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ワールド・ガイア  作者: 水野青色
54/323

54~あきた~

お読みいただきありがとうございます。

居眠り女主人公、飽きてきております。

まだ蛍狩りやってます。

寝て起きたら二日経ってた。

わかっているのよ。魔力を使うと眠くなる。

この体質どうにかならないのだろうか。

魔力を全部使えば魔力総数が増えるっていうけど、私の場合はもうそれもないが、一割も使ってないのに眠くなるってどういう体質なのよ。

しかも眠りが長い。


そろそろ蛍狩りも終わっていいとおもうのだけどな・・・


「帰っちゃダメかな?」


朝食食べながら、サカイさんに尋ねる。

だってもう飽きた。

結構な数のホタル倒したし、あとはほかの冒険者に任せればいいと思うの。

なぜか、ほかの冒険者は満身創痍なのが多いけどね。


「まだまだいるのですよ。殲滅してほしいとは言いませんが、外に出なくなるくらいは討伐していただきたいです」


そうだよね。

この集落自体は私はかかわってしまっているから、守ってあげたいけど・・・

飽きたんだよね。

蛍狩り。


「一応最終日までいるけど、その時までに討伐できなかったらどうするの?」


延長はお断りだな。


「ジェヌさんに相談します」


そういうこともあるかと、サカイさんが納得しているけど、普通は考えてあると思うんだけどな。


少し経つとなぜかジャムさんが来た。

朝食狙いだな。

さっさと次の嫁もらえよ、もう。


メイちゃんが親切だから、朝食の用意をしている。

あげなくてもいいよ。


「ジャムさん、もし期日までに蛍狩れなかったらどうするの?」

「ん?」


ものすごいほおばっているな。

なんでこんなに飢えているの、この人。

口に入れたものを飲み込むまで、待ってみる。


「秋の初めには、蛍は出てこなくなるんだ。だから大丈夫だが、それでも、作物が荒らされると、今年は雨もほぼ降らなかったから、厳しい冬になるからな」


ああ、そういえば、雨がほとんど降らなかったし、これから雨季が来る。

作物が育たなくなる時期だ。

雨ばかりで、陽がささなくなるのは必須だろう。


「ここは年寄りばかりだからな。重労働ができない。水魔法の使える人が来てくれてよかったけども、やはり少ないんだよ。・・・ああ、あの家族にここを紹介してくれて、ありがとうな。子供たちの笑顔とかで、年寄連中もうれしそうだ」


ジャムさんが穏やかに笑う。

一番若かったの、ジャムさんだものね。


「そういえば、子供やあの家族が持っているマジックバッグ、あれって、あんたがあげたのか?」


ん?

何の話だ?

あげたかな?


「ここを紹介するときにお渡ししたやつですよ。お嬢さま」


ああ!

あげたわ。

子供も大きくなって旅でも何でもするだろうからって。

後、おかし入れてあげたんだっけ?


「あげたわ」

「マジックバッグは貴重なのに、そんなに簡単に上げていいのか?」

「あんなもの、作ればいいんだから、貴重でも何でもないんだけど」


プレイヤーの使うマジックバッグは、手作りが多い。

鞄作って、大きさ調整できる魔法陣を縫い込むだけだから。

でも、その魔法陣が、この時代の人たちには読み取れないようだ。

古代魔法技術の一つらしい。


「手作りなのか。あんなものがプレイヤー国ではごろごろしているということか」

「いくつも持っているからね」

「なあ、俺にもくれないか?」


え?

マジックバッグが必要なの?

旅にでも出るのかな?


「やっぱだめか?」

「ほしい理由を聞いても?」

「収穫用のかごだけだと、年寄にはきついからな」


何度も収穫物を集落に往復して持っていくのは、確かにきついよね。

ここにはろくな台車もないし。

かといって、人間が引っ張る台車は、厳しいか。


「わかった。収穫かごに付与してあげるわ」

「ほんとか。感謝する」


どうやら旅立ちではないようだし、ほんとにこの集落のこと考えているんだなぁ。

ジャムさんはいいひと認定だ。


「収穫かご持ってきてね。アイリーン特製、収納倉庫の量が入る空間魔法の付与してあげるわ」

「そんな大きいのくれるのか」

「私に二言はないわ」

「ありがとう」


ご飯食べている最中なのに、椅子から降りて、ジャムさん土下座だ

土下座文化があったことに驚きだよ。


「いいよ、それくらい」


早く戻って食べ始めるように促す。

手を洗わせ、再び朝食の席だ。


「師匠・・・この集落に結構肩入れしてませんか?」


サカイさんが黙って聞いてたわりに、辛辣なことを言う。

いいじゃない。

ここはかかわってしまった場所だから。


「サカイさんには話してなかったわね。ここは、最初に来た時病気が蔓延しててね、それの治療して、生きていくための支援をしているの。その一環よ」


かかわった人には、責任を持とうと思う。

絶対じゃないけど。


「そうですか。・・・ジェヌさんに少々お話がございます」

「話ですか」

「朝食後でいいです」


サカイさん、何か気になったのかな。

まあ、それでも、サカイさんよりは先に知り合った人だし、決めたことに文句は言われたくないな。


それよりもだ。


「サカイさん、蛍ってなんのやくにたつの?」


素材として回収されているのだから、きっと何か使うのだろう。


「昆虫類は、甲冑素材になりますし、蛍の発光している部分が魔法具の一部に使われたりするのですよ」

「へえ・・・」


虫の武具は使いたくないな。


「虫の武具は軽量の割には丈夫なので、低位冒険者の装備としては一般的ですよ」


絶対低位冒険者とかかわりたくないわ。

虫じゃない。

気持ち悪い・・・


「ただ、火炎属性がないから、火に弱いのが難点でしょうか」

「そりゃどれもこれも、絶対ではないからね」


いや、もう、虫の話はやめてほしいわ。

虫は嫌いよ。


「あとは体液とかが、薬の原料になったり…」

「もうやめて。ご飯の時に虫の話は絶対禁止よ」


食欲なくなるわ。

虫汁かぶってみなさいよ。

絶対いやだわ。


「やっぱりもう帰りたいわ」

「師匠・・・」


いいじゃないの。

ほかの冒険者よりもものすごい数を倒したのだし、帰っても文句言われる筋合いはないと思うのだけど。

その前に、かごに魔法陣を付与しないとね。


昼頃になって、ジャムさんに広場に呼ばれた。

この集落で使っている収穫かごが並べられている。

早速魔法陣を描いていく。

今日はこれ以上の仕事はしたくないわね。

明日か明後日が最終日だったかな?


全部のかごに付与したころには、夕方になっていた。

私は眠い。

やっぱり今日の討伐もやらないのがいいな。

満身創痍な冒険者さんたちには、ポーションを配っておこう。

頑張って討ち取ってきてほしい。

私には絶対に見せに来ないでね。


夕飯もそこそこ、眠りについた。


毎週水曜日更新させていただいております。

次回には蛍狩り回もおわるはず・・・です。

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