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48歳からの大人バレエ ~うちのママに天才バレリーナが憑依しちゃいました~  作者: 明けの明星


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初めてのアダージオ レッスン開始2

いよいよ実技のレッスン開始です

「真理ちゃん、先に行ってあげて」

といずみ先生の声がした。


ちょうど、アダージオレッスンが始まったところ、アラベスクからパンシェを男性ダンサーにサポートしてもらいながらやってみるのだ。


康太先生と、小西大河がサポートを務める。

2組に分かれる生徒たち。


すんなりと半数になったものの、誰が先頭になるかで一瞬のためらいがあった。

康太先生のほうは、しのぶがさっと先頭に立ち問題なく列ができていたのだが。

大河の前には数人が固まって立ちつくしている。


それを見たいずみ先生が、

「真理ちゃん」

と真理(エリゼ)に声をかけたのだった。

大河と真理ならば職場の同僚ということもあり、気兼ねなく先頭に指名できるからだ。


そんな真理(エリゼ)も皆がためらっている以上、自分が先頭にという気持ちが心をよぎったのだが、

真理本人の遠慮と、エリゼのこういう時は成績順という長年の習慣のため出遅れていたのだ。


いずみ先生に言われて、動こうとしと真理(エリゼ)の前を人影が遮った。

いや、いずみ先生が声をかける直前に、真由子がさっと先頭の位置にいたのだ。


「あら、代わるわ」

と真由子がいずみ先生の声を聞いて言う、その顔は少しばかり不満気だ。


「もう並んじゃんたのね、ではそのままでいいわ」

といずみ先生が気まずそうに言った。


スタジオの中央に、康太先生と大河が立っている。

その後ろには、数人ずつその日の受講者が並んでいる。


まずは康太先生が見本を見せてくれるようだ。

音楽が流れ始める、ゆっくりとした静かな曲だ。


康太先生は先頭にいるしのぶの手を取り、数歩前に歩く。

そして、しのぶは両足でポアント立になるとその両手を上げ、丸い形を作る。

その時、康太先生は、しのぶのウエストに手を添えている。


両足でポアント立ちをしているが、足は5番の形だ。

そして、しのぶはそのまま、左足をうしろにのばしアラベスクのポーズをとる。

右手を前に、そして左手を横に開く。


しのぶの脚は、きれいに90度の角度まで上がっており、背中の湾曲も美しいお手本の様なアラベスクだ。

そして、そのまま身体をゆっくりと倒してゆき、それに伴いあげている脚をもっと高く上げてゆき、パンシェのポーズをとる。

ポアントで立ったままだから、ぐらついたりもしそうだが、そこは康太先生がしっかりと支えている。

しのぶはふらつくこともなく、静かに足を下しまた両足立ちのポーズに戻った。


そこで、康太先生はしのぶから一歩離れ、しのぶもポアント立ちの脚をおろして、二三歩歩き互康太先生に向かいレヴァランスをした。


ここまでが、アラベスク、パンシェの一連の流れの様だ。


「さあ、やってみましょう」

といずみ先生が言う。


先程は「お手本」だったのでしのぶはもう一度康太の横に立つ、そして真由子が背筋をのばし大河の隣でスタンバイをした。


ゆっくりと静かな音楽が再び流れはじめ、大河も康太先生と同じように、真由子の手を取り数歩進む。

そして、先ほどのお手本と同じように、両足でポアント立ちする真由子のウエストに手を添えながら、

アラベスクでバランスを崩さないようにサポートする大河。


真由子はと言うと、いつもと勝手が違うようで両足てポアント立ちするだけで、少しふらついた。

そしてアラベスクにしようと左足を後ろの伸ばすと、増々ぐらつきが酷くなる。


大河はしっかりと真由子のウエストを押さえ、バランスを保つがついに耐え切れず真由子がポアント立ちを止めて足を下した。

ポアントで立っていることが出来ず「落ちて」しまうのだ。


「真由子ちゃん、立たなくていいわ」

とその様子を見ていたいずみ先生が言う。


となりのしのぶは、ちゃんとポアント立ちのままだ、その様子をチラ見している真由子だったが、

ここはいずみ先生の指示に従った。


それからのアラベスクからパンシェ、あまり足は上がらないが大河のサポートにより、ふらつくこともなくやりきることが出来た。

そして、大河に手を取られて最後のポーズをとる真由子、なかなか余裕の笑顔だ。


次は真理(エリゼ)の番だ。

大河が、真理(エリゼ)の手を取る。

いつも身近にいる大河だが、こんなに側にいるのは初めてだ。

少しばかり鼓動がはやくなるのはエリゼ。

しかし、そんな動揺を感じさせることもなく、優雅に歩く真理(エリゼ)。

エリゼが幼い頃から叩き込まれてきたバレリーナの歩き方だ。


そして、ポアントアップ、それからアラベスク。

もちろん、真理の身体は関節も硬く足は高くは上がらない。

それでも、つま先を伸ばせるだけ伸ばし、丁寧に重心を移動させて、手の動きもしなやかだ。

大河もスムーズにサポートをしている。


そして、パンシェ。

これも180度とは程遠いし、背中を弓のように反らせることも出来ていない。

それでも、優雅な手の動きは十分に足の動きをカバーしていた。

そして、最後まで丁寧にポーズをとり、真理(エリゼ)の番は終わりになった。


大河の方を向き、レヴァランスをする真理(エリゼ)。

足が高く上がらうわけでも、背中がピカ一綺麗なわけでもないのだが、大河にも隣にいた康太先生にも何かが印象に残ったようだ。

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