて魔力計測器を起動させた。
「お嬢様、計測を――」
次の瞬間、針がビュンッ!と跳ね上がり――
そのままメーターの端を突き破りそうな勢いで振り切れた。
ビーーーーーーーンッッ!!(MAX振り切り)
アリア
「えっ……ちょっと……!?
計測器ってこんな音出せるの!?」
ルチア
「お嬢様、針がッ……針が限界突破してます!!!
これ、暴走一歩手前どころか……“すでに暴走の予備動作”です!!」
アリアはヴァルノの額に手を当て、さらに顔をしかめる。
「どうして生きてるの、あなた……!?
これもう、魔力が喧嘩してる状態よ!!」
ヴァルノは、相変わらず半分寝ながらぼそりとつぶやく。
ヴァルノ
「研究が……佳境で……
あと少しで……理論が……完成……」
そう言った直後――
がくん、と糸が切れたように崩れ落ちた。
アリア
「だから寝なさいって言ってるでしょ!!」
彼女はそのままヴァルノを抱え起こし、
ルチアに目配せする。
「ルチア、ベッド! 水! 毛布!
緊急の生活習慣救護よ!!」
ルチア
「はいっ!!」
こうして、徹夜学者ヴァルノは
アリアによって強制的に寝かしつけられ――
そのまま運び出されるのであった。




