302~禁止事項~
ナナのやらかしは仕方ない。
だがしかし、それをみんなが容認しているのは問題だ。
特に、もともとの住民たちは、一応、レシピを読むことができるのだから。
みんなを集会所に集める。
もちろん、ジャムさんもよ。
「最近、収穫率が上がったのは、喜ばしいことよ。でもね、だからといって、植物用栄養剤は、10倍に薄めるとレシピにも書いてあるのに、なぜ守ってないのかを聞きたいんどけど?」
弟子たちのやらかしはもちろん師匠である私の責任ではあるのだけども、きちんとレシピ守って使っていれば、こんなことにはならないよね?
「すまんのう、アイリーンさん」
「いや、謝るより、理由ですよ」
おじいちゃんたちに謝られると、ちょっと弱いわ。
これがジャムさんなら、罵倒するけどね。
「実は、アイリーンさんたちがいなくなってたときに、ひどい冷害にあってな。収穫がほぼなかったときに、植物用栄養剤のことを思い出してな。一か八かでまいたら、あっという間に実ってなあ」
住人が増えたぶんの食糧難も考えて、わかっててもやってたらしい。
うぐぐ。
あのときのことを言われてしまうと、言い返せない。
数日のはずが、年単位でいなくなってたわけだし。
「わかったわ。でもこれからは、きちんと守ってほしいの。何かあって問題が出たとき、また、錬金術が消えてしまうから」
だから。
過剰なものは作らない。
これは、絶対的な禁止事項。
守ってもらわないといけない。
食糧ならいい。
でも一つ間違えば、身体に害を成すものだってある。
それだけは覚えててほしい。
「ナナもよ。ジャムさんも、ナナがなにか作り出したら、目を光らせててね」
「はーい」
「いや、オレはレシピっての読めないから、無理だぞ」
ちっ。
使えないおっさんね。
でもまあ、ここの人たちもみてくれるか。
ほんと、危ないものでなくてよかった。
「ああ、それと、もう一つ言わなければならなかったわ。植物用栄養剤を過剰に使うと、植物の魔物であるプラント種がよってくるのよ。プラント種のせいで、町や村がなくなることだってあるんだからね」
ほんと、そういうとこを注意してほしい。
危なくて仕方ない。
「プラント種ね・・・」
ジャムさんが胡乱な目でこっち見てる。
何よ。
「おじょーさま、プラントしゅって、もんのツルのひとみたいなの?」
はっ!
そうだった。
ここにはプラント母さんの子供がいて、プラム郷を守っているんだった。
「あ、うん・・・そうだけど、違うかな・・・」
二の句が告げないとは、このことなのかな。
あの子達が守ってるから、ほかのは来られないよね。
この郷は大丈夫だわ。
なんだか脱力感。




