303~新しいきずき~
リアさんからの返事がまだ来ない。
つまりはまだ、準備中だということ。
まあ、それでも、欲しいというお客様には、石鹸を分けているけど。
今は、そのためと、がるがるさんに呼ばれたので、王都中央部の家にいる。
石鹸は、シツジロー君とメイちゃんが、欲しいという方々に売りに行き、大量かもしれない場合は、がるがるさんに任せた。
冒険者ギルドも欲しいって言っているんだしね。
がるがるさんの用事は、この家にあるいやし草。
薬師ギルドが分けろと言っているらしい。
それで、冒険者ギルドと商人ギルドを介して、適正な値段で取引することになった。
といっても、勝手に薬師ギルドの人たちが入っていい場所じゃないから。
サカイとスズランとエイトが、採取を請け負う。
売れる量も決めてある。
この庭の秩序はみだしちゃいけないしね。
縁側に座って、庭を見る。
庭の木と、スライム。
うん。
相変わらず静かな感じ。
スライムは水の中でゆらゆら揺れているようだけど、木のそばにいるし、木は時折葉を落とす。
やっぱり会話でもしているのだろうか?
それにしてもいやし草、もっさり生えているなぁ。
サカイに刈らせているけど。
減ってないね。
「ほら、気合入れて刈りなさいよ」
「そんなこと言われても、この量は一両日中では終わりませんよ」
泣き言は聞かない。
手入れをしていかないと、すぐにいやし草が、一面に生い茂るのよね。
やはり、精霊の生命の木の力なのだろうな。
水辺によく溶け込んで、いい土ができる。
・・・ん?
あ、スライムが、木の葉を食してる。
しおれたいやし草も。
このスライム、ほかより透明度たかくないか?
「鑑定・・・」
えっ!ほんとに?!
回復系のスライムって、何・・・?
回復系スライム
精霊の生命の木やいやし草を食して、水を回復役に変える力を持つ。
とかさ、
意味わかりません。
このスライムの周りの水が、もう、ポーションの役目をしているってこと?
そのうえ、それを糧にしたいやし草は、確かに回復力高いいい素材だし。
すごいわ。
ある意味、新種のスライムだわ。
うちの仔たちって、ほんとに優秀だわ。
あ、そうだ。
「スライム、分裂してほしいんだけど」
私の声に反応して、スライムから、三匹のスライムが出てきた。
すごいわ。
ぜんぶ、回復系スライム。
二匹は、拠点に持ち帰りましょう。
あと一匹は、プラム郷かな。
いやし草のところの水辺にはなっておけば、もっとたくさんのいやし草ができるはず。
実験段階ではあるけど、きっとうまくいく気がする。
「師匠・・・スライム増やしてどうするんですか」
「え?一匹ほしいの?」
「うちには飼える場所ありませんよ」
「一軒家と庭持って、いやし草を栽培できるようになりなさいよ」
「安月給には無理です」
ギルドの副長って、安月給なのか。
仕方ないか。
早く、シツジロー君とメイちゃん、帰ってこないかな。
おいしいおやつが食べたいわ。




