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楽してのんびり生きていたいけど、やっぱりお金は稼がなきゃ ー宇宙開拓記 その2ー  作者: 杠煬
第7章 気さくな国王陛下

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国王陛下の悩み

お読み頂きありがとうございます。楽しんで頂けたら嬉しいです。


「いや、すまんな。しんみりとして」

「かまいませんのことですよ。どうなさいました?」



話を聞いてみると、これからのエント星のあり方について悩んでらっしゃるらしい。

一国の王様ともなると、やっぱり責任重大なのね。



「エント星の民のほとんどはこの星を出て、ガメスとラント、2つの星系に分かれて住んでおる。そなた達も王宮ここへ来るまでに見たかもしれぬが、ここ100年ほど、両陣営は絶えず争いを繰り返しているのだ」

「ええ、ですがそれは、えての行っていると聞いておりますのですが?」

「え?あの戦争ゴッコみたいなの、ワザとやらせてるんですか?」

「そうだ.....おっとすまん、構わず飲み食いしてくれ。寡人わたしもいただこう」



へぇーと思いながら、国王陛下につられて私も白いお皿に盛られた串焼きを手に取る。

モグモグ......うん、この砂土竜サンドモールの塩焼き、なかなか美味しいじゃないの。

他の惑星ほしじゃ超高級品だけど、ここだとリーズナブルに食べられるのね♪



「おそらく他の宇宙人達もそうなのだろうが、はるかな昔、我々は亜空間技術を使いこなすための精神的進化をとげた。これはそなたたち地球人をけなしているのでは決して無いが、亜空間を生身のままで通るには、もう1段階の精神成長が必要なのもまた事実なのだ。」



チュウさんの顔がマジになってる。

さすがのショウコちゃんも、2本目の串に手をのばしながら耳をすませる。

だって重要なことよ。

人類ホモサピエンス渇望かつぼーしている亜空間利用のヒントが得られるかもしれないんだもの。



あ!チュウさんが注文パネルでそおっと強いお酒しょうちゅうをたのんでる......

ベロベロにして口をすべらせる作戦ね♪(ナイス!)



「それで、その精神的進化のと、エント星における紛争のには何か関係がございますので?」

「うむ。亜空間利用にも関することであるので、あまりくわしく話してやることはできんがな」

((いや、そこをなんとか!!))



......強いお酒、まだかな??



「そもそも超広域宇宙生活圏連合コズミックワールドに住まうほとんどの人間は、精神の収斂進化をとげた結果、『怒り』という感情が無い。それどころか怒ることができないと言ってもいい」

「それは経験として、よくあるのことですね」

「確かに。仕事でクレームをつけても、『こっちは怒ってるのよ』ってのがまるで理解できてない感じですし」

「そうだ。だが、まさにそのこと・・・・こそが亜空間を使うにあたって何よりも重要なことなのだ」



国王陛下はそうおっしゃると、ジョッキに残ったビールを一気にあおる。

そうそう、もっと飲んで飲んで♪

おっと、焼酎もきましたよ。

チュウさんに「オッケー、分かってますよ!」と目配せをして、濃い目の水割りをつくる。



「陛下、どーぞ」

「すまんな.....うむ、この酒も美味い。これはたしか、ショーチューというのだったか?」

「さようでございますです」



ヘンに緊張して言葉づかいがおかしくなってる(汗々アセアセ



「火星で採れた芋でつくりましたのお酒でして、我々人類ホモサピエンスの誇る文化の1つのでございます」

「ふふふ、これもかつて、そなたが売り込みに来たのだったな。油断していると、この星の財貨は全てチュウに持っていかれるな」

「とんでもございませんのことです。僕いつも損のしてばっかりでございます」

(いやいやいや、ウソつけっての!!)



.......

.....

...



「それにしても、怒ることができない、ですか.......うーん、どういう感じなんだろう?」

「確かにね。僕たち人類ホモサピエンスには、アンガーマネジメントという『怒り』をコントロールするのトレーニング方法があるけど、そのものを感じないの方法はないのことね」



チュウさんと2人してぼそぼそと話す。

その様子を面白そうに、そして少しさみしそうに見ている国王陛下。

ぐびりぐびりと2度グラスを傾けると中身が無くなり、氷がからんと音を立てた。

すぐにおかわりを作る。

なぜだか少し薄めにしてしまった。



「我々が紛争を起こしている目的、それは表向きには進歩のためだ。命の奪い合いは厳禁だが、適度な競争は技術革新の原動力となるからだ」

「過去の歴史の重みのゆえに、全面的に賛同はいたしかねますが。ですが、確かにそういう一面のございます」



うんまあ、そうかもしれないわね。

ナビもネットも、もともとは軍事用に開発されたものだって聞いたことがあるわ。



「長きにわたる紛争で、確かに技術は多少向上した。だが争いは、それ以上の消耗をともなう。なによりもこの紛争の真の目的、『怒り』の感情を取り戻すことはできていないのだ」



陛下が一気にグラスをあおる。

なんだか物足りなさそうなお顔だったから、今度は濃いめにした。



「『怒り』の感情の取り戻す......」



チュウさんがつぶやく。

陛下がうなずく。

話が難しくなりそうなんで、ショウコちゃんは串焼きをもう1本頬張る。

あ、タレも美味しい......



寡人わたしも含めた歴代の王の悲願でな。皆、疑問に思っていたのだ。」

「モグモグ......疑問ひもんですかれすか?」



淑女(?)としてはしたない・・・・・けど、咀嚼しつつ聞き返してしまう(汗)



「そうだ。先ほどそなた達の申しておったアンガーマネジメント、だったか?『怒り』に無知であることと、『怒り』を知った上でそれを完全にコントロールすることでは、天と地ほどの開きがあるのではないか?ということだ」



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