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7/12

:電車のなか

春は電車のなかが混んでる気がする。新入生、新入社員、新しいバイト先に慣れない乗り換え。駅で待つときにしても、電車のなかにしても、どのあたりを自分の居場所にできるか、まだそのあたりはさぐり合い。といっても、そこには先にいる者の存在だって。学校、会社、家庭。組織のなかだけのことじゃあない。駅でも、車内でも、自分の居場所を確保していかないとならないなんて。気が休まらないよ。まったくねえ。やれやれ。


でも日が経つごとにだんだんと学校や会社、アルバイトに行かなくなる者たちが出てきて、ホームにしても電車のなかにしても空いていく。


なんてことをふわっと頭にのぼらせていたら前にいる女子高生が軽く茶色がかった長い髪をぶわっとやる。真後ろにいた俺の視界を気味悪くジャマしてきやがった。馬鹿か。モロ顔にばささってなったじゃあないかよ。まったくこの無礼者が。


なんて一瞬イラッとしたけれど…


へいきへいき、ぜんぜんへいき。意外とシャンプーの香りがふわあってもんでもないんだねえ。女子高生に対しての勝手なイメージだったか。一年生なのかねえ。まあ、慣れてないんだろう、電車のなかでの振る舞いというものに。無礼なのもしかたない。俺もそれくらいの年のころは無礼だったさ。そもそも振る舞いだなんて何も知らなかった。


はあ、俺も年をとったもんだ。





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