高品質な少量甘味へのシフトで和解
シャルロッテは、先ほどまで宝物のように抱えていた
ゼリー、タルト、キャンディーの山をくるりと振り返り見据えると、
ぱん、と両手を合わせた。
シャルロッテ
「――決めましたわ!
この“大量生産の甘味山脈”は、今日で卒業しますの!」
宣言と同時に、彼女は箱を抱えてメイドたちの方へ向かう。
シャルロッテ
「皆さま、よろしければどうぞ!
ええ、遠慮なさらなくていいんですの。
わたくし、これからは職人が心を込めて作った最高品質スイーツしか食べませんもの!」
メイドたち
「い、いいんですか!?
きゃ、シャルロッテ様太っ腹……!」
廊下のあちこちで喜びの声があがり、
甘味の箱はみるみるうちに配られていった。
アリアはその様子を眺めながら、
肩を落とすでもなく、ただ苦笑いを浮かべる。
アリア
「……まぁ、方向性は間違ってないわね。
うん。たぶん。」
シャルロッテはくるりと振り返り、
スカートを優雅に揺らしながらアリアの前へ戻ってくる。
シャルロッテ
「アリア嬢。あなたの改革……
最初はなんて味気ないのかと思いましたけれど……」
アリア
「正直ね。」
シャルロッテ
「でも今はわかりますわ。
これは“美味しさの格”すら底上げする革命!
甘味の未来を変える一大改革ですわ!!」
アリア
「……褒めてるのかしら、それ?」
シャルロッテ
「もちろん褒めていますわ! 最高に!」
アリアは思わず笑みをこぼす。
アリア
「そ。ならいいけど。」
二人は互いに冗談めかしい視線を交わしながら、
ほんの少し距離が縮まった。
王城の空気は、
甘味とスープの香りが混ざり合いながら、
どこか柔らかく温かかった。




