お誘い
お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。
怒涛の出張(+歌保ちゃんの悲劇)から約3ヶ月が過ぎて、今日も今日とて多忙な私。
あいかわらず仕事は多いし、仕事は多いし、そして仕事は多いし。
んで宇宙人たちは言うことを聞かないし、言うことを聞かないし、ホントに言うことを聞かないしっ!!!
メールの最後につい「いい加減にしろっ!!このおバカっ!!!」って書いちゃったのをあわてて消していたら、ピロン!って音がして別の新着メールが届いた。
見ると、チュウさんからだ。
『久しぶりのことね。今、地球に来てるんやけど、今晩ご飯の一緒にどう?』
あらあら、このかわいいショウコちゃんにデートのお誘い?
うん、オッケーよっ♪
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「こんばんは、ご無沙汰してまーすっ!」
「うんうん、変わらず元気の潟田さんやね」
待ち合わせ場所は、なぜか駅前にある家電量販店の前。
超の付くマイペースなチュウさんのことだから、ゴハンの前に買い物でもするんだろうって思ってたらやっぱりその通りだったわ(呆)
「いやなに、潟田さんのアドバイスも欲しいのことでね。その代わり今夜は美味しいお寿司のごちそうするよ」
「そういうことでしたら喜んで!!」
家電コーナーを通り過ぎ、チュウさんはずんずんとお店の奥のほうへ。
家電じゃなくておもちゃ売り場に用があるみたい。
お子さんへのお土産かなって思ったんだけど、あれ?
チュウさんって、確かまだ独身だったハズ??
「もしかして、お客さんへの手土産ですか?」
「うーん、どうかな?仕事の資料というのかもしれないのことね」
「??」
はて?
仕事の資料ってことは、宇宙人さんたち相手におもちゃを売りつけるつもりなのかしら??
......
.....
...
おもちゃ売り場に展示されてたジオラマを眺めている。
しゃがみ込んでそれを見つめるチュウさんの顔には、明らかに迷いがあるわ。
「うーん、とてもかっこいいのだけど、高価いのことね」
「ええまあ。こーゆーのって一応おもちゃのカテゴリーではあるんですが、どちらかというと大人向けなんですよ」
「そうやろうね。雑にあつかったらすぐに壊れそうのものやね」
チュウさんが買うかどうかで悩んでるのは、わりと本格的な鉄道模型。
そりゃ高いわよ(汗)
「もし宇宙人にこれを売るのなら、マメな性格の種族でないと大変ですよ」
「そうなの?」
「ええ。ホコリが付いたりすると動きが悪くなりますし、定期的なメンテナンスは必須です。あ、でも逆に、メンテナンス用品だって売れるかもしれませんよ?なにしろハマる人はどっぷりハマりますから、お金に糸目はつけないですよ」
「うーん......」
「知ってます?こういうの好きな人は、うつ伏せになって観たり、つまり列車と同じ目線で楽しんだりもするんですって」
「うーん......」
チュウさんってば、アドバイスが欲しいって言ってたわりには、歌保ちゃんからの受け売りにはうわの空。
残念そうな顔で、おもむろに立ち上がる。
「ごめんなさいのことね。でもこの模型を宇宙人相手に売るのことは考えてないんよ」
「あ、そうなんですか?」
「うん。鉄道って概念を説明するのに便利のものかと思ったんやけど、そのままお客さんにプレゼントのするものやし、やっぱりメンテナンスフリーでないと難しいのことね」
「それなら、ちょうど良いのがありますよ。あっちにある地球儀なんかどうです?」
まかせなさい、とばかりにチュウさんを別のコーナーに連れていく。
「これなんか良いんじゃないですか?」
「おお!!」
小物っていうにはちょっと大きいけれど、これも歌保ちゃんに教えてもらったインテリア。
通称「銀河鉄道」の模型ね。
ちょっと説明しておくと、この地球には現在、何十本もの軌道エレベーターが建ってて、それらのてっぺん同士はすごく丈夫なポリマーのレールでつながってるの。
で、そのレールの上を走ってるのが通称「銀河鉄道」ってわけ。
両手にのるぐらいの少し小さめの地球の模型、いわゆる地球儀ってやつ。
青い球体からは、いくつかの1センチぐらいの長さの突起がつき出ていて、それらがさらに地球の表面に沿ったレールでつながれている。
ゆっくりと回る地球の上に敷かれたレールは電飾で淡く光ってて、で、そのレールの上を小さな模型の列車がこれまたゆっくりと走っているの。
「列車もレールもオーバースケールなのと多少のデフォルメがされてますけど、構造は単純で値段もお手頃。ソーラーで動きますし、何よりメンテナンスフリーですよ」
「うんうん、これは良いわ。すごくオシャレやし、これなら鉄道を知らないの宇宙人達にもイメージしてもらうのに容易やね」
ぱっと笑顔になったチュウさん、近くにいた店員さんを呼ぶとこの模型を大量に注文、火星への配送を頼んでたわ。
とりあえず50個だって!!
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「いやあ、今日は助かったのこと。やっぱり潟田さんといると、なぜだか商売がうまくいくのことね。さ、今日はお礼よ。なんでも好きなものをたのんでね」
「わーい♪な、何にしようかな.......」
ゴクリ、と唾をのむ。
カウンター前のショーケースには色とりどりのお魚さんたちがずらりと並び、ツヤツヤと光ってその存在をアピールしてくる♪
アジもマグロもツブ貝も美味しそう!!
あ、でもこういう時って、まずはコハダからいくんだっけ??
ヨダレをたらさんばかりにカウンターを見つめて悩む私のことを、高級(ほぼ時価!)なので遠慮してると思ったのか、チュウさん、さらっととんでもないことを言い出した。
「それじゃ大将、とりあえずこのケースのお魚、端から順番に全部握ってのもらえる?」
「ええーーーーっ(うれしい悲鳴)!!!!!」
「へ?....へ、へいまいどっ!!」
カウンターの向こうの職人さんもちょっとびっくりしたみたい。
でもそこはプロ。
すぐに気を取りなおして笑顔になる。
「大丈夫ですよ、お嬢さん。結構な量になりますけど、折詰にも出来ますからね!!」
はて?
余裕で食べきれますけど??(苦笑)
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次回、最終話です。




