火魔法の軌道テスト → 結果が一目瞭然
その場の空気が、ぴんと張り詰めた。
ガロスは腕を軽く回し、ぐっと前に構える。
――まさか、こんな軽い動きが自分にできるとは。
彼の表情には、信じたくない驚きがにじんでいる。
ガロス
「フンッ!! 《火撃》――」
ごう、と火柱が走った。
その軌道は弧を描かず、
蛇行もせず、
ただ一直線に、まっすぐ前へ。
ガロス
「……ん? 軌道が……真っすぐ?」
騎士たちの目が丸くなる。
騎士A
「えっ……?」
「いつもの“5度ズレ”がない……!」
騎士B
「いやそれどころか……めちゃくちゃ安定してる……!」
ルチアは計測器を食い入るように見つめ、叫ぶ。
ルチア
「すごい……!
肩と腰の可動域が広がったことで、
魔力の流れが完全に一直線になってます!」
アリアは腕を組んで、どや顔。
アリア
「だから言ったでしょ。
**“根性より姿勢とバランスが勝つ”**って。」
ガロスは火の余韻が残る手を見つめ、
信じられないというように開閉させる。
ガロス
「むむむ……認めたくはないが……
これは……良い……! 実に良い!!」
騎士たち
「騎士長が……素直に褒めた……!?」
「世界は今日も平和だ……!」
ガロスの目は、完全に少年のそれだった。
新しい力を手に入れたことへの純粋な喜び。
そしてアリアは満足げに微笑む。
アリア
「さてガロスさん。
次は“走り方”も直しましょうか。」
ガロス
「お、お願いだから今日は勘弁してくれ……!」




