55~蛍狩り終わり~
いつもお読みいただきありがとうございます。居眠り女主人公、ほぼ何もしてません。
蛍狩りも終わりました。
朝だ。
いつものように寝て過ごしたから、昼過ぎたけど、起きた時が朝だ。
文句は言わせない。
「お目覚めですか、お嬢さま」
いつものようにメイちゃんが洗顔の桶とタオルを持ってくる。
まだ眠いんだけどね。
「昨日で蛍狩りは最終日です。明後日の夜には帰還するので、もうここを発たなくてはなりません」
「勝手に帰ったほうが早いんだけどな」
「向こうから魔力を流し込む時間がありますので、夕方以降だそうです」
そういえば、最初の日ものんびりやってたっけ。
そんなに魔力の総量が少ないって、どういうことなんだろう。
「私が流せば早くない?」
「その通りですが、これも冒険者ギルドの仕事らしいので、我慢なさってください」
仕事は取っちゃだめよね。
勝手にやっててほしいけど。
「先ほど、ジェヌ様がお嬢さまがお目覚めになられたら会いたいとおっしゃってました」
「うん?わかった。着替えていきましょ」
ご飯食べたいんだけど、呼ばれているなら仕方ないか。
「下でお待ちです。昼食をご用意いたします」
ご飯食べに来たのかな。
食堂に行くと、ジャムさんが運営さんと話をしていた。
「おはよう・・・」
「もう昼過ぎだ。あんたよく寝るな」
「私は寝るのが好きなんです。で、なんの用?」
椅子に座ると、シツジローくんがお茶を入れてくれた。
メイちゃんは昼食の準備だ。
「実はサカイ様にいわれてな、ここに冒険者ギルドの支部を置くという話が出ているんだ」
「支部を?」
置くなら勝手に置けばいいと思うのだけどね。
「ここに置くメリットは?」
「ダンジョン管理だそうだ。ここは年寄りしかいないから、支部を置いて、冒険者に来てもらうのも目的らしい」
「いいんじゃない?でもなんで私に言うの」
私、関係ないんじゃないかな?
「アイリーンは、ここの支援者だ。支援者というのは、ここを管理している人間だともいえる。お前の意見も必要なんだ」
「反対はしないよ。その代わり、私は支援だけで、冒険者組合とは関係ないからね?」
「ありがとう。サカイ様にも、言われてはいる」
サカイさんには、さまづけなのは気に入らないけど、まあいいか。
「そのサカイさんはどこ行ったの」
「門前街に戻っていったよ」
「一人で?」
「いや、ほかの冒険者と一緒だな。あの人ひとりじゃ、森を抜けられないだろう。アイリーンの家だけしか残ってないぞ」
そうだったのね。
みんな帰ったのか。
「帰還のための準備かな」
「もう帰るんだな」
「そうだけど。・・・この家、私が買っちゃダメかね?」
「どういうことだ?ここにすむのか?」
「ちがうけど。空き家なんでしょ?」
「アイリーン用の家なら、ここの老人たちがたてたがるぞ」
「無理させないでいいよ。時々ここの家の中掃除してくれればいいよ」
「そうはいってもなあ」
「ここにポータル魔法仕込みたいの。いつでも来られるように」
「ポータル魔法?」
そうか。
ポータル魔法知らないんだよね。
説明すると、便利だなあとか言っているけど、ジャムさんの魔法量じゃ、行き来に大変だと思うけどね。
「わかった。ここの家の手続きは、俺がやっておく。好きなとこにその魔法仕込んでくれ」
「ありがとう。もう少し魔法量が増えてれば、門前街のジューノさんの家には行けるわよ」
「なんだって?」
「あちらにも仕込んであるから、そのほうが、安全に支援物質持ってこられるでしょ」
「いい考えだが魔法量の総量なんて増やせるのか?」
「増やすには修業が必要だけどね」
なぜかみんな足りなすぎる。魔法量が多いのは、水魔法使いばかりだ。
使うからだろうけども。
昼食を食べた後、ポータルを設置する。
ポータルあるから、明日の出発でもいいか。
午後の日差しは少し和らいでる。
秋が近いからだ。
外には、この集落のお年寄りたちがまだ働いてる。
私が一番の怠け者だわ。
「メイちゃん、今日が最後だから、みんなにおいしいもの作ってあげてほしいわ」
「かしこまりました」
材料を取りに戻ると、メイちゃんはシツジローくんを伴って家に入ってく。
「ジャムさん、どこに支部作るとか、サカイさんとの連絡とかどうするの?」
「具体的なものはまだ決まっていないが、書面の郵便やり取りだろうから、時間はかかりそうだ」
それでも、馬車移動よりは時間はかからないという。移動魔法の小さいもので、門前街にある支部に書面を送ってもらって、それを届けてもらい、また送り返す形になるのだとか。
「面倒そう」
「それしかないからな」
何かいい案がないかな。
ねえ、運営さん。何かなかったかな?
ゲームの時は、メンバー用のチャット機能とかあったからなあ。そういうこと考えたことなかったな。
<通信用の水晶があるだろう>
通信用水晶?
・・・あ、あった。そういえば、そんなのがあったな。イベントで使った覚えがあるけど、イベントアイテムって、それ以外の使い道ないから、しまいっぱなしだわ。
<そのアイテムを、通信手段に使えばいい。魔石を仕込んでおけば、連絡や書面の送受信ができるはずだろう>
あそうか。
新しく作ればいいのか。それが、想像力だものね。
でもここには材料ないし、家に帰ってからだな。
「ジャムさん、今度ここに必要なもの持ってくるね」
「お?おう、ありがとな」
わかってないけど仕方ないよね。
ご飯食べたすぐ後だけど、早く版ご飯食べたいなあ。
メイちゃんが巨大なクマ肉とイノシシ肉引きずって、広場に持って行ってるし。
大きな鍋とかあったから、今夜は鍋料理かな。
「そうだ、ジャムさん。今回余ったポーション、置いて行くね」
「いいのか?」
「下級ポーションだから、いいんだ。サカイさんもポーションが作れるようになってきたんだよ。そのうちきちんとしたポーションが出回るといいよね」
「あんたが教えてるのか」
「そう。サカイさんはプレイヤーの子孫だからね」
「そうだったのか・・・」
「血はつながってないけどね」
この世界には、過去のプレイヤーの子孫を名乗る人が、ほかにもいるだろうけど、皆血のつながりはないんだよね。
「俺たちにも教えてくれると嬉しいけどな」
「・・・あの子供の下の子なら、魔力量がちょっと多いから、教えてもいいけどね」
「そうなのか?」
「水魔法の使い手になると思うよ?」
「あの子も水魔法使いなのか」
「本人分かってないけどね。偏りが水魔法使いより、土魔法使いのほうだと思う。捻じ曲げられたのかな?なんでかわからないけど。本来は、水魔法の使い手」
あの親子で水魔法が使えるのは、あの奥さんだけだった。
ああ、でも、水魔法使いは、いいようにつかわれるから、隠したかったのかな。
絶対数が少ないし、王都で生きるすべがあっても、しょせん雇われだからな。
奥さんも隠してたからな・・・
「あの兄弟は、将来世界を見てみたいそうだ。それならポーション作れるのはいいかもな」
あ、やっぱりこの人いい人だ。
せっかくやってきて、ポーションを作れるようになった子供を、この地にとどめておこうとか考えないのか。
「それもこれも、ここに冒険者ギルドができて、あの子がポーション作れるようになりたいといってからの話だよ。親から引き離されるのだしね」
「それはちょっとだな・・・」
「だから、いつの日か、の話だよ。ジャムさん」
「そうだな」
「集落の中身回ってこようかな」
「おお、みんな会いたがっているんだぞ」
そういえばほぼあってないもんね。
メイちゃんのほうが人気なんだけどね。
そうそう広くない集落だからか、ここの井戸は一つしかない。
もう一つあってもいいんだけどな。
それも後で考えようかな。
集落の人たちにあいさつしつつ、家に帰るといいにおいがしてきた。
もちろん外からだ。
メイちゃんの料理スキルは半端ないな。
おいしいにおい・・・
私も手伝えば料理スキルが上がったかもしれない。
夜はおいしい晩御飯で、みんなでお祭り状態だった。
個々の集落は家族みたいなものだからな。
明日にはここを出て帰るんだな。
まあすぐ来るけどね。
寝て起きたら朝だった。
嘘だ。
昼だ。
なんでだ?
ポータル作ったくらいで眠くなるなんてね・・・
ポータルでジューノさんの店に移動。
そのまま冒険者ギルドへ。
まだほかの冒険者来てなかったけどね。
待ってたら夕方だしね。
お買い物して待とう。
夕方も遅くなり、やっとほかの冒険者たちもサカイさんと一緒に到着。
帰ると、向こう側でぐったりしている魔術師たち。
少しは魔力の総量増えるんじゃないかな。
今回の報酬はあとでとなり、この日は解散だった。
私は家でお風呂に入ったら、ベッドにダイブ。
ああ・・・
やっぱりこのクッションが一番だ。
おやすみなさい
お読みいただきありがとうございました。毎週水曜日更新しております。
短めですみません。




