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自由な蛇神  作者: ホニャ二ティ
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25話_報告会後編

大変お待たせ致しました。


とはいえ、待っている人が居るのか...


今後ともよろしくお願いいたします。

ミシが報告を終え、一歩後ろに下がる。その表情は、学校で先生に当てられて、発言した後の様に、安堵しているのが見て取れる。サナはその様子を見ながら、苦笑いを浮かべつつミサへと視線を向ける。


「んっん、お帰りなさいませ蛇神様。それでは、私からは延棒生産に関してご報告させていただきます。とはいえ、総計の本数は先程報告致しましたので、その内訳を、300本は蛇神様がお造りになった延棒と同じ物を作りました。残り200本なのですが、様々な種類があるので後ほど、一種類につき一本をお持ち致しますので、講評していただけると有難いのですが。」

「うむ。良かろう、お前達が何を考えて試作品を作ったのか楽しみにしておるぞ。」


ミサからの報告は、あらかじめ練習していたのかと言うぐらいスムーズに終わった。


「蛇神様、お帰りなさいませ。武器の生産は順調...とは言いがたいです。」

「ほう、何か問題が?」

「ええ、まず其々の兵に合う武器を作るために、試しに作っては振って貰い、その時の要望に添えてもう一度加工する、という事をやっているので、そこそこ時間が掛かっているのです。」


コウカは、どうやら1人1人に合った最高の武器を作成しようとしているらしい。しかし、それでは人手も時間も足りなくなるのは必然だろう。


「コウカよ、確かに其々の兵達に見合った武器を作成すれば、戦力は大幅に伸びるし、お前達にとっても良い経験になるだろう。だが、それでは今以上に兵の人数や、狩に出る者の人数が増えたら、今以上に生産性が落ちる。分かるな?」

「はい、私がもっと早く武器を作成する事が出来れば良かったのですが...」

「そうだな...それも一つの解決法ではある。が!もっと良い方法がある。この方法で武器を生産すれば使用者も満足する事間違い無し!それに、武器を作成する者達にとっても良い修行となるでしょう...その方法が知りたいか?」


前世のテレビショッピングや、インターネットの動画投稿サイトで流れるcmよろしく、サナはコウカに問いかける。コウカは、見た目相応の期待の眼差しでサナを見つめてコクコクと頷く。


「よろしい!その方法とは、基本となる武器を各種類1つ作る。例えば、私が見本に作った物が有るだろう?アレを基本とし、同じ物を大量に作るのだ。そして、武器の使用者が基本の武器に慣れ、もっと斬れ味の良いものが欲しいとか、持ち手がもう少し長い物が良いとか言ったら、その者に合う武器を作ってやると良い。同じ武器を何度も作っていれば、魔力の制御に磨きがかかるし、使用者も[最初に渡される基本の武器]を使いこなせれば、自分に合った武器を作ってくれるというので、気合を入れるだろう。」

「おぉ、なるほど。さすが蛇神様です!戻り次第皆に知らせます。」


改善策を聞いたコウカは、瞳を輝かせながらお辞儀をした。これにて、留守番していた子達の報告は終了した。



「皆、私が居ない間、よく自分で考え行動してくれた。例えそれで失敗して居ても、次に同じ失敗を繰り返さなければ、失敗した事こそが成功といえよう。さて、外に出た我々の収穫を報告と、今後何をするか話そう。」


そういうとサナは、先ず外に村があり、そこに住む者と交易を行う事を話した。


「人間と物の交換を行うのですか?」


コウカが真っ先に反応して、最初に人間と対峙した時の印象が強いのか、心配そうな表情をサナへと向ける。それを見てサナは嘲笑う。


「安心するが良い。村に住む大人は、ナキが魔法を教えている子らよりも弱く脆い。彼らからは、今の人間の技術力や情勢などの情報を得るつもりだ。その副産物として、物品の交換を行うのだ。何処の世も、情報は多く持つ者が有利だからな。」

「なるほど!さすがは!我らが蛇神様!です!」

「その様なお考えがお有りとは...分かりました。ですが、くれぐれもお気をつけ下さい。いつ切り掛かっきてもおかしくないのですから。」


コウカは、先の話を聞いてもあまり良い顔はしなかった。それでも、とりあえずは納得したという顔をしていた。マッチはビルダーポーズを取りながら、サナを持ち上げており、その瞳には、「我らが蛇神様が人間如きに負けるはずがない。」と写っていた。


「話が逸れたな、彼らと取引をする時に必要になる物は、コウカの所で作ってもらう。よってコウカには、武器以外を作る班を2つ新たに作ってくれ。防具を作る班と生活用品を作る班の2つで頼む。詳しくはまた後で話をする。」

「はい。」

「後は、持ち帰って来た荷物に多少の食料と植物の苗があるはずだ。植物の苗は、街を拡張して栽培場を作る予定だから、そこに植える。それにより、新しく農業を任せる事ができる者を選抜する。後は、国名に関してだが...」

「我々一族の名前を国の名前にしてみたのです!凄くいい響きですよね。」

「む、うむ。まぁ、そのなんだ。」


前に立っているみんなの目から、キラキラとした光の粒子が飛んで来ているのではないか、と思えるほどに目を輝かせながら此方を見ている。その目には、褒めて欲しいと書かれているのが分かるが...前世の記憶では、日本ではその昔、国の名前を苗字として使っていた時期があったと記憶している。(鼠蛇(国)のコウカと申す。など)

それを踏まえると、別に国名を新しくする必要もないのでは無いかと思えてくる。


「...い、いい名前だと思っただけだ。」


褒めて欲しそうにしている子供に、悪さをした訳でもないのに叱ったり、否定したりするのは良くない(精神年齢は、子供と言うには些か老けて居るが)、そう思いつい肯定してしまった。


何はともあれ、これからやる事が決まり、手始めとして、農場作成の為に大規模工事を行う事になった。



「そこ!天井の固め方が緩い!こんなんじゃ直ぐに崩れるぞ!」

「はい!」

「お前!土の混ぜ方が丁寧だな!その調子で丁寧に混ぜろ!」

「はい!」


報告会から1時間後、本殿から後ろ(出入り口とは反対方向)に街の入り口から本殿までの距離、その2倍の直径を持つ農地を作成するため、現在、採掘班から4割、武器作成班から3割、本殿勤務班から3割の人員を集い、サナ指揮の下急ピッチで進められていた。


「陛下、魔導線の敷設並びに魔光晶設置は、街の半分まで完了しました。現在、怪我人は居りませんが、魔力不足で工事は一時中断しております」

「ふむ、この短時間で半分できれば重畳。魔力が全回復するまでゆっくり休ませてやれ。」

「はっ!ありがとうございます!」


農地作成に伴い、植物の成長に必要な太陽光の確保を、魔光晶による光で代用するため、街の中に魔導線を引き、農場までつなげることにした。この作業に、同時進行で街灯の設置を心見ている。

街灯(灯籠の形をしている)の台は武器作成班が作り、魔光球(電球の形に魔光晶を加工したver)とソケット(魔光球を嵌める穴)、魔導線の埋設作業は本殿勤務の子達に仕事を割り振った。


ちなみに、本殿に居る子達は、他の子等より魔力量が多く、魔力の制御も中々の者達が揃っている。そんな彼らは優秀で、作り方と注意事項を説明すると、テキパキと作成を始めて、報告がくる頃には、街灯用の魔光球セットは全て作り終え、魔光球セットを作成していた子達は現在、室内用を作成してくれている。



農地作成が終わり、街には灯籠の灯りがうっすらと灯り、光の強さから、外はまだ夜だという事が分かる。

農地に使用する土地の天井も、街と同じ様にドーム状にしており、将来的には、天井とダンジョン外に小粒の魔光晶を埋め込み、日の傾きや光量のムラを演出できればと思っている。それが実現するまでは、天井には蛍光灯(魔光球の蛍光灯ver)を自ら設置してあり、そこそこの光量を確保している。


「皆、夜間の作業ご苦労であった。種が芽を出すまでには、まだまだ時間がかかるだろう。今日はここまでにして、自宅でゆっくりくつろいでくれ。」


そうして、農地での解散となり、各々自分たちの家へと帰って行き、農地作成はひと段落ついたのであった。


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