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私は後を追って、その部屋に入った。


しかしそこに女はいなかったのだ。


患者が一人、ベッドで寝ているだけだ。


――えっ?


部屋の出入口は一つしかない。


窓も閉まっていた。


それ以前にここは四階だ。


窓から出て行ったとはとても思えない。


それなのに今入ったばかりの女が何処にもいないのだ。


私は考えた。


考えて考えて一つの結論に達した。


多分疲れているのだろうと。


その日の朝、女が入った部屋の患者が死んだ。


もともとけっして死ぬような病気なんかではないうえに、数日後には退院するはずだったのに。



それから三週間ほど経ったある日、私は再びあの女を見た。


いつものように病室に入っていったが、私はもう女の後を追おうとは思わなかった。


そしてその部屋の患者が、数時間後に死んだ。



さすがに気になった私は、先輩看護婦の一人にそれとなく聞いてみたが、彼女は長い黒髪の女について、本当に何も知らないようだった。


それでもあきらめきれずに、何人かの先輩に聞いてみたのだが、みんな同じような反応だった。


そして駄目もとで最古参の看護婦長に聞いてみると、いつも穏やかな彼女がきつい顔と声で言った。


「あなた、そのことはもう誰にも話してはいけません。わかりましたね」


看護婦長は私の肩をぽんと叩くと、その場を去った。

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