28話_魔力研究所(後編)
投稿が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。
次回は早めに投稿できるよう、努めます!
魔動モーターの大爆発を受け、魔力の流れる先(マイナス極)を作成し、モーター内部の魔導線を、魔導率が高い金属を少量混ぜる、などの改造を施した。
結果、魔力の流れがスムーズに行われる様になり、安定して回転する様になった。
因みに、大爆発を起こした機構は、外装をアルミ合金にしプロペラ部分に鋼鉄の弾を差し込む事で、銃の弾として利用できる事が確認された。
「うむ...良い出来だ。だが、金属同士が擦れる事で摩擦が生じ、脆くなっている。...こんな風に、な!」
サナは、おもむろにプロペラへ手で触れると、上方向に力を加える。すると、曲がるストローの様に、金属の軋む音を響かせながら、いとも簡単に曲がってしまった。ーーーただし、曲がった理由としては、金属が熱されていた、と言うよりサナの力により曲がったと言えよう。本人は気がついていないがーーー
「な! 本当ですね」
「あれじゃ、使い物にならないなぁ」
「...あれ、蛇神様の力が強いだけーーー」
「まだまだ研究が必要ですね!」
各々の感想を漏らしつつ、石版へと何かをメモして、各々実験室へと帰って行った。
サナはプロペラを元の位置に(力技で)戻し、4つある格納庫の2つめへと入る。
そこには、石製の看板が1つ立っており“ごようのさいは ちかにいます”と彫られていた。
その看板を見たサナは、格納庫の隅にあるハッチを《マジックハンド》で開け、地下へと降りて行く。
「ハ号3番弾、試射よーい...てー!」
ダンッダンッダンッ
出口が見えると、掛け声の後に少し高めの発砲音と、薬莢が落ちて跳ねる音が聞こえてくる。
「...順調そうだな」
「蛇神様! た、ただ今最終調整中でしゅっ!」
「うむ、そう緊張する必要など無い。もっと楽にするがいい...して、どうだ?魔導銃の具合は」
「はい! 見ていただいた方が早いかと思いますので、こちらへ」
そう言った男の子は、ガチガチに緊張した様子で、地下実験場の中央に設置された銃の近くまで案内した。
「弾倉は箱型にし、蛇神様特製のバネを使用した結果、確かに装填速度は上がりました。ただ、問題がありまし...てッ!」
説明途中で、銃を設置してある台から取り外した男の子は、とても重そうにサナへと差し出す。
現在、各種部品の大きさを小型化しようと練習したりしているが、帝国に帰って来てから、サナは引っ張りダコ状態である為、全く進んでいないのであった。
「重くて、取り回しが悪いというのは、理解しているのだがな。....部品の小型化と、量産体制を整えるのに少し時間がかかっていてな。第1格納庫の連中が、魔力による回転運動の制御に成功したら一気に捗る...筈だ。それに、コレを撃つのは兵隊だけだからな。多少重い方が訓練にはなるだろう」
かくして、史上初の魔力暴発を使用した、遠距離攻撃武器が完成したのであった。
サナが、銃の試射を行い、その威力と発砲音にウットリしていると、実験場に隣接している調整室の扉が開き、中から石のタイヤが付いた台座に繋がった砲塔が出てきた。
「蛇神様のご要望通り作成しました! 試射をごらんされますか?」
「うむ。...確かによく出来ているな。私が試射しても?」
「ええ、もちろんですよ」
そう聞くと、砲塔に下腹部から入り、側に置いてあった約10cmの砲弾を装填する。
「撃ち方よーい!...」
周りにいる研究員達は、全員耳を塞ぎ口を開ける。
「てぇーっ!」
サナが掛け声と共に引き金を引くと、ドゴンというカミナリが落ちた様な発砲音の直後、砲弾は目標に直撃し、厚さ30cmの鉄板中央を貫通。そのまま壁にめり込んで、震度4の地震と同等の揺れを起こした。
「...中々、痺れるじゃぁないか」
「......近距離なら問題ないのですが、遠距離はどうしても試しようが無くてですね...」
『...それなら心配要らんぞ。この後採掘班を引っ張って、格納庫と研究所に繋がる道路を外まで延伸するからな。外に出たら、有効射程と最大射程を計測できる筈だ』
「また後で」と言い残し、サナは2つ目の格納庫を後にする。
3つ目の格納庫に入ろうとしたところで、絹を裂く様な悲鳴と共に、格納庫の窓(ガラス無し)から炎が吹き出す。何事かと慌てて扉を開くと、格納庫内に強い勢いで空気が吸い込まれた。
「ぐっ、おい! 大丈夫か!」
「うぅ〜...」
「その声は...蛇神様...」
「...どうにか、全員生きています」
格納庫中央の床には、円状によく分からない文字が書かれており、その四方にセラミック製の通行止めブロックの様な物が、バリケード代わりに置かれている。見回すと、バリケードの外側に全員寝そべっているので、取り敢えず負傷者はいない様だ。
「全く、どうやったらあんな火炎を出せるんだ...」
「ははは...最初は全然小さかったんですけど、流入魔力量を多くしたら、その分火が大きくなってしまって...」
「はぁー、まぁ、安全である事を最優先するなら、いいんだが...それで、見る限りアレは役に立っていそうだな」
「はい! まさか文字で魔法を制御する事ができるなんて、思ってもいませんでした」
サナ一行が村から帰る道中に、キクレが見つけた魔吸晶の下に書かれていた魔法陣。
それを、何とか思い出して石版に書き起こした物を渡してあった。
「解読を丸投げして悪いな。周る所や点検する場所が多くてな...」
「いえいえ、こうして蛇神様のお役に立てるのですから、私達としては有り難いですよ。それに、仕事も楽しいですし!」
「はは、楽しいのはいいが、くれぐれも怪我人を出さぬ様にな」
「えへへ〜」と苦笑いする彼女に、一抹の不安を感じるが、時間が惜しいので他の者にも注意を促すだけで3つ目の格納庫を後にした。
そのままサナは、4つ目の格納庫には入らず街へと向かう。4つ目の格納庫は現在サナ専用になっており、個人で実験したりするのに使っていた。
街に入ると、皆活気があり忙しなくしている。が...
「おぉ、蛇神様がお越しよ!」
「ほら!道を空けな!」
「何と美しい...」
街を歩くだけで、1人大名行列の様に、道が自ずと空けられ、両脇に寄った者達は全員正座して此方を見るという、まるでファッションショーかストリップショー(周りも自分も大事な場所しか隠していない為)をしている気分であった。
自分が居ては、おちおち買い物も出来ないだろうと、足早に街を抜けて環状洞窟まで出る。
「お勤めご苦労」
「はっ!蛇神様直々に来られるとは、嬉しい限りであります!」
「変わった事はあったか?」
「いえ!今のところは...」
問題ない、と言いかけたところで、ボス部屋方面から駆け寄ってくる子が居た。
「! ちょうど良いところに! 蛇神様っ!人間です! 人間が来ました!」
最後までお読みいただき、ありがとうございます。




