54~あきた~
お読みいただきありがとうございます。
居眠り女主人公、飽きてきております。
まだ蛍狩りやってます。
寝て起きたら二日経ってた。
わかっているのよ。魔力を使うと眠くなる。
この体質どうにかならないのだろうか。
魔力を全部使えば魔力総数が増えるっていうけど、私の場合はもうそれもないが、一割も使ってないのに眠くなるってどういう体質なのよ。
しかも眠りが長い。
そろそろ蛍狩りも終わっていいとおもうのだけどな・・・
「帰っちゃダメかな?」
朝食食べながら、サカイさんに尋ねる。
だってもう飽きた。
結構な数のホタル倒したし、あとはほかの冒険者に任せればいいと思うの。
なぜか、ほかの冒険者は満身創痍なのが多いけどね。
「まだまだいるのですよ。殲滅してほしいとは言いませんが、外に出なくなるくらいは討伐していただきたいです」
そうだよね。
この集落自体は私はかかわってしまっているから、守ってあげたいけど・・・
飽きたんだよね。
蛍狩り。
「一応最終日までいるけど、その時までに討伐できなかったらどうするの?」
延長はお断りだな。
「ジェヌさんに相談します」
そういうこともあるかと、サカイさんが納得しているけど、普通は考えてあると思うんだけどな。
少し経つとなぜかジャムさんが来た。
朝食狙いだな。
さっさと次の嫁もらえよ、もう。
メイちゃんが親切だから、朝食の用意をしている。
あげなくてもいいよ。
「ジャムさん、もし期日までに蛍狩れなかったらどうするの?」
「ん?」
ものすごいほおばっているな。
なんでこんなに飢えているの、この人。
口に入れたものを飲み込むまで、待ってみる。
「秋の初めには、蛍は出てこなくなるんだ。だから大丈夫だが、それでも、作物が荒らされると、今年は雨もほぼ降らなかったから、厳しい冬になるからな」
ああ、そういえば、雨がほとんど降らなかったし、これから雨季が来る。
作物が育たなくなる時期だ。
雨ばかりで、陽がささなくなるのは必須だろう。
「ここは年寄りばかりだからな。重労働ができない。水魔法の使える人が来てくれてよかったけども、やはり少ないんだよ。・・・ああ、あの家族にここを紹介してくれて、ありがとうな。子供たちの笑顔とかで、年寄連中もうれしそうだ」
ジャムさんが穏やかに笑う。
一番若かったの、ジャムさんだものね。
「そういえば、子供やあの家族が持っているマジックバッグ、あれって、あんたがあげたのか?」
ん?
何の話だ?
あげたかな?
「ここを紹介するときにお渡ししたやつですよ。お嬢さま」
ああ!
あげたわ。
子供も大きくなって旅でも何でもするだろうからって。
後、おかし入れてあげたんだっけ?
「あげたわ」
「マジックバッグは貴重なのに、そんなに簡単に上げていいのか?」
「あんなもの、作ればいいんだから、貴重でも何でもないんだけど」
プレイヤーの使うマジックバッグは、手作りが多い。
鞄作って、大きさ調整できる魔法陣を縫い込むだけだから。
でも、その魔法陣が、この時代の人たちには読み取れないようだ。
古代魔法技術の一つらしい。
「手作りなのか。あんなものがプレイヤー国ではごろごろしているということか」
「いくつも持っているからね」
「なあ、俺にもくれないか?」
え?
マジックバッグが必要なの?
旅にでも出るのかな?
「やっぱだめか?」
「ほしい理由を聞いても?」
「収穫用のかごだけだと、年寄にはきついからな」
何度も収穫物を集落に往復して持っていくのは、確かにきついよね。
ここにはろくな台車もないし。
かといって、人間が引っ張る台車は、厳しいか。
「わかった。収穫かごに付与してあげるわ」
「ほんとか。感謝する」
どうやら旅立ちではないようだし、ほんとにこの集落のこと考えているんだなぁ。
ジャムさんはいいひと認定だ。
「収穫かご持ってきてね。アイリーン特製、収納倉庫の量が入る空間魔法の付与してあげるわ」
「そんな大きいのくれるのか」
「私に二言はないわ」
「ありがとう」
ご飯食べている最中なのに、椅子から降りて、ジャムさん土下座だ
土下座文化があったことに驚きだよ。
「いいよ、それくらい」
早く戻って食べ始めるように促す。
手を洗わせ、再び朝食の席だ。
「師匠・・・この集落に結構肩入れしてませんか?」
サカイさんが黙って聞いてたわりに、辛辣なことを言う。
いいじゃない。
ここはかかわってしまった場所だから。
「サカイさんには話してなかったわね。ここは、最初に来た時病気が蔓延しててね、それの治療して、生きていくための支援をしているの。その一環よ」
かかわった人には、責任を持とうと思う。
絶対じゃないけど。
「そうですか。・・・ジェヌさんに少々お話がございます」
「話ですか」
「朝食後でいいです」
サカイさん、何か気になったのかな。
まあ、それでも、サカイさんよりは先に知り合った人だし、決めたことに文句は言われたくないな。
それよりもだ。
「サカイさん、蛍ってなんのやくにたつの?」
素材として回収されているのだから、きっと何か使うのだろう。
「昆虫類は、甲冑素材になりますし、蛍の発光している部分が魔法具の一部に使われたりするのですよ」
「へえ・・・」
虫の武具は使いたくないな。
「虫の武具は軽量の割には丈夫なので、低位冒険者の装備としては一般的ですよ」
絶対低位冒険者とかかわりたくないわ。
虫じゃない。
気持ち悪い・・・
「ただ、火炎属性がないから、火に弱いのが難点でしょうか」
「そりゃどれもこれも、絶対ではないからね」
いや、もう、虫の話はやめてほしいわ。
虫は嫌いよ。
「あとは体液とかが、薬の原料になったり…」
「もうやめて。ご飯の時に虫の話は絶対禁止よ」
食欲なくなるわ。
虫汁かぶってみなさいよ。
絶対いやだわ。
「やっぱりもう帰りたいわ」
「師匠・・・」
いいじゃないの。
ほかの冒険者よりもものすごい数を倒したのだし、帰っても文句言われる筋合いはないと思うのだけど。
その前に、かごに魔法陣を付与しないとね。
昼頃になって、ジャムさんに広場に呼ばれた。
この集落で使っている収穫かごが並べられている。
早速魔法陣を描いていく。
今日はこれ以上の仕事はしたくないわね。
明日か明後日が最終日だったかな?
全部のかごに付与したころには、夕方になっていた。
私は眠い。
やっぱり今日の討伐もやらないのがいいな。
満身創痍な冒険者さんたちには、ポーションを配っておこう。
頑張って討ち取ってきてほしい。
私には絶対に見せに来ないでね。
夕飯もそこそこ、眠りについた。
毎週水曜日更新させていただいております。
次回には蛍狩り回もおわるはず・・・です。




