↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/11

笑顔の仮面 2

 


 …トイレにでも逃げ込もうか。


 こいつらを蹴り飛ばしたい気持ちをぎりぎりで抑え、席を立とうとしたその時。


 またもや、教室が静まり返った。


 何事かと思い、みんなの視線の先へ目を向ける。


 噂をすれば、なのか。


 扉の前に立っていたのは、御流薫だった。


 彼はこちらを一瞥すると、誰とも目を合わせることなく、そのまま教室の隅へと歩いていく。

 

 


 ………助かった。


 ここから逃げる口実ができたことに感謝し、御流の後を追った。




「雪斗、どこ行くの?」


 背中から声が飛んでくる。


 伸ばされる手を振り払い、適当に笑ってかわす。



 御流はイヤホンをつけて、窓の外を眺めていた。

 

 完全に自分の世界に入り込んでいる。


 俺はその前に立ち、少しかがんで目線を合わせた。


「ねぇ、御流くん」


 反応なし。


「御流くん?」


 もう一度。


「御流くん。」



 ここまで無視されるのは、初めてかも知れない。さすがに少しムッとする。


 俺は机を軽くたたいた。コン、という音が教室に響く。


 それでも無視。


 ならばと、ただ、御流を見続ける。


 10秒。


 …20秒


 一度もこちらを見ない。

 そのうち、静かだった周囲から、ひそひそと声が聞こえてくる。


「雪斗のこと無視とか、何考えてんの?」


「無駄だよ。御流が誰かと会話捨てるとこなんて見たことないもん」


 …思いっきり聞こえている。


「……うるさい」


 突然、御流が口を開いた。


「え?」


「うるさい、さっきから」


 イヤホンを片方だけ外し、ようやくこちらを見る。


「聞こえてたの?」


 小さく首を振る。


「机叩いたのも?」


「………。」


 黙り込む。どうやら無視はしていたらしい。俺が小さく笑うと、御流の眉がわずかに寄った。


「……何」


「いや、ちゃんと聞こえてたんだなって思って?」


俺がそういうと、そっと顔をそむけた。意外とわかりやすい。



「それで?何しに来たの」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。