表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第7章 気さくな国王陛下

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
65/72

喜「怒」哀楽

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


「正直、寡人わたしにも『怒り』というのがどのような心持(こころも)ちであるのか、正確には理解できていないのだが」

「まあ不快の感じるものでございますよ。ちょうど喜びの感じるの反対かと」



チュウさんがそう返すと、国王陛下は得たりって感じに薄く笑う。



「まさにそれだな」

「それ、とは何のでございます?」

「確か喜怒哀楽、だったか?そなた達の言葉にあるあろう?」

「御意にございます。ですが超広域宇宙生活圏連合(コズミックワールド)の皆様と商売のさせていただいておりますと、喜、哀、楽の3つしか無いように思います」



うんうん、そうなんだよねー。



「そうだな。ちなみに(かな)しみは分かるのだ。だからおそらく楽しみも分かっておる」

「と、いうことは.....喜びを感じるのことが不完全だと?」

「うむ。例えるなら光と影だ。光なくして影はなく、影なくして光りもない。寡人(わたし)をはじめエント星の民は皆、怒りを知らぬが故に、きっと真の喜びを知らぬのだ」



ふーん......そんなもんかなあ??

宇宙人さん達って、どいつもこいつもノーテンキで、いつだって生きるヨロコビに満ちあふれてる気がするんだけどな.....



.......

.....

...



「ところで陛下、この内紛の目的でのある『怒り』の感情を取り戻すことができたと仮定のしまして、再び亜空間を使えなくのなりましたらどうなさるおつもりで?」



チュウさんがソロリとたずねる。

そうそうそれよっ!

それが肝心!!



だって今のところ、「怒り」の感情を捨てないかぎりは亜空間技術を使うことはできない、ってことしか分かってないんだもん!

そこんとこ、もうちょっと詳しく!!



「どのみちその目的は達せられそうにないのだがな。だが地球人は対応策を見つけ出しているではないか。生身で亜空間を通れなくなったとしても、そなた達のように元素変換によるクローン技術で星間移動はできるであろう?」



うーん、どっちかと言うとそれは対処法に近いんだよね。

だってそのせいで、歌保ちゃんみたいな「S2」を持っていない人は、星間移動がしたくても出来ないんだもの......



「その方法はどうでしょうか?私ども人類ホモサピエンスにおきましても、『S2』保持の者でなければ星間移動のできないのです。それゆえに、私どもは『S2』の有る無しので格差があるのも現実のことなのです」

「ふむ......エントの民が、今度こそ本当に2つに分かれる可能性があると?」

「否定のするのは難しいかと」



3人して考え込んでしまう。

ここは単刀直入に聞いてみよっかな?

まずは焼酎をロックにして、と......



「あの陛下......どうぞ」

「おお、すまんな」



難しい顔をした陛下が、グラスを一気にあおる。

さりげなくチュウさんが2本目のボトルを注文してる。

そうそう、もっと飲んでー♪

飲んでー♪飲んでー♪



.......

.....

...



顔を真っ赤にしたベロベロの国王陛下。



人類ホモサピエンスと同じで、エント星人でも酔うと赤くなるのね。

そろそろいいかな?



「ところで陛下、『怒り』の感情を持ったままだと、なぜ人は亜空間には入れないのでしょうか?」

「......うん?はじけ飛ぶのだ、肉体も魂もずたずたに引き裂かれてな。無論、2度と出てくることは叶わぬ。亜空間の発見当初は、まだ精神的に未熟な種族もいてな、そういった連中が犠牲になったが故に判明していることなのだがな」



なにそれコワっ!!

私たちの魂って、そんな物騒ブッソーなトコを通ってるの?



「まるでブラックホールみたいのでございますね?」

「そうだな。なんにせよ、『怒り』の感情を持ったままでは、人は亜空間には入れぬのだ」

「それはまた何故なぜ?」

「分からぬ。教えてやりたいのはやまやまだが、それは今のところ誰にもに分かっておらぬのだ!」



............いや分かってないのかいっ!!!

くそー、焼酎代かえせー!!!



「使いこなせているとはいっても、そのメカニズムは未だ不明でな。だがひとつだけ分かっていることもある」

「「そ、それは.......??」」



固唾をのんで次の国王陛下の言葉を待つ。



「亜空間の存在が明らかになったのは、人が『怒り』の感情を捨て去って、しばらくしてからのことなのだ。つまり人が『怒り』の感情をもったままであったならば、亜空間は発見されることもなく、ましてやそれを使うことなど出来なかったであろうな」



へぇ.......



「ですが私どもは?もしかして結構レアケースなのでしょうか?」

「そうだ。肉体そのものは無理でも、『怒り』の感情を持ったままの魂が亜空間を通っておる。地球人の持つこの特性、そのことの重大さに気付いておらぬ者はまだ多いのだがな」



.......

.....

...



結局のところ、私たち人類ホモサピエンスが生身のまま亜空間を利用するのはまだ無理みたいね。

そもそも大前提である「怒り」の感情を捨てるなんてそう簡単にはできないし、そうとう時間がかかるわよ。



「ところで陛下、エント星の人々の紛争についてのは、今後どうなさるのおつもりで?『怒り』の感情を取り戻すのことは、もう断念なさいますので?」



とっとと気持ちを切り替えたらしいチュウさん、この星が今後どうするのか、どうなるのかを探り始めた。



紛争が続くのか、終わるのか?

終わるとしたら、エント星の人々の生活はきっと変わる。

「何かが変化するときは、必ずそこにビジネスチャンスがあるんよ」って日来課長おいちゃんもよく言ってるわ。



「そうだな。寡人わたしとしては、そろそろ潮時だとは思っている。だがそのためには、ひとつ問題があってな。今日はその件についても、そなた達に相談にのってもらいたいのだ」



国王陛下はそうおっしゃると、ショウコちゃんの顔をじっと見つめてきた。

.........ん?



気に入って頂けましたら、ご評価、ブクマ登録など頂けますと大変励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ